北海道Tour18#2 2018/8/10(金)
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開陽→上春別
(以上#2-1)
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雲は相変わらず低いものの、雲の下の空気は急に澄み始めてきた。やっと、もう雨の心配は無さそうな気になってきた。
国道272の横断箇所では、町道と農道のクランクを国道が斜めに貫いている。その国道をショートカットせず、例え1〜200mでも静かな道に拘って敢えて国道を通らないのが可笑しい。
北海道Tour18#2 2018/8/10(金)民宿地平線の根釧台地130kmコース 中標津町豊岡にて - Spherical Image - RICOH THETA |
国道272北側の防風林を通過すると、突如北側の山裾へ視界が開けた。眺めが広々としているのは、防風林の森をピークに、北側に少し落ち込む地形そのせいもあった。別海北部の平坦な台地が、中標津南部の谷に移行しつつあるのだった。今日は根釧台地を覆う雲は低く、標津岳や武佐岳は見えない。山裾の一番下っぽい場所までが何とか見える。山まで見渡せれば、かなりの展望ポイントだろう。この辺りにこんな場所があったとは。
当幌まで小さい川の谷によるアップダウンが続いた。細道農道らしくまともに谷間を横断する直登は、ここまで出会うことが無かった急な坂だ。
当幌でやっと道道13を横断する。「当幌」という地名にあまり馴染みは無いね、などと勝手に思っていたが、実は旧標津線標茶方面の、中標津の次が当幌なのだった。だから当幌は中標津近郊とも言える。
空はさっきより大分明るくなってはいて、もうあまり雨の心配は無い。しかし、やはり空一杯に雲は広がっていて、その雲は決して高いとは言えない。
道道13の交通量は、上春別の道道8辺りに匹敵するぐらいに多い。さすが旧標津線沿いの幹線道で、中標津に近いだけのことはある。しかし、当幌にはセイコーマートは無く、バス停と自販機以外に何か立ち寄れそうな場所は見当たらない。それでも何も無いより何かコース上の区切りであるような気がして、とりあえず休憩所風のバス停に入って少し缶コーヒーを飲み、パンを食べてみたりする。
15:15、当幌発。
道道13を渡って農道へ。道道150手前の北側山裾まで、コース全体としても後半大詰めの区間だ。牧草地と防風林が断続するのは根釧台地共通の風景なのだが、別海では緩やかな丘が延々と続き、道の行く手には果てしなさが感じられ、中標津の台地上は広々と安定した平面で、牧場が多いためか人里っぽく親しみやすい。
山裾から南北方向に続く谷沿いに、130kmコースは時々段丘を下ったり登ったりクランク状に平行移動して、台地のグリッドとは無関係に向きを変えてゆく。台地上では、自分がいる場所が見渡す山裾へ続いていることが、雲が低い今日でさえよくわかる。そして、山裾が次第に近づいてきて、北上していることがよく理解できる。これで武佐岳や標津岳、西別岳が見えたら気分が良いだろう。手描き地図のこの辺にも「絶景」と書いてあったのを思い出す。
行こうと思わないとなかなか経路に選びにくい、しかも眺めの良い道が選ばれているのは石川さんの手による3コース共通の特徴だ。そして、山裾への風景を眺めながら山裾へ向かうことができるのは、この130kmコースの大きな特徴かもしれない。
中標津市街から開陽辺りまでの距離に相当するだけあり、当幌から俣落まではやや距離が感じられた。根釧台地の距離感覚は、通ってみないとなかなか把握しにくいとつくづく思う。
道端の牧場に「JAまたおち」の文字が見え始める辺りから、コースは西向き北向きを交互に繰り返してゆく。牧草地の道が延々と続いてはいても、直交グリッドをジグザグに辿ってゆく感覚は、別海辺りで感じられた、「迷走する道を辿って狙い定めて次の道を選ぶ」という感覚とは全く違う。
段丘沿いの静かな細道から、山裾近くの既知の町道に合流して、コースはいよいよ東へ。開陽までもう10kmぐらい、最後の区間だ。
町道北19の、開陽台分岐前の見晴らしポイントで根釧台地を見渡してみる。
北海道Tour18#2 2018/8/10(金)民宿地平線の根釧台地130kmコース 中標津町開陽にて - Spherical Image - RICOH THETA |
1時間前に比べると雨雲はもうかなり高くなっていて、遠景が見渡せる程になっていた。しかし、空はやや暗い。開陽台からは、根釧台地を見渡すことはできるだろう。晴れの日より、こういう曇りの日の方が遠景がくっきり見えることは少なくない。しかし、低い雲の下に一日身を置いた後で、この期に及んで薄暗い曇り空の開陽台に向かう気にはなれない。もう今日は宿へ帰ってしまおう。
折角の開陽台を前にこんなことを思うのは、思えば去年の秋、快晴で最高の開陽台を楽しめたことも大きな理由かもしれない。
16:20、民宿地平線着。
開陽台往復約3kmを省略して127km、9時半に出発して気軽に7時間。途中雨宿りやセイコーマート休憩もしている。自転車向きのお手頃ボリュームだ。それでいて、特に後半90km過ぎから展望ポイントが多い。また、同じく中後半の細道に小坂が変化を付けてくれる。コースの起承転結が見事だ。
到着後はすぐに町営温泉へ。何となく脚を回している内に時間が過ぎたような気はしていても、1日走ると流石に汗はかいている。走った後のひとっ風呂が大変心地よい。
明日の天気予報も1日中雨。宿は札友内「鱒や」なので、最短なら50kmちょっと。どうせ1日雨なら、雨が弱くなった所を見計らって出発しよう。或いは午前中ずっと様子見しても、16時までには到着できる。
などとこの時既に、翌日の雨運休を覚悟してはいた。
記 2018/12/9
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