2017/5/4 四国Tour17#4
長者→西川角-3

長者→矢筈峠 (以上#4-1)
→新田→布施坂
(以上#4-2)
→寺野→西川角  75km  RIDE WITH GPS

栗の木から県道377へ RICOH GR GR18.3mm1:2.8 船戸から道の駅布施坂経由で神母野へ 赤は本日の経路

 角煮ラーメンの後、唐揚単品、更にソフトと集中的にがっつき、道の駅には長居しすぎた。12:20、道の駅布施坂発。

 船戸へ戻り、国道195旧道でまたもや布施坂側へ。

雲が濃くなってきた RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
 

 旧道の峠から下り、地図の通りに分岐した県道377では、雨が再び強く降り始めた。標高は450m、さっきの道の駅布施坂は400mぐらいだった。400mちょっと上ぐらいに雨天の境があるのかもしれない。

つづら折れで下ってゆく布施坂旧道 お茶も美味しそう RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
雨の峠道 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 布施坂側は山中の道だったのに、峠部分の向こう、四万十町側の程落では、すぐに再びあきれるぐらいに開けた集落まっただ中となった。それは布施坂・船戸と同じパターンだ。

船戸から道の駅布施坂経由で竹原へ 赤は本日の経路

 雨の中ではあったが、谷口、寺本、新改と、のんびり穏やかな農村風景が続いた。「ちがやの」などという平仮名集落もみられた。

 しかし雨は更に強まっていた。どこかの軒下で少し休みたいぐらいに。

 寺野で当初のコース、船戸から四万十川とともに下ってくる県道19に合流。寺野は2011年に須崎から訪れている。県道どうしの交差点なのに生活道みたいな道、ラジオ体操の音楽が流れる早朝の小学校など、楽しい田舎道の雰囲気が印象的だった。

寺野から竹原経由で栗の木へ 赤は本日の経路

 今日は県道19を下流方面へ。こちらの道は2001年以来となる。

 ゆっくり風景を見逃さないように進みたい、僅かだが下り基調だし。と思っていたら、神母野で軒の深い商店を発見。依然として雨は本降りなので、大きな軒下は有り難かったが、あまり休憩時に食べでがありそうなものは無かった。まあ、缶コーヒー程度飲めれば、宿までもう何の不自由も無い。

 四万十川の谷間を国道197が横切る船戸は標高400m、寺野は標高300m。船戸から寺野への8kmで、四万十川は100m下っていることになる。一方、寺野から先、四万十川の谷間は下りが完全に一段落。標高300〜200の窪川まで、上流部なのに窪川以降の中下流より余程平地っぽい広い谷間が続くのだ。四万十川の大きな特徴のひとつと言える。

 

 2001年の訪問時は、この辺りでもう18時半過ぎ。もともと雨で薄暗いのにそろそろ日没時依然として刻を過ぎ、辺りは目に見えてどんどん暗くなり始めていた。のんびりしたいい風景だなとは思いつつ、宿までまだあと20kmぐらい、ひたすら気が急いて焦っていた。

悠然とのたうつ四万十川 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 今日、この道ののんびりと穏やかな、ちょっと拍子抜けするぐらいに普通っぽい農村風景には記憶が全く無い。あの日は余程何も目に入らなかったのだ。

 奈路から竹原には、四万十川が屈曲して一気に40m標高を下げる渓谷がある。河岸に山肌が切り立ち、谷間の集落は途切れ、県道19は河岸の小山を乗り越えて屈曲部をショートカットする。この四万十川沿いには珍しい登りで、2001年の訪問では真っ暗な森で路上の石に乗り上げてパンクしてしまった。既に200kmを走っていてやや疲れていて、坂でしんどくて先行きを焦り、更にインフレータを道中で紛失していてパンク修理もできない。雨中の修羅場だった。16年来のトラウマ区間なのである。

 前回しんどかった坂は、今日通ってみればたったの40m程度。ピーク付近で改めて四万十川を見下ろすと、この風景には確かに記憶がある。

竹原の登り返し 全然大したことは無かった RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
川の表情もさることながら岸辺の茂みが表情豊かな四万十川上流域 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 竹原以降、次第に谷間全体は拡がっていった。

竹原から米奥経由で西川角へ 赤は本日の経路
谷間がどことなく拡がってきた RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
鬱蒼と取り付く島が無く、しかし限りなく穏やかな岸辺が続く RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

 窪川にも近づいているせいか、栗の木辺りから四万十川東岸の県道19の交通量は増え始めた。ちょうどいい具合に西岸へ向かう県道322へコースをとってある。それに宿は西岸側だ。

栗の木で対岸へ 上流側 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 県道322は県道19の裏道的なポジションにあるようで、かなり静かな細道だ。そもそも西岸自体が東岸に比べ、どちらかと言えばそういうポジションであるようだ。かつて西岸には窪川から木材運搬用の鉄道が通っていたらしく、道はあくまで鉄道風に平坦に道幅にしては整った線形で、河岸の集落や田んぼ、畑、山裾の森を通り抜けてゆく。

栗の木 絶滅したというニホンカワウソでもいそうな雰囲気 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 雨はかなり弱くなり、もう小雨ぐらいになっていた。ただ、やはり雨具は手放せない。

 米奥で2001年と2004年に泊まった四万十の宿(現在休業中)こと松井商店のおばさんを再訪。

 

 寺野から20km下って来てつくづく思ったのは、四万十川流域の農村風景と四万十川上流部の雰囲気は一体であるということだ。草むらや竹藪に鬱蒼と覆われた川岸は、どこかにニホンカワウソぐらい住んでいそうな雰囲気が一杯で、一見のんびりとごく普通の農村風景を緩めに彩り、その表情を決定付けているように思えた。「最後の清流」と呼ばれる四万十川だが、護岸箇所が全く無いかというと決してそうではない。それに今回出発前に知ったことだが、ダムも実は窪川の下流側に一つあるらしい。しかし、その清流純度よりも、流域農村と川が一体となった風景にこそ、四万十川ならではの特徴があるように思えたのだった。

西岸の県道322は静かな細道 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 作屋で仁井田米を家に送り、15:35、西川角「四万十川ほとりの宿」着。

寺野から米奥経由で西川角へ 赤は本日の経路
 

 到着段階で雨は一段落し、道は乾き始めていたものの、16時過ぎには再び雨が降ってきた。明日の天気は曇り後晴れで、明後日は雨後晴れ。最終日は晴れらしいが、やはり出発前の天気予報から次第に、そしてかなり悪化していると言えた。まあ、明日午後の土佐清水での晴れを期待したい。

 宿は外人のお遍路さんと同泊で、更に夜には別棟に広島の家族連れが到着。楽しい晩ご飯となった。

記 2017/6/18

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Last Update 2020/3/17
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