小松→日ノ浦
(以上#2-1)
→寒風山隧道
(以上#2-2)
→自念子ノ頭
(以下#2-4)
→土小屋
(以下#2-5)
→河口→七鳥→下畑野
103km
RIDE WITH GPS
身体があまり冷えないうちに町道瓶ヶ森線突入。
道の外側に木々は低く、やっと新芽が出てきたところ。外側の景色がちらちら眺められて、基本的に開放感一杯だ。
所々で周囲の展望が開けて周囲の山々を見下ろし、さっき見上げていた笹ヶ峰〜寒風山はもう真っ正面からよく見える。しかし、谷間は底が見えにくいほど落ち込んでいる。
1200m、1300mと、明らかにさっきの旧道以上のペースで、標高がぐいぐい上がってゆく。1300m以上では斜度は10%、またはそれ以上となった。さすが町道。
気が付くと風がかなり冷たい。1400m以上では山肌に目立って岩場が増え始め、道端に残雪が普通に現れるようになった。
とりあえず標高1500mの最初のピークを越えた。登りは最初の一段落、この後下りと登り返し含みで、最終的に標高1700m段階的に登り詰めてゆくはずだ。
下り始めた道は、細かく入り組んだ山肌を短いトンネルで抜けてゆく。道が狭いためその入口は小さく、入口は小径トンネルで時々みられる側面が垂直で、そして内部では素掘りの岩肌が露出していた。
ここまでトンネルが無かったのに2〜3本連続して短いトンネルが現れ、またそのトンネル自体が特徴的なことは、道が次の段階に入ったことを物語っていた。
2〜3本トンネルを抜けると、登り返し始めた道の前方は一気に開けた。ここまで狭い道をひたすら登ってきただけのつもりだったのが、一気に開けた空間の中に放り出されたことが理解できた。
前方には稜線付近の切り立った岩場に道が貼り付いて、奥へ奥へと登っていた。道の周囲はやはりかなり切り立った岩場で、木々が全く無いために上空から谷底へ完全に一体の空間が真っ逆さまに落ち込んでゆく。
開けた空間の中に続く道は、まさに空中の道そのものだ。岩肌はここまでとは荒々しさのレベルが違い、空間の大きさによる開放感より、その中での自分の高さに恐怖すら感じる。
そう思っていると山々にも睨まれている気になってくる。特に伊予富士。迫力の風景に、ただただ圧倒されていた。こんな道は見たことが無い。西日本にはこんな道があるのか。
荒々しい岩山の伊予富士の下で、標高は再び1500mを越えた。
少し先、岩肌から笹原に変わった次の頂は自念子ノ頭。町道瓶ヶ森線もそのまま漸近線のように稜線近くまで高度を上げ、自念子ノ頭の手前でへの字を描いて下り始めているのが見渡せる。
あの辺が1620m、2度目のピークのはずだ。その後一度1500m台まで下ってから、また1700m台へ登り返すことになっている。
天気も時間も全く問題は無いのに、登りがキツそうというより何となく風景が怖く、さっきから不安と言っていい気分だ。つくづく晴れで良かった。これで小雨だった日にゃあ。
自念子ノ頭を巻いたその向こうはまだ見えない。しかし地形図によると、まだまだ稜線区間の半分にも来ていないはずだ。
記 2017/5/26