2017/5/2 四国Tour17#2
小松→下畑野-2

小松→日ノ浦 (以上#2-1)
→寒風山隧道
(以下#2-3) →自念子ノ頭
(以下#2-4) →土小屋
(以下#2-5) →河口→七鳥→下畑野
 103km  RIDE WITH GPS

大橋ダムの袂で小休止 支流がいきなりダムで合流するのが四国山間らしい PENTAX K-1 HD PENTAX-D FA15-30mm1:2.8 ED SDM WR 日ノ浦から寒風山隧道入口経由で町道瓶ヶ森線へ 赤は本日の経路

 道沿いに民家が登場し、続いて山腹へ登ってゆく道、山肌や道沿いの民家がぱらぱら断続し始め、8:00、日ノ浦着。

もう8時 すっかり明るくなった吉野川の谷間 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 大橋ダムを見上げて小休止とする。谷間に立ちはだかるコンクリートの壁が経年で黒ずんで、谷間の地形と一体化しつつあるような威容である。

大橋ダムを見上げて小休止 年期の入ったコンクリート PENTAX K-1 HD PENTAX-D FA15-30mm1:2.8 ED SDM WR パノラマ合成

 筒井旅館を出てから1時間以上経っている。距離は15kmぐらい、200m程登ってはいるものの、時間はやや掛かり気味である。しかしここまで、吉野川の素晴らしい風景をたのしめている。つくづく余裕を持った計画で良かったと思った。こんなところで急いだって簡単に距離を稼げるものではないし、こういう風景をじっくり楽しむために四国へ来たのだ。

 日ノ浦の集落を過ぎ、再び谷間は険しくなり始めた。この後、少し国道194を経由してから寒風山へ取り付くはずだ。一体国道194と県道17がどのような形で合流するのかと思っていたら、唐突に道の行く手に、ずばーんとやや幅広い国道194が横切るのが見えた。反対側の谷間には、コンクリート舗装の激坂が山に貼り付くように登ってゆく。地形図やその辺の古い看板によると、それは国道194の旧道のようだ。

 手持ちの昭和61年版地形図「日比原」で細道の国道194が既に拡幅済みなのは、ルートラボやツーリングマップルを見てわかっている。実際の道も、やや多めの交通量で谷底を直線や大きなカーブでどんどん遡る、幅広の今風の道だ。地形図「日比原」の、未拡幅の道を通ってみたかった気はするものの、現状の国道194でもぎりぎり許容範囲内の交通量と思われた。

 並行する吉野川は相変わらず清らかだし、たかだか数kmの国道より、むしろもうすぐ始まる登り区間開始がそろそろ気になり始めていた。

 

 行く手に高速道路のように立派なトンネル入口が見えてきた。看板には「寒風山トンネル」、そして全長「5123m」と読める。国道トンネルのはずなのにそんなに長いのか。北海道道南各所のあの長い海岸岸壁トンネルでも、2000mなんてのは希なのに。ましてやこちらは山岳トンネルだ。後で調べると、一般国道では日本最長のトンネルらしい。これから向かうのはその旧道でもある。そして、正面に立ちはだかる山がその寒風山であることが理解できた。

寒風山の稜線を見上げる 切り立った山肌は想像以上 ここからほんとにあの辺まで登るのか(笑) RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 寒風山トンネルを眺めつつ、こちらは旧道へ。標高710mから標高1110mの寒風山隧道まで標高差400m、斜度は7%程度、つづら折れが11段+最後に3段。森の中ではつづら折れの上段、下段とも、2段先、時には3段先までよく見える。さすがは11段。荷物が多い今日は特に、優しい斜度が有り難い。

国道194から旧道経由で町道瓶ヶ森線へ 赤は本日の経路

 最初は谷底の杉の森、離陸が始まると杉と若葉色の木漏れ日の中。車はこの手の旧道にしちゃやや多い。県外ナンバーが多く、おそらく物好きな人がGWだというのでやってきているのだろう。私も人のことは言えたものではない。

寒風山の全貌 切り立った岩に絶句 まああそこまでは登らないだろう RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 標高800mを越えた辺りから、生い茂っていた新緑は若葉に替わり、900mを超えるとちょりちょり気味の新芽に替わった。そしてその辺りから山肌が急になったためか、木々の外に展望が開け始めた。

 寒風山は、空の中に突き出るぎざぎざの稜線が大変荒々しい。寒風山から東に続く、笹に覆われた山は、その通りの名前の笹ヶ峰だ。脚を停める口実に、道の向きと山の形を照合する。

つづら折れ端部で見上げる寒風山 それにしても切り立った山だ RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 後半、周囲の森が一気に開けた。これから向かう町道瓶ヶ森線が、正面の山肌を斜め一直線に横切っている。地形図の等高線から予想はしていたが、あの感じだと斜度はここまでよりキビシイはず。そりゃあ寒風山トンネル入口の分岐から、もうすぐの寒風山隧道まで400m登り、その先とりあえず1500m超の最初のピークまで400mちょっと。やっと半分なのだ。更にその先、100m単位で登り返しが何回かある。まあのんびり行こう。

真正面に嫌でも見える山肌トラバース まだまだ楽はできないね(笑) RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 9:50、寒風山隧道着。

 標高1110mのトンネルは、ここまでの道幅と同じく入口が狭い。その入口に係員が立っている。トンネル内の巾が狭いので、もしかしたら長いトンネルの対面通行制限を行っているのかもしれない。この手の長めで高めで狭いトンネルによく見られるように、白い切みたいなガスが吐き出されているのも、ものものしさを盛り上げている。昔はこの狭いトンネルが、高知県と愛媛県を結んでいたのだろう。
 入口手前には掘立小屋の茶屋と便所、そして水場もある。茶屋は今のところは営業していないようだった。寒風山の神様がくれる水を、有り難くボトルに頂いておく。茶屋が営業していたとしても、美味しい水場の方が有り難い。
 寒風山隧道前の広場の向こうには、これから向かうべき道と「町道瓶ヶ森線」という看板が見えた。冬期は通行止めになるという看板も立っているが、もちろん今日は通行可能だ。

記 2017/5/26

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Last Update 2020/3/17
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