北海道Tour17夏#2
2017/8/10 札友内→開陽-3

札友内→仁多→萩野 (以上#2-1)
→中虹別→清里峠→緑→青葉一区
(以上#2-2)
→越川→根北峠
(以下#2-4) →西北標津→武佐→開陽
159km RIDE WITH GPS

江南 安定した地形の山裾が拡がる RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 青葉一区から江南経由で越川へ 赤は本日の経路
 

 緑から更に下った青葉一区で、GPSトラックに従い道道1115から広域農道へ分岐。ここから斜里岳の裾野を時計回りに進む区間である。

 斜里の風景の特徴は、伸びやかに拡がる斜里岳の裾野と何故か少し淡い色に思える空、そしてここ以外にあまり見かけない、不揃い気味の防風林である。中標津や十勝の整然とした防風林より木々の背が低く、1本1本の立ち姿が妙に不整形で、防風林というより少し列を作ってすぐに途切れ、途中で単なる植木になっているような箇所が目立つのだ。それらの要素が、斜里独特のどこか寂しい最果て感を形成している。ちなみに、この淡く寂しいような印象は、さらに先へ進んだ峰浜から知床半島側では、急に全てが濃厚に感じられるように激変するのが面白い。

 斜里岳北側裾野には、所々で中腹から登山道や林道に変わる車道が、単独に山裾を登っている。そういう行き止まり系の道は外し、あくまで穏当な地形の場所主体に、清里峠から根北峠まで斜里まで下り切らず適度に地形の変化を期待しつつ、久しぶりの斜里地方の風景を味わおうというのが、今日の訪問の基本的な方針だ。

 今日は結局国道244の越川まで、終始空は淡い青色じゃなくてどんよりと濃く重い雲で覆われていた。時々水滴がぱらついたものの降り続くような雨に至ることは無く、覚悟していた範囲の上限ぐらいで天気は比較的安定し、気温も何とか半袖2枚ぐらいでちょうどいい位には上がっていたのは幸いではあったものの、期待していた広々とした雰囲気はあまり味わえなかったように思う。

 区間の前半、川向から江南へは裾野の起伏を横断するようなアップダウン。中半の来運から三井は標高が100m以下まで下がるためか、地形は起伏横断というよりやや平坦に安定する。

江南 広々とした山裾の畑に何だか脚が停まる RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 ただ、平面全体の傾斜は絶えず続いていて、妙に調子良く進める箇所や、その逆に訳もわからず妙に脚が重い箇所が入れ替わりつつ推移した。

晴れていたらいいのにな RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
青葉一区から江南経由で越川へ 赤は本日の経路

 丘陵と平面には森と畑と集落が続く。中標津に比べると畑作農家が比較的多く、時々小集落もある。廃校跡らしき集会場や、近年のものらしき公園的施設なども見かけた。しかし商店の類は全く無く、自販機すら1〜2ヶ所で見かけただけだった。

色づいた麦畑 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 何となくのろのろと、いつまでも清里近くの裏道をふらふらしているような気がしていたが、いつの間にか下手に町を遠望する位置に来ていた。何とその町は斜里っぽい。そして、空は次第に暗くなり始めていた。

斜里の町が見える RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 少し道を間違って登り方向に進むと、風が吹いて水滴がぱらつき始めた。何となくこの後の天気が危ぶまれる。少なくとも、少し高度を上げるとこうなるということがよく理解できた。これから向かう国道244に次第に近づく道ではあるものの、この道では国道244合流手前に軽い丘越えがあり、あまりショートカットも期待できないし、越川の早川商店に寄れない。

 確か10年以上前の時点で既に、相当に寂れていたこの早川商店、現在営業しているかどうかはわからない。しかし最低限自販機ぐらいはあるだろうと思われる。できればここで最低限水ぐらいは補給していきたい。

 越川への下りは、やはり我ながら人が変わったように好調ペースに変わり、12:40、越川「早川商店」着。

 

 商店という名前でスマホ地図に載ってはいるものの、やはり想像通り越川商店のシャッターはもう長いこと閉ざされたままっぽく、自販機が1台だけ店の前を守っていた。それでもここで持ってきたおにぎりを片付けるのには何の不足も無いし、流石の国道、腰を下ろすような道の縁石には事書かない。いろはすをボトルに入れてHotchefのクロワッサンを腹に押し込むうち、根北峠方面の谷上空がかなり重く暗くなってきた。山の姿も霞み始めている。さっきの不安通りの展開に変わりつつある。でも今日開陽へ向かうためには、根北峠へ向かわねばならない。

 雨具を着込んで12:55、越川発。

越川から根北峠経由で開陽へ 赤は本日の経路

 やはり雨はすぐに降ってきた。「わかってたんだけどね」などとつぶやきながら雨に打たれ、谷底の緩い登りをとぼとぼと進みはじめると、しかしその後意外にも越川上手の、周囲の茂みが森っぽくなってきた辺りで雨は上がり、結局根北峠まで、いや、その後振り続くような雨にはならなかったのは幸いだった。まあ天気予報が大きく外れなかったというだけのことかもしれない。

越川から谷間に入り込む RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 雨が弱くなってきた越川上手で、旧根北線の橋脚遺構が登場。来る度に遺構周囲の整備は進んでいる一方、周辺の樹木は成長を続け、10年ぶりの今回は遂に橋脚が足下から見上げられるだけとなっていた。ここに訪れた一番最初の時には、周辺の茂み(確かまだ茂みだった)からすっくと立ち上がった端正な橋脚アーチのシルエットに、思わず脚が停まるほどだったのに。

旧根北線の橋脚遺構 森に埋もれつつある RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 長い長い谷底区間の後、国道244は峠の登り終盤でようやく次第にじりじり標高を上げ始める。

 離陸後は、山腹を巻いてゆく道に、道幅、路側帯、照明やガードレールなど、そこかしこに国道峠ならではの頼もしい構築物がみられ、いかにも国道峠っぽい雰囲気が漂う。

 そういう道の雰囲気、景色にあまり記憶が無い。前回この峠を通ったのはたしか2008年。あっという間にもう10年経っていたことを実感する。しかし峠手前では、観測小屋や機器等諸施設が記憶通り。自分のHPで写真を時々眺めているからである。

 14:40根北峠通過。標高495m。越川は標高70mだったので、根北峠まで標高差420mを約15kmもかけて登ったことになる。やはりかなり緩めの峠だが、自分もそれなり以上にペースは落ちているのが情けない。

記 2017/10/14

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Last Update 2020/3/17
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