清水→(国道371)向山口→(県道37)玉伝
→(県道36他)生馬口
(以上#2-1)
→(県道220他)大坊→(県道35他)富家→(県道218)見行
→(林道)鍵原→(県道29・30)下津川
(以上#2-2)
→(国道425)小家谷口
(以上#2-3)
→(国道424他)小森→(県道29・林道)龍神温泉
(以下#2-5)
→(国道371・425他)安井
136km
RIDE WITH GPS
13:55、小家谷口発。少しだけ国道424拡幅済み区間の対岸の道を経由し、小森へ。
あちらは切り立った岸辺に道が続くだけ、こちらは川岸集落に続く道。こちらの方が本来の道っぽい、という大義名分もある。まあそんなことは関係無く、落ち着いた細道が続くのが嬉しい。
小森からはいよいよ県道29がスタート。トンネル一発で三角形の1辺をショートカットする国道424に対し、三角形の2辺とその頂点に位置する高野の集落を経由する、見るからに旧道っぽい道だ。
国道集落の外れを過ぎると、道はかなり細くなり、両側を切り立った岩場に挟まれた狭い谷底に続く。
覆い被さるような森の中であるのみならず、路面には木の枝、微少落石から時々軽い崩落まで現れた。かなり荒れた表情であり、少し心配になる。
しかし一方、路面には真新しいのから古いのまで軽自動車らしき跡を見つけることができた。大丈夫、通り抜けられる道なのだ。
心細い道がしばし続いた後、高野手前で急に谷間が開けた。こういうのはいかにも隠し里をつなぐ旧道っぽい。高野から国道424へ合流する先の区間にも興味が沸くが、またいつか。
高野は県道29の心細い表情とは打って変わった、意外な印象すらある小綺麗な谷間の集落だった。住んでいるといろいろあるのだとは思うが、建物や学校に人の営みの勢いが感じられる。
集落外れで対岸へ細い新道が分岐。こちらにもあちらにも、狭い谷間の森の道がしばらく続く。
こちらにはしばらく小集落が細道沿いに断続する。
集落の間は深い森の中。木漏れ日の中、延々と渓谷が続く。こんなに奥まで細道と集落が続くのが不思議な気分になってくる。
こちらと違って集落が無く、ずっと森の中を並行していた対岸の林道は、上小藪川ようやくこちらに渡ってきて再合流。その辺りで断続していた集落も終了した。集落区間に道が2系統続くのは珍しい。狭く険しい谷間で道を拡幅できないとかどうせ林業で道が必要だからとか、何かそんな理由があるのかもしれない。
そして少し先で県道29としての県道区間も終了。路側帯の表示線がその部分で途絶えたところで、それとわかっていないと目に付かないぐらいの林道標識が道端に登場。そのまま林道区間に移行する。
道幅自体はあまり変わらないものの、道の隅や路面には細落石が目立ち始める。
林道だと思っていると、路肩も何となくそのまま崩れそうな気がするし、道の縁をアスファルトで盛り上げただけでその外側がすかっと落ち込んでいる箇所もあり、何となく一人で緊張感が高まりつつあった。
空は山間に入って一旦暗くなっていた。雲も地表の高度が上がっているからか相対的に低くなっているようだった。しかし、集落が終わってから再び空の中が明るくなり始めてもいた。これなら最後まで行ってしまえそうだ。
15:25、不老の水着。水場というだけで大変有り難いのに、水場にしちゃあ立派な祠まで建っている。ここで標高460m台、最後の峠部分では標高710mぐらい。地図で眺める分にはとても250mも登る距離に見えないので、きっと10%以上が続くに違いない。美味しい水を飲み、ちょっとだけ不老効果を期待しながら、最後のおにぎりをいただいて少し休んでおく。
水場の先には予想通り、いや、予想以上のもの凄い坂が現れた。登っていてフロントが浮くので、15%以上はあると思われる。
山肌に張り付いてぐいんぐいんに登ってゆく道の表情は、俄然荒々しいものに替わった。路面が荒れ始め、落石や砂利が急に増え始めた。僅かだがダートも登場、ダートでは早々に押しに入る。
事前のルートラボ検討では、標高差250mぐらいの区間が目に見えて斜度が急になっていた。一応覚悟はしていたし、何しろ林道なので当たり前と言えば当たり前の範囲内かもしれない。しかし、それにしても無茶苦茶な坂だ。
斜度が厳しいだけあって面白いぐらいにすぐに高度が上がり、今登ってきた道をもうかなり下に見下ろすことができた。なるほど、いい登りだ。
稜線部に辿り着くと、ラスト40mは普通の登りに。助かった。いくら林道とは言え、もう少し平均的に造ってほしいものだという気もするが、道には道毎の歴史や成り立ち、使用頻度というものもあるのだ。好き好んで訪れる道に文句を言うものではないかもしれない。
16:00、峠部分着。標高716m。あとは無事に下ってしまえば、県道29の訪問がつつがなく終わるということになる。空の雲はやや厚く、辺りは多少薄暗くなり始めていた。早めに下ってしまおう。
汗だくのまま下り始めると、今までの登りが凄かったのと同じく、もの凄い下り斜度だ。路面には細かい落石や砂利も多く、道端にガードレールが殆ど無いので、転倒などして放り出されたら恐ろしいことになるかもしれない。
注意して慎重に下っているが、やはり登りと同じく面白いほど勢いよく高度が下がってゆく。
下の方から通過してゆくバイクのエンジン音が聞こえ始め、下側の杉木立の向こうに道路が見えた。最後のひと下りなのだった。
16:20、龍神温泉の外れで国道425に合流。
記 2016/5/18