周参見→(県道38他)下地
(以上#1-1)
→(林道将軍川線)垣内
(以上#1-2)
→(林道将軍川線)関場
(以上#1-3)
→(県道37)向山口→(国道371)清水
69km
RIDE WITH GPS
17:00、関場着。関場の集落を過ぎた森の中で、日置川沿いの県道37に合流。合流点は単に道と道が合流する以外に何も無く、これなら県道37の以前からの印象通りである。
日置川では、曲がりくねった谷間が川岸からすぐ切り立った低山に囲まれ、森の中に集落が断続する。川の透明度もさることながら、この川岸の佇まいが何とも魅力的だ。
2003年の訪問で、日置川沿いに森の山裾に続くこの県道37に訪れ、静かな細道と木立の向こうに見える澄んだ川面に魅せられてしまった。川という川がことごとく美しい紀伊半島にあって、古座川と並ぶ二大巨頭だ、と思っている。
今日のコースも、最初の計画では特急の停まる周参見から紀伊日置まで一駅戻り、日置川を遡ってから西へ向かって将軍川林道に入る案から検討を始めてみた。結局この案は、午後出発にはボリュームがありすぎて断念した。しかし、それぐらい再訪したかった道である。
急斜面の裾に張り付いた道は、上流へ向かっているものの、ほぼ平坦と言っていい。下滝、殿山発電所、真砂と進み、この道独特の銀色に塗られた鉄骨トラスの橋で日置川を渡って対岸へ。
記憶通りに道は川岸を次第に登り始めた。川岸に詰まった等高線が読みにくく、どの辺までどれぐらいの坂が続くかはわかりにくいが、確かあと80mぐらい登ることになっているのを事前にルートラボで確認していた。どうせ川岸、そんなに登っても意味無いじゃんと思っていたら、前方に合川ダムが登場。結構高く聳えている。あそこまで登るのか、と納得。
2006年にこの道を訪問したときは、行程詰め込みすぎの計画ミスで、日置川沿いのラスト10kmが完全にナイトランになってしまった。このため、地図でわかりにくかった一登りが予期せぬ状態で現れ、登り総量の予備知識が無い状態でこの登りをこなさなければならず、大変心細かったものだ。
何とか数字で登り量を納得していても、登る必要が無くなるわけではないし、斜度も緩くなる訳は無い。最高地点、合川ダムの先に現れた民家にはやや大きめの犬が2匹網の中に繋がれて、わんわんこちらに向かってしばらく吠えていた。そう長くはないものの、気持ちが疲れる登り下りである。
17:40、向山口で細道国道371の直角カーブに合流。
合流点を曲がってすぐ渡る合川大橋も、これまたかなりの細道だ。「大型車風向不可」の看板も出ている。県道より道が細い国道は紀伊半島や四国では珍しくもないが、基本的には静かさと共にやや違和感のある状況ではある。
その細道の状態で、合川の集落から合川貯水池沿いに再び森の中へ、国道371は進んでゆく。もうすぐの筈なんだけどまだなのか、と思い始めたところでGPS画面に宿のポイント情報が現れた。
17:50、清水「おおとう山遊館」着。
小学校跡地の宿泊施設だ。基本的には釣り客が多い宿のようで、特にこの時期のお客さんはほとんど釣り客のようだ。
18時半から食堂で夕食となった。その最中、19時になってもまだ薄明るい。さすがに関西地方、この時期からもう夕方が遅いのだ。
数日前の天気予報によると、連休中はずっと晴れということだった。この時期は普通西日本全体で雨が多く、折角連休に紀伊半島や四国を訪れても、雨に降られることが過去には多かったので、今年はまたとないチャンスだと思っていた。ところが、出発直前になって突如5月5日に雨マークが付いた。そして夕食中、天気予報に気を付けていると、雨は全体的に前倒し拡大傾向のようだ。明日5月3日の午後から5月4日の午後に雨が降るようなのだ。予報の変化を悔しがっても、突如大きな低気圧が現れるのはこの時期毎度の事。天気図で低気圧の位置と規模を見れば、これで何か影響が無いと思う方がどうかしている程の大規模な低気圧なのだった。
とりあえず明日は、夕方の宿到着を早めることを前提に行程を組まねばならなくなってきた。幸い、後半の大回りコース700m峠を諦め、ショートカットの国道425の未済区間を進めば、15時過ぎには宿に着ける。未済区間を潰すことで、下方修正に意義が生まれるのだ。
問題は翌日だが、この低気圧を見ていると何だか望み薄のような気がする。ということは、今あれこれ悩むより、とりあえず覚悟して明日再び天気予報を見て、慎重に結論を出すしか無い。
そこまで決めたらもう寝るだけだ。まだ19:30、さっき真っ暗になったばかりだが。
記 2016/4/29