周参見→(県道38他)下地
(以下#1-2)
→(林道将軍川線)垣内
(以下#1-3)
→(林道将軍川線)関場
(以下#1-4)
→(県道37)向山口→(国道371)清水
69km
RIDE WITH GPS
特急くろしお3で周参見11:51着。
自転車組み立て後、少し駅の周囲を物色し、一番めぼしそうな駅前の食堂で昼食とする。地元の顔なじみらしいお客さん2人が食べていた焼肉定食っぽいものを頼むと、\1300もするという。代わりにアジフライ抵触が目に入ったので、そちらをお願いする。\700とのことでアジフライは美味しかったがやや小さめだったかもしれない。しかも店内は何となく油っぽいべたつきを感じさせる。まあメインディッシュ以外の付け物が異様に豊富だったので許さねば。
12:40、周参見発。
海岸部から続く平地はすぐに狭くなり、緑の渓谷が始まった。5月上旬とは言え、もう日差しがじりじり厳しく暑い。さすがの大阪30℃予報。こちらはもう少し気温が高いはずだ。しかし路上には適度に木陰があって有り難い。
谷底の道はまもなく対向1車線程度に細くなる。茂みに沿って、モンキアゲハという関東では見かけない日本最大級の大型アゲハチョウと、透明な羽根のカワトンボがすいすいひらひら飛んでいる。普通茶色の羽の個体もいるのだが、透明な羽根の個体がやたら多いのが特徴的だ。
細道は茂みのような新緑の森をぐいぐい登ってゆく。と思っていると、唐突に山中で道が広くなって新道区間が開始。こちらはGPSのトラック通りに旧道へ。確か何の無理も無くこちらで描けたはずなので、問題無く行けるだろう。
この時期の紀伊半島は森の密度が濃い。密度というか濃度というか、とにかく濃いという言葉が先に頭に浮かぶ。濃い色の常緑っぽい広葉樹の森、その中に薄い緑色の花なのか、細かい別の要素が更に濃厚さを盛り上げる。南国の森である。
谷底を見下ろすと、水の透明度がもの凄い。紀伊半島で毎回そう思うのはわかっていた。紀伊半島を訪れていなかった6年間、他の地域でもこの透明度は見かけた気がしていたが、改めてこの透明度を目の当たりにすると、やはり他の地域での最上級がごく普通の川で見ることができるのが紀伊半島の凄さだと思う。早くも来て良かった、と思う。何故もっと早く来なかったんだ、とも思う。
道ばたにも湧き水や石清水が多くみられる。標高が低いこの辺り、進んで飲むことはちょっとためらわれるものの、山自体も低山ばかりで、地図で見る限りこの上の山肌に集落は無い。どうしても水が飲みたくなったときに、万が一の給水ポイントに困ることは無いだろうと思われる。
谷を遡ると共に細道は次第に高度を上げてゆくが、密林の密度は濃くなったり薄くなったり。上流側に開けた場所があり、集落が点在し始めるのだ。海岸部の集落と上流側の集落があまり関係無いようでありするのが紀伊半島らしい。
等と思いながら、獅子目隧道へ。
獅子目隧道の先、佐本辺りは2003年に一度通っている。ここも内陸部ながら山間としては意外に開けた印象の谷間であり、下流にさっきのような山深い渓谷があるのは意外だ。
途中で、山道と廃道を経由して国道371に出るコース(とても道とは言えない)が分岐する。2003年に甘く見て入り込んでしまった、印象深い場所だ。あれから10年以上経っている。分岐の入口にはその後道が開通している気配は無い。今日はもちろんそちらへ向かうつもりも無い。
谷間が狭くなり、洞谷隧道への分岐に到着。一応県道どうしの分岐であるものの、ここまでの谷間よりやや人気が無いのはあまり馴染みが無い。
洞谷隧道を抜け、下る途中山中で広めの道が分岐。「林道将軍川線へ」という看板が立っている。この道は、地図で見て知っていた。
将軍川林道へ合流する新道がこれだ。もううこんな所まで来てしまったかと思うものの、12時半スタートでそろそろ2時間。まあ順当な行程である。将軍川林道へは、こちらもこれから一度谷底へ下って向かう予定である。計画段階では登り返しを避けてショートカットの新道へ向かうかどうかちょっと迷ったし、最終的には時間が押したら躊躇せずショートカットしようとも考えていた。しかし、今の時間なら問答無用で谷底経由、将軍川林道ののオーソドックスなルートを押さえることができる。実際にはいろいろ思い出す前に分岐をそのまま通過し、緑の谷間を一目散に下っていた。こちらの方がずっと楽しそうだ。
14:30、下地着。県道の合流点は見るからに静かで小綺麗な集落で、その中を上手に向かって行く道には生活道の雰囲気が漂う。しかしこの道こそ、紛れもなく林道将軍川線だ。
記 2016/4/29