北海道Tour15#7
2015/8/12 中川→浜鬼志別-1

中川→(道道541・583)問寒別→(道道395)下コクネップ
→(国道40)雄信内→(道道256)幌延
(以下#7-2) →(道道121・国道40・道道972)音類→(道道106)
稚咲内→(道道444)豊徳→(農道・町道・道道811)浜勇知
(以下#7-3) →(道道106)抜海→(道道510・616)上勇知
→(国道40)開源→(道道138)沼川
(以下#7-4) →(道道138)鬼志別→(農道・国道238)浜鬼志別

 175km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 夜明けの時間になってもいつまでも薄暗い。空のかなり低い場所に灰色の濃厚な雲が溜まっている。窓の外を見ると、宿周囲の低山の、100mぐらいから上がもう完全にとっぷり雲の中だ。駐車場や路面は隅の方だけが湿っていて、一応雨上がりのようではある。しかし、雲の低さと濃さを見ると、とても内陸に向かう気はしない。
 天気予報は曇りになっているが、少なくとも午前中の山間方面はこんな感じが続くのだろう。今日は昨日検討した、海岸沿い平地主体のパターン1が良さそうだ。午前中は何とかこれで凌げそうだが、今日の宿はオホーツク沿岸の猿払村。あちら方面の天気予報が、15時以降小雨になっているのは変わっていない。夕方に多少雨に降られるのは避けられないかもしれない。

 5:40、中川「ポンピラアクアリズイング」発。まだ雨粒が顔に当たるような感覚を何となく感じつつ、道道541へ。

ポンピラアクアリズイングから問寒別経由幌延へ 赤は本日の経路

 市街地を北上し、天塩中川駅、セイコーマートとそのまま通過してしまう。40km先の幌延までもうセイコーマートは無いが、いかんせん6時前。まだこの店舗は営業を開始していない。一応コーヒーはさっき飲んでおいたし、もう中川でやることも無い、と町を出て行くことにする。

 佐久から中川、そしてサロベツ原野北端の幌延まで、天塩川の西岸は国道40、こちらの東岸には宗谷本線と道道541、256が続いている。道が二桁国道かローカル道道かの違いは、ツーリストにとって大きな違いだ。西岸、東岸ともあまり地形自体は変わらず、こちら側の東岸は牧草地と森の中。丘陵の裾を越える程度のアップダウン以外はほぼ平坦、行程も6日目でいい加減疲れが溜まってきた今日の私向きだ。

 雲は意外にも高く薄くなってきた。あと2時間ぐらい経ったら、完全に晴れてしまいそうな、明るく青いニュアンスすらある。しかし、道の周囲の山には低くかなり厚い雲がまとわりついている。雲の切れ間、正面にはまとまったボリュームの山裾が見えている。知駒岳だろう。あの稜線を越える目論見もあったのだが、やはり山裾から上がとっぷり雲の中に浸かっている。山間で極端に雲が増えているのだ。昨日の美深での出来事を思い出しても納得がいく。やはり今日も、山に向かうべきではない日なのだろう。
 ならば平地を淡々と進もう。何となく安心するような、物足りないような。いや、安心なのは確かである。

 歌内で道道541は天塩河岸を離れて内陸へ向かう。少し北の雄信内から道道256が再び東岸を北上し始めるまで、天塩川沿いには道道だけではなく、村道、農道を含めて道自体が連続していない。このため、天塩川沿の道道を辿る時には、いつも歌内から雄信内までどこかで対岸に渡って国道40を経由せざるを得ない。
 歌内から対岸へは、牧草地の中に続く必殺癒やし系の素敵な道がある。しかし今日はまだ早朝だし、未済経路消化の悪あがきを兼ねて、少しだけ道道541を継続して内陸へ向かい小さい丘を越えて、少し北の問寒別から国道40へ向かってみた。

 

 道道541が内陸に向かい始めた途端すぐに空が暗くなり、丘越え区間ではぱらぱらっと小雨が降り始めた。歌内まで次第に空は明るくなり始めていたのに。しかし、小雨の中を問寒別まで降りてくると、集落に入ったところで面白いようにぴたっと小雨が収まった。やはり山方面にたっぷり雨雲が溜まっているのだろう。そしてその割には、平地には低い雲は意外なほど少ないようだ。

 問寒別駅は、2008年に訪れた時の印象がとても強く残っている。その日は盛大な計画ミスで、宿の抜海「ばっかす」にはあと80kmぐらいありそうなのに(結局コース再検討で70kmに収まった)、知駒峠で15:20、問寒別で15:50。途方に暮れて輪行の可能性にすがりつきたくなり、経路上の問寒別に寄ってはみたものの、普通列車は2時間後。駅舎代用の元車掌車以外自販機すら無い問寒別駅に、何だか「現実逃避したって始まらないじゃないか」と諭されたような気になったものだった。

問寒別から幌延経由稚咲内へ 赤は本日の経路

 駅手前の分岐から眺める問寒別駅には、今日もその時と同じように何があるわけではなく、やはり取り付く島は全く無い。しかし、駅とは別方向の集落の道沿いに自販機が見えた。20km先の幌延まで自販機も少ないはず、駅へ向かう代わりにコーヒーを飲んでおく。

 天塩川は満水という程の水量ではなかったものの、明らかに一度増水してから減りつつある雰囲気が、そこかしこに見て取れた。最近水量の少ないこの川を眺めた記憶が無い。近年の道北訪問で、それだけ天気が不安定な場合が多いのだ。

水は退きつつあるものの泥水一杯の天塩川 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 雄信内までしばし国道40を経由。途中で国道232が天塩方面へ分岐して交通量がぐっと減り、ようやく何とかこれならツーリングしている気分になれる程度になる。

 しかし当初の予定通り、雄信内で再び天塩川東岸の道道256へ。やはり交通量は段違い、国道40に比べて身体の周りの空気が緩むような感覚を覚える。

泥水の流れは落ち着いている 平地では空も明るい RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 歌内までの道道541と同じく、道道256でも牧草地と森の中に道が続く。雄信内から先西岸にはサロベツ原野が拡がり始めているためか、牧草地の割合がぐっと増えていた。

 周囲に開けた牧草地が続くため、風景に変化はやや少なく、地形や登り下りの抑揚もほとんど無い。それでものんびりとした静かな里の雰囲気はここならではのもの。間違い無く個性的な良い道だ。

 さっきから雲が高くなり始め、南幌延辺りからは空が晴れ始めた。相変わらず山側には雲が溜まっている。平野だけが天気が良くなっているのだとすると、或いはサロベツ原野に近づいているためかもしれない。

 

 幌延手前では「北緯45°通過線 200m先」の標識があった。200mぐらい先できょろきょろしても、毎回その通過線がどこなのかさっぱりわからない。
 7:50、幌延着。早出が効いて、まだ7時台である。この先沼川まで商店らしい商店は無いと思われるので、この機会にセイコーマートでいろいろ食べておく。

記 2016/1/24

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Last Update 2020/3/19
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