北海道Tour15#6
2015/8/11 西興部→中川-1

西興部→(国道239)下川
(以下#6-2) →(道道60)上幌内→(道道49)仁宇布
(以下#6-3) →(道道49・国道275)美深
 100km  RIDE WITH GPS
(以下#6-4) 中川(道道541他) 3km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 夜中、窓の外に雷がぴかぴか大音響で鳴り、凄い音で豪雨が降っていたのを寝ぼけて聞いていた。ひょっとして天気予報の「9時まで雨」ってこういう状況なのか。

 

 4時に起きると、なんと夜明けの空がからっと晴れていた。澄んだ空には小さな雲が浮かんでいるだけだ。やったやった、これなら行ける。しかし出発準備中、薄い雲が空を覆い始めたと思ったら、それはいつの間にか空一杯に拡がり、濃く暗い色になった。
 今日の宿は、道北の天塩中川だ。天気予報はと言えば、オホーツク沿岸方面は1日雨、下川町と美深町は一応曇り時々雨。15時過ぎからは降水確率がぐっと下がっているものの、今日一番山が深くなる幌内越峠〜仁宇布〜上徳志別は、どちらかというとオホーツク沿岸の天気に影響される傾向が強い。このため、山深い下川〜仁宇布〜歌登までは、場所と時間の両面から雨に見舞われる危険がある。
 昨日と同じく、過去には雨の日にこの区間を通ったことはある。しかし、晴れの日でさえ早朝や夕方には何だか森や山の圧迫感を感じるほど山深いこの区間、雨は避けられるものならなるべく避けたい。一昨年など、山入口の辺毛内で雷雨だったのに、歌登に降りてみたら曇りで路面すら乾き始めていた。つまり天気予報が予測する各地域市街より、山間の天気は悪いということだ。ましてや今年は雷を伴う大雨が全道、特に旭川で報じられている。平野部の旭川でそうなのだから、道北中部の山間は更に大雨だとしか思えない。

 

 今日の行程を昨日と同じく全輪行に変更するとしたら、終着は宗谷本線沿いの天塩中川なので、北上移動は宗谷本線一拓である。西興部から宗谷本線の名寄までは名士バスが通っていて、何もこんな早朝に出発しなくても天塩中川には夕方前の言い時間に到着できる。しかし今雨が降っていなければ、少なくとも今出発して、名寄までは自走するのが適切だろう。下川までなら元名寄本線の駅だったバス停に小屋が整備されていて、途中何が降っても最低限屋根の下で輪行作業が可能だ。
 つまり、今日何をするにしても、今ここ西興部が走れそうな天気なら、少なくとも予定通り出発するのがいい、ということになる。下川までで大雨で走れなくなったら、その段階で名寄までのバス輪行に切り替えればいいのだ。ちなみに下川から先の逃げ場所は仁宇布だけ。歌登では午後には音威子府行きのバスが無く、長距離タクシー輪行が必要になってしまう。不可能ではないが、極力避けたい事態だ。

 5:40、西興部「ホテル森夢」発。天気は5時頃より悪化していて、空は一面低い曇り。行く手の山が、早くも真っ黒な雲に覆われているのが見えた。

ホテル森夢から天北峠経由で下川へ 赤は本日の経路

 まだここでは何も降っていないにも拘わらず、向こうから来るトラックのワイパーが動いている。恐らくすぐ向こうでもう雨が降っているのだろう。そして途中の電光掲示板には「紋別北部 大雨警報 発表中」の文字が。

 

 上興部の道の駅「花夢」手前で小雨が降り始めた。雨具を着込むのも兼ねてバス停の小屋に避難し、一息付く。少し走ったので、早朝感じたような寒気はもう身体から消えていて、少し汗までかいていた。今日も快調な朝が始まったところなのだ、自分の中では。そんな状態で空はもう真っ暗で、時々雷まで聞こえる。
 天北峠方面から車がやってきて、道の駅の駐車場に停まったので、峠の向こうの状況をヒアリングしてみた。作業着を着たその方は、天北峠への途中の分岐から林道に入り、森を点検してきたらしい。「山の中は雷が近くで鳴って危ない。天北峠方面は知らない」とのことだった。
 峠まではこの先6km弱、標高差130mしかない。そして今日は天塩中川まで辿り着かないといけない。過去には西興部より南の滝上から天塩中川まで走れていたので、今日はその日よりは余裕はあるが、しかしあまりぐずぐずしている余裕は無い。輪行に切り替える必要があるなら早めに決める方がいいが、名寄行きのバスは8時台。そして、走っている内に雨が止むことだってある。
 とにかく、今は多少の雨は我慢し、天北峠を越えてみよう。

 天北峠手前で、予想、いや、期待通り雨がすっと上がった。

 そして峠を下り始めると、面白いように急に雲が明るくなり、下ると共に青空が現れ始めた。

天北峠から下川経由で上幌内へ 赤は本日の経路

 路面はまだぬらぬらの真っ黒、露骨に通り雨が降った直後のようだが、その雨は既に全部降り切ったようだった。

 谷間が拡がった一の橋では路面が乾き、その先二の橋、三の橋と進むにつれ低い雲が消えた。あまりぐずぐずしないでよかった。

国道243から脇道農道を覗く 雨上がりの農村風景が楽しい RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 いつもやや退屈な二の橋、三の橋の谷間がしっとりと、しかし朝日に照らされ、眩しく輝くような農村風景が続いていた。当たり前の朝の風景が、何か大変に有り難い。

 いや、この辺りはもともとのんびりと静かな風景なのだ。いつもここを通る時に気が急く自分が悪いのだ。落ち着いて旅の風景を楽しまねば、と反省。

 

 7:15、下川着。
 朝の日差しが、正確に東西向きの通りの路面を明るく照らしている。上興部ですこしだけ雨宿りはしたものの、早出が効いて到着時刻は申し分無い。天北峠より大雨から逃げ切った安心感で少し落ち着きたくなり、セイコーマートでちゃちゃっと物資補給しておく。気分だけでなく、仁宇布に向かうなら、この先多分お昼前の仁宇布まで商店はおろか自販機すら一つも無いのだ。
 今のところ雲は高い。天気は予報より好転しているように見える。もしこの先雨が降るなら、行程を輪行に替えるエスケープポイントは、ここ下川か仁宇布だけだ。しかし、今日は仁宇布までは行ってみよう。そしてここでの出発時刻が、終着天塩中川の到着時刻に直結するのだ、私のペースは上げようと思っても全然上がらないから。

記 2015/12/19

#6-2へ進む    #5へ戻る    北海道Tour15夏 indexへ    北海道Tour indexへ    自転車ツーリングの記録へ    Topへ

Last Update 2020/3/19
ご意見などございましたら、E-Mailにてお寄せ下さい。
Copyright(c) 2002-16 Daisuke Takachi All rights reserved.