北海道Tour14#8
2014/8/14 天塩→仁宇布-2

天塩→(開拓農道町道浜更岸線他)啓明
→(道道119)佐久
(以上#8-1)
→(国道40)音威子府→(村道他)咲来→(道道220)歌登
(以下#8-3) →(道道120他)仁宇布
(以下#8-4) トロッコ王国美深
 144km  RIDE WITH GPS

それにしても印象的だった朝の開拓農道町道浜更岸線 RICOH GR GR18.3mm1:2.8 佐久から咲来峠経由で歌登へ 赤は本日の経路

 8:20、佐久到着。8時に佐久に着けた。この分だと、24km先の音威子府到着は9時半頃だろう。これだと音威子府で駅蕎麦を食べても、仁宇布にのんびりペースで16時前に着けた去年と全く同じパターンだぞ。知駒峠ショートカットの効果が出過ぎである。
 と思ったところで気が付いた。あ、そうだ、トロッコ王国に乗ればいい。去年早めに仁宇布のファームイントントに着いて、女将さんに「トロッコに乗ってくれば良かったのに」と言われたことも思いだした。天気による現地下方修正の結果だが、その宿題を1年でこなせるということになる。下方修正による今日のちょっと後ろめたい気持ちに、俄然前向きな目的が現れたのだった。

 佐久から音威子府までは国道40。切り立った斜面に挟まれた谷間に、幅の広い天塩川と宗谷本線と道だけが24km続く。

 3日前、私の予定コースを全輪行に変えてしまった雨の影響はもう収まったのか、今日の天塩川の水量は普通の部類だ。確か昨日か一昨日だったか、宗谷本線が雨の影響で停まっているという話を聞いた気もする。

 風景は基本的に国道っぽい道と森と天塩川だけなので、変化と言えば流れる川と通過する自動車だけだ。

 たまに牧草地やトンネル、「北海道命名の場所」などという看板も現れるものの、基本的に単調な景色は、区間距離の長さを更に長く感じさせる。

 更に向かい風と相まって、僅かな登りがじれったい。谷が狭くて地形が平地っぽくないせいか、雨がまたぱらつき始めた。急いで雨具を着込んだりしていると、気分もだれてくるというものだ。

 しんどくなって途中立ち居眠り休憩(眠いとそういうのでごまかすこともある)なども挟みつつ、行く手に谷間が開けたときは嬉しかった。

 

 9:35、音威子府着。
 以前45分で通過できたこともあったこの区間。まあその時は逆方向からの下り基調かつ追い風ではあったが、今日はやはり体調気分とも低調なのかもしれない。ならばその観点からも、下方修正は適切な措置のかもしれない。目の前の現実としては、ちょうど音威子府駅の駅蕎麦が営業を始めたところだ。列車で訪れると、営業開始時刻が各停特急の連絡時間に間に合わず、自転車で訪れると予定をこなすのに汲々として、立ち寄る余裕が無い。狙って訪れないと、なかなか食べることが難しいこのお店、今日は表敬訪問で2杯頂いておく。

 

 ここまで、この後どうするかの判断を先送りしていたが、この先あの山深い道道120で仁宇布に向かうのか、つまり4〜5時間後雨に降られるかどうか、歌登ではなくここ音威子府で判断しなければならない。仁宇布への自走を諦めるなら、美深経由の輪行一拓となり、音威子府出発は13:16と一気に時間が空く。一昨年はこのパターンで仁宇布に到着した。今年もこれで行くとなると、何だか道北後半のだれた旅程が定常化するような気がしていた。しかもここまで、5日目の全輪行を除いて順調な旅となっている。尚更残念だ。一方、自走で仁宇布に向かうなら、ここまでの下方修正でだいぶ行程に余裕があるとは言え、なるべく早く出発すべきだ。
 などと考えながら蕎麦を食べ終わって自転車に向かうと、思いがけず空が晴れ始めていた。これなら即出発だ。

 デフォルト経由の町外れのセイコーマート立ち寄り後、10:00、音威子府発。

音威子府から咲来峠経由で歌登へ 赤は本日の経路

 国道40から咲来へ向かう村道の途中辺りから、青空の面積がどんどん広がり始めた。

 午後から晴れ始める予定が、期待通り前倒しで好ましく推移しているのかもしれない。これでコースも時刻も、そして天気の傾向も、自走で音威子府から仁宇布に向かった去年と同じである。

 咲来峠へ向かう道道220は、谷間を長い直線基調で少しずつ高度を上げてゆく。

 いつも陽差しが照りつけて暑い気がする道だが、今日は再び出てきた低い雲のお陰でやや涼しい。

 登り切った咲来峠は標高僅か235m。

咲来峠から歌登経由大曲へ 赤は本日の経路

 標高の低い峠だが、峠を越えた歌登方面から、急に涼しい風が吹き始めることが多い。峠の咲来側では、美深盆地からやってくる内陸部特有の暑さに悩まされることが多く、歌登側の涼しさがより際立ち、オホーツク海側に出たことを感じさせてくれるのだ。咲来峠から海岸部の枝幸までは約40kmあるにも関わらず、咲来峠から枝幸までは標高差120m。この間登り返しも無く、ほぼ均等な平面が海岸まで続く。あるいはその地形のお陰で、オホーツク海の風が峠まで吹いて来るのかもしれない。
 今日の咲来峠は、オホーツク側に相変わらず雲が多い。雲は致命的なほど暗くはないものの、ややしっかり厚めで、視界いっぱいに広がっている。ここまでちょっと楽観的な予測をしたこともあったが、現実は11時でもなかなか簡単に晴れ渡ってはくれないようだ。まあいい、この天気なら先に進もう。

 本幌別に下りきってから、歌登まで約20km。
▼動画1分1秒 本幌別

 開けた牧草地の中に続くこの道では、何回か雨具を羽織ったり仕舞ったりする羽目になった。時には急に一天にわかにかき曇り、通り雨が土砂降りで降り始めもした。

 幸い雨はそう深刻なものではなく、雨宿り場所を探しつつ5分も走っていると、突然すっと収まってくれた。

 代わりに、次第に横風が吹きはじめた。風の方向としては北風だ。今歌登へ向かうにはやや向かい風だが、歌登からは道道120を南下するので、この風は追い風に変わる。風向きさえ変わらなければ。

 歌登手前で低い雲は去り、代わりに青空と高い筋雲が現れ、辺りは夏の陽差しですっかり明るくなった。とりあえず、人里周辺の天気は安心できるという状態なのかもしれない。

 

 11:50、歌登着。何とかお昼前に歌登に着いた。このままのんびりでも順調に進めば、仁宇布には16時前に着けるかもしれない。最終トロッコには十分間に合うだろう。ただし、見上げる雲の動きは速い。山間の天気は未だ予断を許さない。実際に、セイコーマート休憩の間、またもや低い雲が空を覆い始めた。このまま夕方まで空模様は、3歩進んで2歩下がる、なのかもしれない。しかし多少降られようが、もう選択肢は「このまま進む」しか残っていない。ならば進むしか無い。

記 2015/3/15

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Last Update 2020/3/20
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