西興部→(国道239)下川
(以上#6-1)
→(道道60)上幌内→(道道49)仁宇布
(以下#6-3)
→(道道120)歌登
(以下#6-4)
→(道道120)中頓別→(国道276)浜頓別
173km
RIDE WITH GPS
8:35、下川発。
道道60へ進むと、町外れから早々に天塩川サンルダム新道区間への登りが始まる。
その天塩川サンルダム、2018年3月に堤体が完成することを、出発直前に知った。急展開だ。初めて工事中の迂回道路の存在と、サンルダムの名を知ったのは、2003年のこと。思えばそれ以来12年の日々が経ってしまった、と思って、自分でも12年にびっくりした。せいぜい6、7年ぐらいの感覚しか無かったからだ。更にこれから3年後、堤体が完成するのである。完成は3月なので、あるいは雪解け水でダムは一気に満水になるのかもしれない。税金を使う以上いつまでもだらだらやるわけにもいかないのだと思うが、それにしても急な展開ではある。急な展開の理由はなんとなく想像できるような気もする。
感慨とともに谷間を横切る橋の上から、工事現場を見下ろしてみる。ダムがどの辺りにできるのかはわからないが、橋のすぐ下辺りにダンプや重機が停まっているのがよく見えた。
道道60は、いかにもダム迂回道路風に山の中を進んでゆく。
アップダウンがちょこちょこあって、登って下るんなら平坦に作れなかったのかと思うが、とても交通量の少ない道なので、建設費優先線形なのは仕方の無いことかも知れない。
▼動画1分22秒 山間をばんばん突き抜けるサンルダム新道区間
山中をもう少し進んだサンル大橋では、もう一度谷間が一望できる。
ここは湖上の橋になるのかもしれないと思って、眼下に広々と拡がる山間の森や草原に湖面を脳内画像合成してみる。平地の中を一直線に橋の下を抜け、反対側の森に入ってゆく旧道を見ると、かつて旧道から「いつかあの上から下を見下ろす日が来るのか」と思い始めてから、やはり数年強が経っていることも思い出す。
サンル大橋自体は去年から通れているが、去年は雨だった。今年は満を持して文句無い青空だ。ずっとここから眺めてみたかった景色だ。いろいろ思いが尽きない、道道60の私的新名所なのである。
サンル大橋から北、谷底の地形はどこかでがつんと変化すること無く、平面のまま少しづつ高度を上げてゆく。
地形からして、将来のサンルダム湖は、道内の他の人造湖のように、上流側では草地がいつの間にか下流側へ湖になってゆくパターンなのだろう。そして朱鞠内湖のように、建設後数十年かけて立ち枯れの木々が朽ちてゆくのだろう。谷間に拡がるこの森が。
旧道とはおもむろに合流、やや細めの道に変わって道道60は森とサンル牧場の間を更に北上してゆく。
かつての旧道区間は山間に延々牧草地と森が断続して、大変楽しい道だった。しかし、2/5ぐらいが切り替わったダム新道区間もなかなか見所があり、ダム以外の区間と合わせて相変わらず退屈しないいい道だと思う。
辺りの森がカラマツから広葉樹含みの原生林に変わり、ほんの少し登り斜度が上がると、いよいよ幌内越峠まであと少し。
少し上がった斜度は峠まで半ばにして再び緩くなり、更に峠手前数百mぐらいでほとんど平坦になる。こちらも原生林の表情を眺めつつ、そのまま幌内越峠を通過。
上幌内側は打って変わって150m急降下。
谷底で道道49に合流、再び美深松山峠へ240mの登り開始となる。
初っぱなはまず深く薄暗い森の中。登り斜度も幌内越峠よりやや急である。早朝の通過時には熊が出そうでブキミな道だが、9時になっても薄気味悪い雰囲気は濃厚だ。
谷底が拡がって斜度が一段落しても、毎回頭上を猛禽類が徘徊し、なんだかこちらの様子を伺っているのだ。
いつも熊など出ないじゃないか、大丈夫、楽しんで通ればいいのだ。などと思うが、去年この辺の道ばたで見かけた大きな糞を思い出してしまう。早朝でもこの時間でも、毎回心細い道なのだ。
道が谷間から登り始めると辺りが開けた。峠までの最後の一登りである。
美深松山峠をそのまま通過すると、もう仁宇布までは150m下る一方だ。
谷底から松山湿原への登り口、そして仁宇布への緩斜面と推移して約6km。
最後の直線の先に仁宇布の信号が見えてくると、下川から延々続いた無人区間が、とりあえず一段落することになる。さすがに少しほっとした。
10:25、仁宇布着。
交差点の軽食喫茶「コイブ」前の自販機で缶コーヒーをいただく事にする。今日はお店は営業していないようだが、その替わりにというか、少し向こうの美深トロッコで蕎麦が食べられそうである。今後の通過時もあてにすることはできるのだ、と思った。まあしかし、今日は下川で携行食を補給済みだ。
記 2015/3/5
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