北海道Tour13#1
2013/8/8 釧路空港→開陽-1

釧路空港→(町道・道道332)山花→(道道666)中仁々志別
→(道道243)下幌呂→(道道53)下雪裡第三
(以下#1-2) →(道道243)南標茶→(国道391)標茶
→(道道13・町道・農道)上磯分内
(以下#1-3) →(道道1040)虹別→(道道885)養老牛
→(道道150他)開陽
 128km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路
 

 羽田空港には5時半過ぎに到着。この時点で手荷物検査場は20名待ちぐらいだったのが、検査を終えて振り返ると、もう列が50mぐらいに延びていてびっくり。去年手荷物でやきもきした経験が活きた。私にも学習能力があるのだ、などとちょっと得意になる。

 7:40のエア・ドゥ釧路便はバス搭乗。いろいろ終えても搭乗まで1時間半以上あるが、もうすぐ10日間の涼しい北海道なんだもんね、という気持ちが、弁当を食べたり居眠りしてゆっくり過ぎてゆく時間を贅沢なものにしてくれる。

 東京は今朝も灼熱の晴れだったが、釧路は霧が濃いとのことで、着陸できない場合は帯広か千歳に着陸するとのこと。大丈夫、そんなことがあったらニュースになるが、そんなニュースはあまり聞いた記憶が無い。何かあってもスーパーおおぞらに乗れるかもしれない。いや、減便でスーパーおおぞらに乗るのも一苦労かもしれない。等と他人事のように考えていた。基本的にはもう黙って飛行機に乗って、北海道への到着時刻が来るのを待てばいいだけなのだ。

 

 釧路空港には10分遅れの9:25に到着、荷物を受け取って空港ビルを出たのが9:35。これぐらいの空港は、手荷物に手間取らないのがいい。羽田空港の手荷物受け取りと来たら、等と思いながら荷物を置いて輪行袋を開きに掛かる。
 暑い。蒸し暑い。空港外構の温度計表示は23.6℃。そりゃあ東京よりは涼しいが、いつも北海道に着くと、身体の中に入り込んだ東京の熱気が一気に抜けてゆく、そんな感覚があるはずなのだ。話が違う。もしかしたらさっき東京でアナウンスがあった空港周辺の霧も、きっとこの高温によるものなのかもしれない。

 去年も食べた「水を一滴も使っていないプレミアムソフト」を、そもそも普通のソフトには水を入れているのか、という軽いオドロキと共に今年も戴き、日焼け止めを塗ったくってムシペールを身体に延ばし、10:35、釧路空港発。

釧路空港から中仁々志別経由で下幌呂へ 赤は本日の経路

 走り始めるとやはり風の湿気が身体にまとわりつくような、軽い暑さがある。空港の台地から釧路の低地に降りると、さらに空が明るくなって暑さが増す。

 山花で釧路阿寒自転車道を渡って、阿寒・鶴居の丘陵を北上する道道666へ進む。谷間に続く道なので、左右両側の低山と、谷間の緑が道に近づいてきた。

 牧草地を直線気味の大味な線形で進む道は交通量が少なく、北海道を走れているという気になってくる。

 しばらく谷間を進んだ中仁々志別で道道243に乗り換えると、鶴居・阿寒で避けて通れない丘陵アップダウン区間の開始である。

 東の標茶まで向かうのに、南北方向の丘を横断する必要があるのだが、標高差40〜100弱ぐらいのアップダウンが6回。道は一続きではないので、谷間の平地で丘陵横断の道を乗り換えて行くことになる。

 

 いつの間にか厚い雲の中に青空が見え始めた。気が付くと路面に自分の影ができている。雲の中に太陽の位置がわかるぐらいの薄曇りが、日差しの加減でますます暑くなると、一気に汗が吹き出し始める。

 この辺り、いつも釧路近くだと思って涼しさを期待しすぎて、思惑が外れるのを思い出す。いや、霧と低い雲に覆われて、どんよりと薄ら寒さと雨に悩まされることも多いのだ。涼しい根釧台地や太平洋岸とは完全に気候の違う場所なのである。

 丘陵を越えてから中幌路で谷間に下る。下雪裡第三で乗り換えた道道53には、やや交通量の多い雰囲気の他にも、そこかしこに見覚えがある。というより忘れもしない景色の中に道があるのだが、道自体は記憶よりかなり拡幅されていて、明らかに規格が上がっているようだった。久しぶりに訪れる道道によくあるパターンだ。

下幌呂から下久著呂経由で標茶へ 赤は本日の経路

 なぜこの道を忘れられないかというと、2004年に泊まったどさんこ牧場で、19時過ぎからちょっとした宿の場所間違いをしてしまったからだ。実際の場所から数km丘陵アップダウンの向こうにあったこの道沿いを暗い中必死に捜しまわったり、ようやく見つけた(実は別の)鶴居村営施設に不法侵入してからようやく目的の施設と違うことがわかったり、泣きそうになってこの辺りを走り回ったあげく、軽トラで救出されて到着したのだった。

 道道53号から分岐した町道は、まさにその時の宿、牧場体験施設「どさんこ牧場」が建つ道である。

 一つ丘を越えた谷の端、昼間のどさんこ牧場は、体験コースに大きな厩舎、平屋の食堂宿泊棟が何とも楽しそうだ。確か牛ステーキがとても美味しかったと思う。また泊まってみたい。

 丘陵を越え、下久著呂からまた次の丘へ。

 道を乗り換えるように道道の番号は変わらないままだが、下久著呂から先の道は急に道幅が細くなって再び丘陵越えへ。

 くねくねカーブの森の細道は路面も粗く、ここまでの、いや、この辺りの高規格気味の道道群とはかなり表情も異なる。釧路湿原脇では、地図上でも目を引く道である。

 最後の谷間のヌマオロは、去年も通った国道274から弟子屈へ向かう道道53へ乗り換える谷間の地名として近年の私には馴染み深いが、本来釧路湿原際から拡がるかなり広い範囲の地名である。今日は標茶手前の最後の谷の地名として、ここで道道243に乗り換えだ。ちなみにこの辺りには、やや離れてはいるが別海から弟子屈経由で美幌へ向かう国道243もある。最初に通った10年以上前には、国道と道道と一桁の番号違いと、国道274と243のダブル思い込み間違いで、地図まで読み間違えてしまった苦い記憶がある。
 嫌な印象を思い出しながら通る現在の道道243は、その時やや焦りながら力づくで通った記憶通り、細道のやや急な坂で標高差80mの丘をを越えてゆく。

 焦っていたそのときの苦しい思い出がトラウマになっていたこの道、今日は正しく地図を眺めながら事前の予習通りのボリュームを適切に感じつつ、細道の緑と日なたから逃げる木陰を有り難く楽しんで通れる道である。

 行程の余裕は自分を助けてくれる、とつくづく思う。と同時に、私は無理のできない人間であり、自分のツーリングはつくづく無理しないことが大切なのだ、とも思う。

 もう14時前。そろそろ腹も減り、水のがぶ飲みでごまかせなくなり始めていた。こうなればもう標茶のセイコーマートに一刻も早く到着したい。

 最後のアップダウン回避の大回りをやめてショートカットした西標茶の丘越えの後は、南標茶から国道391へ。

 追い風に乗って標茶直行だ。

記 2013/10/20

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Last Update 2020/3/20
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