陸奥岩崎→(県道28)一ツ森峠
(以上#1-1)
→(県道28)天狗峠
(以上#1-2)
→(県道28)津軽峠
(以上#1-3)
→(県道28)村市
68.1km
RIDE WITH GPS
峠の向こうにも、しばらく尾根近くに緩い下り基調が続いた。
相変わらずの森の良好ダートから見える近景には、しかしここまでには無かった杉が目新しい。それも高さと間隔が揃った、かなり植林っぽい姿の杉である。
稜線に近い山肌を巻いてゆくと、標高550m辺りで分岐が登場。茂みっぽく砂利が深いっぽい、いかにもあやしそうなアニマル系の雰囲気がぷんぷんしている。四兵衛森林道という道のようで、地図では黒線の道が山間を屈曲して、一度800m以上まで登ってから岩木山の麓へ続いている。あと250m登りか、しんどそうだな。
通行止めなどの表示は全く出ていない。行こうと思えば行けるのかもしれない。でも、登るだけ登ってその先が通行止めなどということもこの手の道では当たり前のようにあることだ。今日はもう終着間近、時間はたっぷりあるが、登り返すのはそろそろ面倒くさくもある。外様の訪問者は大人しく基本コースをたっぷり楽しめばいいのだ。と自分に言い聞かせ、そのまま下り続ける。
道は谷底へ向かって勢いよくどんどん下り始めた。もう植林杉林は普通に現れるし、谷に向かう周囲の地形も道の線形も穏当、こうなるともう本当にごく普通のダート県道である。
谷底に下りきると、斜度も一段落。前方の山の姿など眺めつつ、GPS画面と地図の道の形を見比べ、距離感を計りながら暗門大橋を目指す。
13:55、暗門大橋着。宿泊・温浴施設のグリーンビレッジANMONで一息付いてみるものの、今の私は4つの特大おにぎりでむしろ腹が重いぐらい満腹だ。りんごソフトをつい買ってはみたものの、生憎私好みのバニラではない。有り難いはずの軽食メニューが何だか恨めしく、ソフトにすら心の行き場が無い。一番ありがたく美味しいのは施設前給水栓の蛇口ラッパ飲みである。いや、そういう状況でなくても普通に美味しい水だ。
その美味しい水を飲むと、ここまでの弘西林道、いや、白神ライン、津軽峠までの包まれるような濃厚ブナ森林がつくづく思い出された。いろいろな知人の訪問の話は、もう15年ぐらい前から聞いてはいた。その実態が、東日本屈指のダートという先入観による険しいイメージとはあまり関係無かったのは意外だったが、それでもやはり他ではなかなかお目にかかれない、素晴らしい表情の道だった。というより、ここならではのいい道だったことを、ようやく思い知った。それもすべて、余裕ある行程のおかげかもしれない。
暗門川沿いの道はしばらくブナの森の中。
ちょっと奥鬼怒林道の舗装区間を思い出すような緑の道だが、美山ダム外周区間に入ると、周囲は開けた荒れ地や畑となる。
山側を見上げると、さっき分岐したばかりの将来のダム外周道路がもうあんな高いところ、というぐらいの位置に通っている。この辺りはみんな水没するのだろう。
14:50、村市着。去年みんなで泊まった「グリーンパークもりのいずみ」に、今日は一人で泊まる。
冬の湯治客に対応する宿泊室内の自炊設備、3食一通り宿の中で入手できそうに充実した売店が珍しい。一休みして温泉に入ってまだ15時半過ぎ。余裕ある行程でたっぷり白神ラインを楽しめたのは良かったが、静観荘の巨大大量おにぎりのお陰で、未だに腹が減っていない。ちょっとビールを飲むと、一気に眠くなってきたのだった。昨日感じた猛暑疲れを思い出した。
一寝入りして17時を過ぎると、さすがに腹は減ってくる。夕食はお櫃ダイレクトで平らげ、天気予報と明日の地図チェックだけしてもう寝ることに。晴れ時々曇りの予報どおりに、青空の白神山地に出会えますように。
そうそう、津軽峠のマザーツリーだが、宿の方にお話を伺うと、峠から少し歩いたところにあるようだ。5分も歩けば着けるらしい。
記 2013/8/3