開陽→(町道開陽北19号他)開陽台
(以上#5-1)
→(道道150・885他)虹別→(国道243)弟子屈
(以上#5-2)
→(道道717他)札友内→(国道243)ウランコシ
→(道道588・ふるさと林道上里線)津別峠展望台
(以下#5-4)
→(ふるさと林道上里線・道道588他)津別
113km
RIDE WITH GPS
10:50、弟子屈発。
2年前に開発した道道717で、札友内までショートカットする。弟子屈西北の山裾を北上するこの道、反対に位置する弟子屈東北部の山裾へ視界が開け、なかなか気分がいい。
弟子屈の東側をバイパスしてこの先の札友内で合流する国道243より、交通量も距離も登り総量も少ないのも魅力的だ。2年前に1度通ってから、根釧台地から屈斜路湖畔への、私的メインルートになってしまった良い道である。
その道道717を気分良く進んでいると、雨が少しぱらっと来て、すぐ止んだ。気が付けば、いつの間にか空が低い雲に覆われ始めている。しかし、まだ雲の色はそう暗くない。青空も見えている。
札友内で国道243に合流してすぐ、何と国道上が急に黒々と濡れ始めた。明らかに通り雨が降った直後だ。しかし、今すぐ雨の降りだす気配は全く無い。線で引いたような天気の境があるのかもしれない。こういう現象には、北海道で時々出くわしている。ここは何とか、その境を越えて雨が降り出さないことを祈るしかない。救いは、これから向かう津別峠がある西側の山の雲は、そんなに雨っぽくなさそうなことである。
札友内には何度かお世話になったとほ宿「鱒や」がある。夏になると、ご主人のブログに、時々国道243を通り過ぎるライダーの写真が載ることがある。ここ2年ご無沙汰の「鱒や」だが、毎回ここを通るたび、もしかしたら撮影中のご主人にお会いできるかなと思っているのだが、今回も宿の近くでご主人を見つけることはできなかった。
札友内の牧草地から、釧路川沿いの低木林に突入。鬱蒼とした森の展望は利かず、道の表情も国道っぽくやや素っ気なく、何故かこの辺りだけ追い風平坦の好条件でペースが上がることも多く、いつもそそくさと通り過ぎてしまう区間だ。低木林に入って、路上はまたもや急に乾き始めていた。空の雰囲気もあまり変わらない。ここはもう、いつものようにささっと通過してしまえ。幸い、今回もやや追い風気味だ。
と、私を追い越して前の方で止まったワゴン車から、誰かが手を振り始めた。最初は自転車ツーリスト好きのドライバーだと思った。しかし近づいてみると、何と鱒やのご主人である。屈斜路湖から帰る途中に私を見つけ、わざわざ引き返して下さったとのこと。お会いできて大変に嬉しい。
鱒やに最後にお世話になったのは、2008年。開陽台・津別峠・チミケップ湖を辿る私的王道道東コース上の宿として、屈斜路湖近くの鱒やは非常に利用しやすい場所にある。2009年からは開陽に泊まって夕方と朝で開陽台を2回楽しむ必殺パターンを開発したので、鱒やはご無沙汰になってしまったが、宿が悪いわけではあり得ない。そんな言い訳をしたり、いつの間にか自転車ツーリングを再開していたご主人の自転車が、某社の東叡社写真集に載ったお話を伺い、来年の再訪をお約束してその場を辞した。とても嬉しい再会だった。
屈斜路湖岸に出ると、国道243は山裾の畑をゆく。緩やかに起伏する畑は広々のんびりと開放的で、屈斜路湖に来たときにも出てゆくときにも楽しみな、魅力的な景色だ。
▼動画1分6秒 国道243 和琴 国道にしちゃなかなかのんびりといい雰囲気
しかし今日は、頭上の雲がやや低く重くなってきた。登り口で津別峠を断念せざるを得なかった去年に続き、またもや津別峠を断念する事態をちょっと想像してしまう。しかし、去年断念しただけに、今年は極力津別峠に行きたい。
結局は雰囲気がどうでも、とりあえず粛々と津別峠に向かい、お天気次第で突入か撤退かを適切に判断するしかない。ならば、今の天気は自分の希望とは全く関係なく、やることは変わらないはずだ。しかし、念力効果も馬鹿にはできないのを経験で知ってはいる。
などとうじうじ悩みつつ、湖岸の景色をたっぷり楽しみ、明るくなったり暗くなったりする空に一喜一憂するうちに確実に時と位置は進み、ウランコシの分岐に到着。
路面はしっとりしているものの、とりあえず雨は降っていない。ここで津別峠に向かわない理由は何も無い。問題無く津別峠に向かおう、とりあえず。11:50、ウランコシ発。
分岐からの直登を登り始めると、面白いぐらいに汗が吹き出てきた。意外に暑いのだ。そりゃそうだ、お昼である。晴れの日の津別峠なら、暑さでふらふらになるのは当たり前だ。今日は曇りだから、暑さ的には有利なはずだ。
直登区間を半分以上登ったところで、一度雨がぱらっと来てすぐ止んだ。大丈夫、雲の雰囲気は悪くない。等と悩みつつ道が森に入ると、木漏れ陽が明るく静かで涼しい。やはりこのまま進むとしよう。森の中のつづら折れを進むうちに、斜度は一段落。標高が400mを越えると、記憶通り涼しい風が吹き始めた。
つづら折れが終わってトラバース区間に入ると、森の外に真っ白な雲が見え始めた。というか、いつも屈斜路湖が見え始めるはずなのに、雲で何も見えないのだった。見えるはずの景色が見えない代わりに、晴れていればこの時間真上からの直射日光で干上がりそうなはずなのに、常に涼しい空気の中をのんびり登ることが出来るのは大変有り難い。
山肌を回り込んで、トラバースは続く。というか、峠までの最後の区間、辺りの森が開けはじめてから斜度が上がり、知ってても峠っぽく見える尾根を回り込むと峠まで更に斜度が上がる。振り返ると屈斜路湖が見えるはずの峠手前も、今日は完全に雲の中だ。まあここはあまりきょろきょろせずに、峠まで粛々と登るとしよう。
13:15、津別峠着。雨は降っていないが、屈斜路湖や阿寒の展望は絶望的だ。でも景色が見えなくても、予定通り津別峠展望台に向かうこと自体には、とりあえず何の問題もない。それに、ここまで登ってきて行程にはその余裕がたっぷりあるのだ。少し息を整えて、ギヤをインナーローに入れて出発。
わかっているが、展望台へは2km、途中まで斜度は軽く15%以上を越える、かなり厳しい坂が森の中に続く。
まあしかし、登ってさえいれば、そのうち坂は登り切れるのである。
途中の斜度が緩くなる区間、そして最後の12%を登りきり、13:50、津別峠展望台着。
記 2011/12/2
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