浜頓別→(道道84)本流
(以上#8-1)
→(道道121)幌延→(道道256)東雄信内→(国道40)国府
→(農道他)歌内→(道道541)佐久橋
(以上#8-2)
→(国道40)咲来市街→(道道220他)歌登
(以下#8-4)
→(道道120)仁宇布
220km
佐久から音威子府は、宗谷本線ではひときわ山深い区間だ。国道40でも辺りは閉鎖的な森、時々河岸の山裾をショートカットするトンネルが現れて変化が付くという、やや単調な景色である。
こういう単調な景色で、もう少し北のサロベツ区間同様、交通量がそう多くないのは助かる。
それに国道40に出て谷間の向きが変わり、今までの横風は一気に追い風になっていた。
時々谷間の景色が開けたりもする。その度毎に、天塩川の濁流が川岸ぎりぎりで猛り狂っているのもよく見える。昨日もう少し雨が強かったら、今日この道は走れていないかもしれないと思った。
荒れ狂う天塩川の水量とは別に、筬島辺りから雲が薄くなり、辺りは明るく、そして気温が上がり始めた。もう音威子府まで8km。
前方の谷間が開け、久しぶりの平地に牧草地が登場。音威子府の盆地である。天塩川を渡ると国道275と合流、そのまま町中へ。
13:05、音威子府着。追い風に乗れたのと国道だったので、けっこう良いペースでここまで来れた。これで仁宇布到着19時前の想定行程には確実に乗れた。今後順調にいけば、18時半着も現実的な目標だろう。
時間の目処は立ったものの、こういう状況では、有名な音威子府の駅蕎麦は断念せざるを得ない。駅蕎麦店の営業終了時間が早いので、お昼に音威子府に来ないとなかなか食べられず、素通りは非常に残念だ。その代わり、町の南側外れのセイコーマートで休憩しておくことにしよう。このままどんどん進みたい気はするが、この後歌登まで自販機すら期待できないはずだ。手短かに豚丼もがつがつ掻き込んでおく。
音威子府からもう少しだけ国道40を継続。さっき国道275と合流して車が微妙に増えていたり、山裾故にあまり意味の無い登り下りがあったりだが、登って下るとすぐに咲来に到着だ。
13:40、咲来発。ここから道道220、歌登へ咲来峠越えだ。一気に車が減って、気持ちが楽になる。
道道220に入ったところで、歌登まで28kmの標識が出た。過去記憶頼りの丼勘定だった歌登着15時半の予定が、ここで俄然現実味が出てきた。咲来峠は標高差200m弱だが、概略登りより下りの方が4倍ぐらいの距離があり、登りそのものは6kmぐらいで標高差200m弱。これだけでもかなりのだらだらだが、下りはそれに輪を掛けてだらだらということになる。こういう緩下りは、いくら勾配が緩くてもツーリング中の経済運転には大変都合が良い。長い下りの経済運転で、想定ペースは出るはずだ。
なだらかで緩やかな谷間の牧草地、パンケサックル川の川原を過ぎ、森の中、視界の通った谷の正面まで道が続き、曲がった先でまた視界の通った谷の正面まで道が続く、というのが何回か繰り返された。
朝の浜頓別から豊富町までの道道84と違って、周囲の山がやや高いのが目新しい。まだ道北エリアだが、けっこう南下しているのだ。
音威子府手前から空は完全に晴れ基調に変わっていたが、日が差し始めて気温が上がっていたのが、咲来峠の手前で涼しい風を感じ始めた。オホーツク沿岸の枝幸から吹いてくる風だ。前回2005年と同じ現象である。
峠の向こうには、緩々で下ってゆく丘陵と樹海が拡がった。
彼方には道北の山々、そしてどことなく涼しく寂しい、広々と開けた歌登の空。今日久しぶりの開放感に足が停まる。もう14時過ぎ。一気に下ってしまおう。
下り始めると辺りの森はすぐに切れ、牧草地に変わった。
丘陵の狭間の牧草地には、時々牧場農家が現れ、牧草地と森が断続して、延々と下ってゆく。静かな静かな谷間の道である。
▼動画2分5秒 道道220 本幌別
本幌別では、地図でみた印象よりはるかに小さい集落が現れた。今日は営業してなさそうな商店で、とりあえず販機休憩しておく。集落の小学校ももう廃校になって久しいようで、可愛らしい広さの校庭には、高い草が茂っていた。
本幌別から先は谷間がやや拡がり、辺りの牧草地も拡がって、景色の抑揚が少なくなる。
空は晴れ、辺りは緑の牧草地、おまけに緩々下り基調。
ただ歌登を目指し、緑の景色の中を最高に快適な気分で、何も考えずに景色の中を快調に下り続ける。
15:00、歌登着。
いよいよここから道道120、終着の仁宇布へ向かう道である。最後の補給ポイントなので、ここで腹にものを詰め込んでおくことにする。ついでに宿に今日の天気を確認。と、さすがに山間の仁宇布は、晴れ基調ではあるものの雨もぱらついているようだった。
記 2010/9/26
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