北海道Tour10 #5-3 2010/8/10 開陽→津別

開陽→(町道)開陽台→(町道)開陽 (以上#5-1)
→(道道150他)養老牛→(道道885)虹別
→(国道243)弟子屈
(以上#5-2)
→(道道717他)札友内→(国道243他)美幌
(以下#5-4) →(道道217他)美和→(町道)最上
→(道道27他)津別
  136km

美幌峠到着 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 弟子屈から美幌峠経由で美幌、津別へ 赤は本日の経路

 11:30、弟子屈発。ぽっぽ亭で食べられなかった野菜をセイコーマートで補給し、12:15、弟子屈セイコーマート発。

 去年通った道道717で札友内へショートカット。

道道717へ RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 メインルートの国道243より車が圧倒的に少なく、初っぱなの取り付きで台地へ登った後は、雲の間に台地上から摩周湖方面の山々の裾野を落ち着いて見ることができる。なかなか良い道である。
▼展望270° 道道717 弟子屈北部山裾の展望 画像上でマウスをドラッグしてください

意外に近くに見える摩周湖外輪山山裾 でも今日はそれも雲の中 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 パノラマ合成

 札友内で道道717は国道243に合流。

 国道とはいえさすがに札有内まで来ると、路上には弟子屈バイパス辺りの喧噪は無い。風も追い風になり、一気にペースが上がる。

 しかし、屈斜路湖畔に近づくにつれ、頭上の雲は厚くなってきたような気がする。

 釧路川の河岸平地から屈斜路湖岸に入ったサッテキナイで、津別峠までの最終ソフト休憩をこなしておき、13:10、サッテキナイ発。

 これなら津別峠の登りも、津別峠展望台でも、更にその先夕暮れの津別への道も、のんびりと景色を目一杯楽しむことができそうだ。

 ところが、屈斜路湖岸を進んだ和琴辺りで、道の前方が妙に霞んでいるのに気が付いた。明らかに大雨である。道ばたの公民館でとりあえず雨宿りしていると、なかなか雨が降り出さない。空気か何かの絶妙なバランスなのか、雨雲は少し先に居座ったまま留まっているようなのだった。仕方無くそのまま雨の中に突入する。

 ウランコシの津別峠への分岐までに雨はほぼ止んでくれたが、ウランコシから登り始めて山裾に溜まった雲の中に入ると、再び大雨が始まった。なーに、雨具さえ着ていれば、気温が下がってちょうど良い。
 等と思っていると、辺りの雲はどんどん濃くなり、雨は更に強くなってきた。空を見上げると、雲はどんよりと暗く厚く重ったい。いや、重いというか、もう水が落ち始めているな。この先雨が弱くなる気配は無い。どうしよう。峠近くまで登ったら、雲の上に出ることができるかもしれないが、そんなに甘い雲じゃないかもしれない。雲の中に入ったら、雨がますます強くなるかもしれないのだ。
 などと思いつつ、湖岸に引き返し始めたのだった。仕方無い、津別峠がダメなら美幌峠がある。

 でも、これだけの大雨なのだ。この先美幌峠へ向かったからと言って、雨が弱くなる保障は無いという気もする。もうその時はその時どこへ行っても雨だろうし、どうせ雨なら標高は低い方が絶対に安全だ。それに何も無い津別峠で雨よりも、道の駅がある美幌峠で雨の方が何かと潰しは利くだろうし、そこで雨宿り休憩もできるのだ。津別峠経由なら、ここから約40km、津別に下りきるまで何も無い。
 等と、頭に浮かぶのは津別峠断念の正当化の理由ばかりである。美幌峠の方が緩くて楽な道ではあるが、ここ毎年訪れている津別峠。断念するのは2004年以来久しぶりで、残念だ。

大人しく国道243を美幌峠へ RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 13:40、ウランコシ発。
 ウランコシから先の国道243は、湖岸の森の道となる。車は交通量皆無の津別峠より多いものの、国道としては少ない方だろう。森は結構密で、時々湖面が森の向こうにちらちら見えてはいるものの、道が次第に高度を上げるとともにほぼ森の中となって、なかなか雰囲気はいい。有名な屈斜路湖の展望以外にも、道としてのこういう基本的な魅力が、美幌峠の人気の理由ではないかと思う。

 こっちでは雨は一端止み、頭上が開けた道の正面には、山肌が現れたり霧に隠れたり。しばらく雨が降ることは無さそうに思えた。

 しかし湖岸の斜面に取り付き、山肌を巻きながら進むうち、次第に霧が濃くなり始めた。登り基調となる辺りからは、視界30mの濃霧の中。所々で森が切れ、屈斜路湖を見下ろしたはずの場所も、もはや辺りは白い霧だけ。車も霧の中からいきなりライトがすぐ近くに現れるという有様である。

 おまけに折り返し辺りから、雨まで降り始めた。霧は更に濃くなり、最後のカーブでも「そろそろこっち側に建物が現れるんだけどなあ」と思っても、全歩はただ霧が白いだけ。霧の中から唐突に道の駅の標識が頭上に登場したと思ったら、霧に中すぐ近くにうっすら建物の軒線が浮かび上がった。かなり建物に近づいていたのだった。
 15:05、美幌峠「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠」到着。

 気が付くと結構な雨が降っている。休憩中のライダーはうんざりした顔でぼんやりと軒下に立ち、駐車場からは車を停めた人が建物まで走り寄る。この雰囲気だと、峠の向こうもしばらく雨に降られそうではあるぞ。

  美幌峠から美幌経由で津別へ 赤は本日の経路

 ここでこの先の予定と時刻を検証しておくことにする。以前美幌峠から美幌までけっこう飛ばして1時間ちょっとだった。飛ばしてとはいえ、絵に描いたような緩下り基調が美幌までは延々続いていたから、今日も適当なところで雨さえ止めば1時間強ぐらいで美幌には着けるだろう。美幌から津別へは、確か国道240で20km弱、のんびりてれてれ進んで1時間。休憩込みでも18時には津別に着けるだろう。ならばこの先は、焦って急ぎすぎて転倒などしないように気を付ければいいだけだ。
 「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠」の店内はけっこう広めで、手前は鶏の唐揚げやらフライドポテト、ソフトなどの軽食、すぐ向こうから土産物屋が奥へ続いていた。土産物屋は知床のウトロから羅臼から、根室から根釧台地の乳製品、道東から網走方面へ向かう前の道東総まとめという様相である。こういうところが美幌峠と津別峠の決定的な違いだと思った。
 あっちは峠には素っ気ない看板が立っているだけ、クライマックスの展望台でも食べ物は冷凍蕎麦(美味しいが)と、何か津別町っぽい森林関係グッズがちょろっと売っているだけ。でも、津別峠の涼しい爽やかな風が思い出されてならない。また津別峠に行けなかったのが残念な気持ちになった。

 15:30、美幌峠発。

 峠近くの笹原は霧と雨の中だったが、おもむろに山肌を下り始める樹林帯から嘘みたいに雨が止んだ。やった、こんなに早く止むとは。
 斜度が緩くなっても森はしばらく、いや、長い間続いた。記憶通りに森の中の道は緩めの一方的な下り基調、そこそこ速度を保ったまま下りやすい。下るには大変良い道である。そう言えば、以前この峠を登ったときに、あまりのだらだら坂と単調な景色に嫌気が差したものだった。嫌になった分、今日は楽できている。またいつか美幌から登る羽目になり、嫌気が差す日が来るのだろう。

 古梅辺りで森は唐突に切れ、辺りは畑に変わった。人里に降りてきたのである。雲も切れ始め、空の中が明るくなってきた。

 国道243の両側には白樺が続いている。そう広くない谷間を豊富、福住としばらく下っても、白樺は断続しながら途切れることが無い。またもやこの道の人気の理由を垣間見たような気がした。峠そのものより、道としての雰囲気が良いのである。こういうことに気が付くのは初めてだが、行程の余裕が気持ちの余裕につながっているのかもしれない。
▼動画1分 国道243 福住

 一方的な緩下り基調がアップダウン込みになり、都橋辺りから農村風景の中に次第に民家が増え始めた。美幌外れに入って来たのだ。道ばたにはまだ濡れた形跡があるものの、空はもはや雲が切れ、日差しが現れ始めている。雨の心配は全く無いと確信できる。

記 2010/9/23

#5-4へ進む    #5-2へ戻る    北海道Tour10 indexへ    北海道Tour indexへ    自転車ツーリングの記録へ    Topへ

Last Update 2019/8/1
ご意見などございましたら、E-Mailにてお寄せ下さい。
Copyright(c) 2002-10 Daisuke Takachi All rights reserved.