北海道Tour10 #2-2 2010/8/7 下居辺→塘路

下居辺→(道道134)開運→(町道)北居辺
→(国道241)足寄
(以上#2-1)
→(国道241)螺湾→(道道664・町道)オンネトー
(以下#2-3) →(道道949)茂足寄→(国道241)阿寒湖
→(国道240)徹別
(以下#2-4) →(市道)共和→(国道274)中久著呂
→(道道1052)下久著呂→(道道1060・国道391他)塘路
 187km

オンネトー湖畔にて バックは左が雌阿寒岳、右が阿寒富士 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 足寄からオンネトー経由で茂足寄へ 赤は本日の経路

 8:50、足寄発。
 いよいよ阿寒湖方面へ国道241の足寄峠越えだ。途中螺湾への到着時刻次第では、いや、可能な限り、途中でオンネトーに寄りたい。1986年の初北海道ツーリング以来のオンネトーだが、何と言ってもあの「とらべるまんの北海道」では北海道3大秘湖の一つなのだ。ちなみに残りのもう二つは、十勝山奥の然別湖脇の東雲湖、支笏湖脇のオコタンペ湖らしい。何しろオンネトーは、北海道3大秘湖なのである。
 しかし、今日の宿は釧路湿原とうろYH、夕食時間は18時半。一人だけ夕食が遅くなるのは、宿に迷惑である。長期的に見て、自転車ツーリスト全体の評判を落とすことにもなってしまうし、とにかく夕食には遅れないようにしたいのだ。

 一方、足寄の谷間はもはやかなり暑い。9時というと、1日で一番暑くなる時間帯の10〜14時まであと1時間。気温がぐんぐん上がるのが当たり前だが、とにかく暑い。ちょっとの登りで早くも汗だらだらだ。水を少し飲むと、一気に汗が吹き出るのが昨日と同じで、危険な兆候でもある。

 暑いだけあって日差しはかなり高く厳しく、道はまだ森の中というわけでもなく、晴れていると辺りの景色はとんでもなく鮮やかで、緑も青も濃厚な色彩だ。そんな状態でも、雲が昨日よりは出ていて、しばしば日差しを遮ってくれるのが助かる。いや、助かっている要因はそれだけだ。

 そんなときに、中足寄で道ばたに自販機を発見。冷えた水が最高にありがたく、一気に頭が復活できた。うーん、この暑さ、さすが足寄。でも、ここまで来ればもう螺湾は目の前である。

 

 9:50、螺湾着。足寄から登り基調で約20km強、苦しいながらも再び予定時間に乗りつつある。というより、国道241での余裕をやや多めに見込んであったのだ。これなら、オンネトーに寄っても阿寒湖着は多分13時かそこらだろう。宿到着直前に夕方の釧路湿原をコッタロ展望台から眺めることも、もしかしたら何とか可能かもしれない。

 というわけで、ここは迷わず道道664へ。

 初めての道道664。国道241の裏手の谷間、オンネトーへ下手から登るロングダートとして、かつて近寄り難かった道だったのを思い出す。

 今その実態は、狭い谷間の木立の中の舗装道道。ここまでの国道241に較べて木陰な分比較的涼しく、今日の私には大変好ましい。

 しかし、上螺湾、奥螺湾と辺りは牧草地になった。木陰が無くなって、不安通りに路上の温度は鰻登りになってきた。

 雲が出ていても路面は既に熱されていて、輻射熱で暑いのである。更に雲が切れると直射日光でもう無茶苦茶に暑い。

 谷が狭くて山裾の森から吹く風に涼しさは感じるものの、腕の下を汗がべったりだらだらと濡らしている。これは私的熱中症注意信号である。つまり、状況は昨日と全く変わらないのだった。

 いや、昨日の十勝は時々自販機が絶えず登場するだけまだ良かった。まあ覚悟はしていたが、この道、途中に自販機が全く無いのだ。

 螺湾の谷間には、北海道遺産のひとつという「螺湾ぶき」がある。何かというと、この谷間に自生する蕗が、かなり巨大だとのこと。私が初めて北海道ツーリング用の地図を仕入れた1986年には、既に「螺湾ぶき」という単語を見かけたような気がするし、その後も時々噂には聞いていた。

 今回初めてこの「螺湾ぶき」を眺めることができた。なるほど、谷間の水辺に巨大な蕗が群生している。しかし道ばたから見かける蕗の大きさは、葉っぱで直径1m前後と、何だか霧立峠とか朱鞠内湖畔とか、その他にもどこかで見かけたような大きさのものが多いように思った。かつては高さ4m、葉の直径2m、茎径10cmにも達していたとのこと。それは確かにでかい。普通の人がリアルコロポックルになってしまう。

 11:00、ダート入口到着。

上螺湾からオンネトー経由で阿寒湖へ 赤は本日の経路

 ここへ来て日差し全開なのに、ダートのくせに木陰が薄く、路上の空気が暑い。おまけにダート路面がかなり始末の悪い深砂利で、斜度は大したことはないのにしょっちゅう押しが入ってしまう。
 木陰に入っても、どういうわけか溜まった空気が熱せられて暑い。暑い。水もいつの間にか残り少なくなっている。

 それでも、カーブの先は次のカーブ、などとGPSと地図で進行状況を確認しつつ、つらいながらも少しずつ前進。

 いつの間にか標高は上がって、森の中から吹いてくる風が涼しくなり始めたことに気が付いた。オンネトーが近づいていた。オンネトーから吹いてくる風なのだ。早く涼しい場所に行きたい。

 やがて坂の上のカーブの向こうに突如屋根が登場。オンネトーの駐車場の便所の屋根だった。やった、着いたのだ。

オンネトー登場 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 12:05、オンネトー着。
 とりあえず目に入った「オンネトー茶屋」に、自販機を発見。早速500ml2本を一気飲みで水分補給、しかも普段飲まないアクエリアスなので水分吸収が速い。一気に意識が戻ってきた。
 と、木立の向こうに、ほわんと青緑のオンネトーが見えるのに気が付いた。素晴らしい!さすが北海道3大秘湖である。すっかり忘れていたはずなのに、1986年、野中温泉YHから早朝ここに来たときの感動を、久しぶりに思い出すことができた。この湖水のエメラルド色、バックの大樹海、そして空の中、間近に聳える雌阿寒岳と阿寒富士の赤茶けた山肌。再訪して良かった。

 湖岸道路のところどころで、オンネトーの展望が拡がった。さっき眺めた青緑色の湖水は、日差しが当たると更にエメラルドのような輝く明るい色に見える。

湖岸に降りてみる 雌阿寒岳と阿寒富士がばっちり RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9+DW-2
  オンネトー湖畔 1986年にはこんなに裁けたデッキは無かったがまあいい RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 もともと青緑の湖水に青空が写って、バックには雌阿寒岳、阿寒富士、そして裾野の大樹海が角度を変えつつ常に登場する。美しいこときわまりない。しょっちゅう足が止まる。
 またもや、来て本当に良かったと思った。
▼展望360° オンネトー湖畔 画像上でマウスをドラッグしてください

車道は近いが佇まいはまさに秘湖 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 パノラマ合成

記 2010/9/5

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Last Update 2019/8/1
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