厚岸→(道道123・955)宮園町→(道道14)太田→(道道1128・
農道・町道他)東阿歴内→(道道221)塘路
(以上#3-1)
→(国道391・道道1060)下久著呂→(道道1052)中久著呂
→(国道274)ヌマオロ
(以上#3-2)
→(道道53)弟子屈→(道道717)札友内
→(国道243)ウランコシ→(道道588)津別峠
→(ふるさと林道上里線)津別峠展望台
(以下#3-4)
→(ふるさと林道上里線)津別峠
→(道道588・町道)上里 138km
中オソツベツへ数kmのアップダウンの後、ヌマオロで弟子屈への道道53へ。
上オソツベツの牧場農家と牧草地、そして丘陵谷間の森が緩いアップダウンとともに続く。
国道のように拡幅がだいぶ進んだこの道、頭上が開けて木陰が無く、路面は灼熱地獄である。おまけに標高差50mの丘陵アップダウンが続いて意識が遠くなりそうだ。
いや、丘陵アップダウン程度で気が遠くなるのは、熱中症の危険信号である。とりあえず現れた日陰で水を飲み、備蓄のおにぎりを食べていると、まあそれでも道道53の緑の世界は決して悪くない。
それにこの辺の丘陵の断面方向を、まともに横切っていたさっきの国道274より、明らかに斜度は緩くなってきている。
上オソツベツ原野、奥オソツベツと、牧草地と森、そしてアップダウンで丘を越え谷を越えていると、3年前の訪問で、反対側の方向から濃い霧の中で眺めていた景色を次々思い出す。
更に言えば、2001年には朝の阿歴内辺りまでほぼ同じ道を逆行しているが、やはりそのときの印象は断片的に印象的な箇所で照合できている、という程度に景色は違う。
丘陵から弟子屈の盆地に下ってきた最栄利別では、再び谷間の牧草地が拡がる。牧草地の緑、山の緑、点在する牧場農家、そして真っ青な青空と、文句の付けようの無い北海道の田舎の景色である。 ▼最栄利別にて 展望220°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
一方、やや向かい風気味の熱風が、暑くて仕方無い。でも、鶴井・標茶と丘陵地帯を過ぎ、何とか希望到着時刻の13時前に弟子屈に着けそうだ。気分はなかなかよろしい。
「豚丼」「駅前」の文字を道ばたの看板に眺めつつ、12:50、弟子屈着。とりあえず町外れのセイコーマートで少し休憩する。例によってサラダやおにぎりやヨーグルトやらで集中的に補給しつつ、さっきの看板が頭に浮かんで仕方ない。町の反対側、国道243沿いにはラーメン「弟子屈」もある。暑さでだるいような気もするし、ここはどちらかに行くしかない!とは思うものの、でも…
やはりよく考えると、今から何か食べて出発すると、弟子屈発は14時を越えてしまう。平地の町中で時間を費やすのではなく、田舎の景色や峠道の森で時間を費やす方がいい。暑さ故の気の迷いなのかもしれない。
でも迷い続けたままで13:20、弟子屈発。走り始めれば、やはり気持ちが楽なのは現状継続、そのまま国道243の札友内までショートカットの道道717へ。
いつもは弟子屈の反対側の国道243を使うのだが、以前札友内で分岐するこの道が、手持ち地図の単線状態からは拡幅舗装されているのを見つけ、狙っていたのだ。
釧路川を挟んで東西から緩やかな傾斜で山の裾野が降りてくる弟子屈北部。その西側山裾の道だけあり、道道717からの見晴らしは良好だ。
牧草地の向こうに森や西側の裾野、せり上がる摩周湖外周の山々などを見渡すことができて、しかも車は極少。更に、こちらは弟子屈市街へ立ち寄れる。都合がいいことづくめである。今後弟子屈通過はこちら経由に決定だ。
国道243に合流すると、毎度のことだが、例え車の量は許容範囲だろうと何だろうと、国道の路上は自動車が高速で通過する慌ただしい場所。気持ちがちょっと落ち着かなく緊張する場所なのには変わりない。
札友内の牧草地の眺めは悪くないのだが、そういうわけでちょっと黙々と走らざるを得ない。折しもちょうど今回珍しい追い風だ。牧草地の先は釧路川河岸の低木林、あまり視界が無くてここもいつも粛々と通過してしまう場所だが、ここも追い風で一気に通り過ぎてしまえ。
屈斜路湖岸では、再び牧草地と畑の中の道となる。
道が湖岸から内陸側を通っているので、国道から湖面が見えることはあまり無い。むしろ湖そのものではなく、山裾から緩やかな起伏を描いて湖岸へ落ちて行く地形、そこに拡がる畑と牧草地の景色がとてもいい。
ここ2年連続早朝通過のため、この道は雲が多かった。ところが今日は空が真っ青で、見渡す景色の中に午後の光が一杯だ。日差しを受け、畑の作物も牧草地も山の森も、青々 と輝き元気が良く、感動的ですらある。▼動画3分2秒
14:30、ウランコシ到着。以前ここで確かに立ち寄ったはずの売店が無い。ここのソフトに弟子屈を出る前から期待していたのに。というより、ここでソフトが食べられると思って、暑かったがすべてのソフトポイントを通過してしまっていたのだ。
しかしソフトぐらいで滅入っていても仕方無い。水をがぶ飲みして、おもむろに津別峠へ。
えっちらおっちら登り始めると、想像以上に身体がしんどい。全然登れない。理由はわかっている、今日のこの高温で、熱中症までにならなくても、身体が熱にやられているのだ。
下から見上げる最初のカーブを曲がると、確かもうすぐ先から木陰が始まっていたはずだった。それなのに、なかなか木陰が始まらない。身体がきついので長く感じている、というレベルではないと思う。何か伐採で枝の半径が全体的に小さくなってしまったのか、それとも思い出が美しくなってしまっているだけなのか。
何とか木陰に入り込むと、森の中はやはり一安心できるぐらいに涼しい。
しかし、やはりきつい。全然登れなくなっていた。
仕方無いので脚を着き着き、粛々と前へ進むことにする。
標高が450m以上になると、急に涼しい風が吹き始めた。助かった。それにもう15時、そろそろ夕方の気配が感じられる時間である。
しかしやはり日中弱った身体は、もう全然ダメなのであった。
つづら折れが開けトラバース区間へ、そして峠までを、脚を着き着き、何とか一所懸命にとぼとぼ登る。
西へ傾いた日差しは、しばらく山陰に隠れたままだったが、峠まで最後の山肌巻き区間で斜め前からの逆光になった。
涼しくなったとはいえ、眩しいのがつらい。たかだか眩しいだけでもつらい。
16:00、津別峠着。峠道ではだいぶ難儀しているが、まだ全然タイムリミットになっていないので、ここは予定通りに津別峠展望台を楽な気分で登れる。とはいえ、登り始めるとやはり10%強の斜度は更に手強い。年によってはストレートに一気に登れるのに、と悲しい気分になりつつ、脚を着き着き少しずつ登ってゆく。
展望台へのふるさと林道区間は大まかに3段階。津別峠下の分岐から一目散に山肌を登って行く区間が終わると、次は森の中へ山肌直登区間。
そして展望台下の一登り手前までなぜか斜度が収まる森の中。まあもう先は見えた。押すと後で後悔するに違いないので、なるべく押さないように落ち着いて登るだけだ。
記 2009/9/9
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