オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳
(以上#2-1)
→夏沢峠
(以上#2-2)
→本沢温泉
(以上#2-3)
→稲子小屋口→(林道八ヶ岳線他)野辺山
→(国道141)清里
37km
14:20、本沢温泉発。八ヶ岳裾の稲子小屋口まで、標高差約500mを一気に下ってしまいます。
まずは沢沿いにアップダウン気味の道が少し続きます。ウォッシュボードなども現れますが、atsさんは乗車で一気に川を越えてしまうのはさすが。
すぐ谷が落ち込み、山肌トラバースの森の小径に移行します。ところどころ板桟敷のような道もあります。
ここへ来てようやく紅葉が調子を上げてきました。
紅葉やら緑やら木々が覆い被さって、森の道は狭いトンネルみたいになってます。木漏れ日の中をするすると下ってゆくと、時々景色が開ける箇所もあり、正面の山肌が紅葉に彩られつつあるのが見えます。
あまりに親しげな表情の楽しい道ですが、前方には遠くの下界に佐久・野辺山方面の拡がりも見え始め、まだまだかなりの山の中にいることを思い出します。
南側斜面のトラバースだった道は、低くなってきた稜線をひょいと乗り越え、北側斜面へ。
ゲートを抜けるといよいよ稲子小屋口まで最後の区間。安定した路面ではありましたが山道っぽかった道も、何だか急にダートと呼びたくなるような表情を帯びてきます。
15:25、稲子小屋口到着。ここからは八ヶ岳林道でしばらく八ヶ岳の裾を南下、野辺山へ向かいます。
しばらく標高1600m付近にアップダウンが続きます。道はダートで交通量はかなり少なく、某大型野生動物が出てきやしないか心配になります。
本沢温泉近くではまだ木漏れ日がきらきら眩しかったはずですが、山の中にいるうちにいつの間にかだいぶ陽射しは傾いていたようで、辺りは日陰主体ながらも、景色も見上げる空も何となく赤っぽくなっています。
入り組んだ山肌に忠実に大きくジグザグを繰り返す道が続くうち、自分が何だかさっぱり登れなくなっちゃっているのに気が付きました。ちょっと登りが始まるだけで息が切れます。NUTSさんとatsさんは相変わらず絶好調なので、私だけがこういう状態になっているようです。
いつもの標高1700m以上ぐらいで始まる頭痛みたいな現象か。でも、この辺りは標高1400m強ぐらい、ちょっと低い。しかし何にしても、地図ではまだ野辺山まで、そして清里まで距離があります。
とりあえず粛々と大きな谷間をこなしていくしかないのでした。
個人的にもう一杯一杯になりかけたところで道はだだっと下り始め、標高を100mぐらい下げて広域農道へ。手持ち地図では細道なはずの道がかなりゴージャスに拡幅されていますが、どうも道は間違っていなさそう。いよいよ野辺山に下ってきたことになります。
途中からは広々とした牧草地が登場。辺りは影の中、次第に景色が蒼く変わっています。一方、見渡す上信国境方面の山々は、夕日を正面から受けて真っ赤っか。広々と鮮やかな景色に思わず足が停まります。
振り返ると、日が沈んだ夕焼けの中、八ヶ岳が聳えています。こちらも山の姿は真っ青なシルエットになっていますが、冷えて澄んだ空の中でその稜線の形がくっきりと、やはりこちらも鮮やか。朝いた硫黄岳や、硫黄岳から眺めた景色、そして夏沢峠の辺りを目で追って、しばし立ちすくみます。
もうその後は森から畑を抜け、JR最高地点で既知の道に合流。国道141をだだっと下って、17:30、清里YH着。
このYH、私がYHに泊まり始めた30年近く前から人気のYHで、立地のせいかシーズンには宿泊者が多く、いろいろ楽しそうな話を聞くことがあって、一度は泊まってみたかったYHです。今回泊まってみれば、まあ昔風のオーソドックスな居心地の良いYH。ややだだっ広い食堂での食事、談話室でのミーティング1歩手前の静かな談笑タイム、そして2段ベッドまでが典型的で、いかにも昔から人気のYHらしいものでした。
しかし、そんなあこがれのYHで一息つきながら、つい「もし本沢温泉に泊まれていたら、いや、何でもう1泊するのに本沢温泉で泊まるのを思いつかなかったんだろう」と悔やむことしきり。次回2泊ツアーで訪れることができたら、抜かりなく計画したいと思います。
それにしても楽しい1日でした。さっき八ヶ岳林道で感じた身体の疲れがやや心配ですが、まあ何とかなるでしょう、きっと。
記 2010/1/4