天気予報は晴れとのことでしたが、新幹線始発の越後湯沢、浦佐は未だどんより曇り。でもそれは毎度のこと。上越線各停に乗り換えて小出に向かう2駅の間、天気は何とか回復してきたのも毎度のことで、珍しくもありません。
ただ、この先山奥区間の天気は何とも読めません。まあ雨さえ降らなさそうなら、問題無く出発するだけです。
8:20、小出発。
街を抜け、国道352で東へ向かいます。小出から秘境奥只見湖、奥会津の一番奥の檜枝岐を通り、会津高原までを一続きの道として通ってゆく国道352、その起点がここから始まると思うと、少し緊張します。
街を抜けると辺りは稲の刈り取り中。真っ黄色になって頭を垂れる稲穂には、しかしながら何か黒い小粒の実のようなできものみたいなのが散見されます。冷夏で雨が多かった今年の夏の影響の、何かの病気でないといいのですが。
9:00、みみずく広場通過。
大湯温泉街を過ぎると、枝折峠裾野の森に突入。辺りは一気に人気が無くなります。
深い森に落ち込んだ渓谷、何だか一気に山奥に来た気分になります。行く手にはこれから登る枝折峠の山肌が、ぐるっと壁のように立ちはだかっているのが見えます。空に雲は多いものの、それの山肌は柔らかい陽射しに照らされ始めています。
高く密な雪国独特の杉林の中、もはやほとんど林道同然の国道352はとぼとぼと奥へ奥へと進んでいきます。
ランプの宿「駒の湯温泉」の看板が幻惑的ですが、いや、行程初日出発早々にして計画をぶち壊すわけにはいきません。
峠区間に入ると、国道352は細かいつづら折れで高度を上げ、山肌に取り付きます。
しばし登りが続きますが、あっという間に今までいた谷間を見下ろす位置まで登ってしまうのと、入り組んだ山肌からの景色が次々に変わるので、とても景色の楽しい道です。
山肌に取り付いてからは妙に斜度の緩い箇所があったりしますが、基本的には緩急ある登りが続きます。
この峠、全区間で湾状の山肌内側に視界が開けています。登るにつれ、高さ、そして平面的な位置関係が変わって、やはりさっきの登り始めと同じく景色が次々に変わり、とても見応えがあります。
標高が上がると、周囲の山々の上に駒ガ岳、そして峠近くでは遠く湯ノ谷、小出の町まで遠望できるようになります。
また、一応(?)午前と午後で自動車の方向別規制を行っている(もっとも長岡ナンバーの老人達はそんなもん守っちゃいない)ため、路上は交通量が少なく、ゆっくりでも落ち着いて景色を楽しみながら登れます。
今回は秋口だというのに、小振りのミヤマクワガタが出迎えてくれました。
距離にして峠区間の約半分、直角(以上)折り返しカーブの鋼製シェッドを過ぎると、斜度は急に厳しくなります。
体感で大雑把に10%基準+α。ところどころ毎回前輪が浮く場所もあります。
ぐいぐい登るだけあり、谷間の展望も更に迫力を増します。
下から眺めると壁のような斜面だけあり、見下ろす落ち込んだ谷間には恐怖を感じます。
10:50、枝折峠到着。登り発汗であまり意識しませんでしたが、陽射しが隠れ気味なのもあって、9月中旬にしちゃけっこうな寒さを感じます。おまけにミヤマクワガタちゃんのせい(?)で、過去再遅到着。今日はいつもの会津高原と違ってかなり手前の檜枝岐終着ではありますが、この先絶景の奥只見湖畔で時間を確保するために、ここはあまり長居しない方が何かと都合が良さそうです。
というわけで、折角登った峠ではありますが、水だけ飲んでフリースを着込み、一気に下ってしまいます。
記 2010/1/1