壁のようだった稜線の裏側を急降下、こちらも落ち込みの激しい谷間に面する道で、早く下ってしまいたい道です。
北ノ又川の谷間は、いつもながらきりっと独特の厳しい雰囲気漂う景色がいかにも山深く、息を呑むような見応えがあります。でも、それもまあいつも通りと言えばいつも通り。薄日差す程度の天気なので、もう通過してしまいましょう。
谷底へ下りきり、そのまま銀山平へ。11:15、銀山平、尾瀬三郎商店通過。ここから先、本日のハイライト、奥只見湖岸区間が始まります。
銀山平から先、奥只見湖はぎざぎざに入り組んだ彫りの深い岸の線をなぞって進んでいきます。
道は水平方向に屈曲しますが、まだ大したアップダウンは現れません。
谷の奥へ向かう時には前方の山々、谷の奥ではウォッシュボードの沢と沢の名前の標識、そして時々見える湖を眺めながら、ブラインドコーナーに注意してそろそろ進みます。
湖岸唯一のトンネル、グミ沢トンネルは、中でカーブしているのに照明が無く、そう長いトンネルではありませんが、出口近くで外の光が差してくるまで恐怖です。このため、このコースを走るときはここだけのために照明の電池を出発前にチェックします。
グミ沢トンネルを抜けると、いよいよ湖岸区間の3回アップダウン開始です。
少し登ると、登ったなりに湖の景色が拡がります。
アップダウンの最初は、80mの中ノ岐越え(看板は神蜂)。
岬状に湖に突き出た岸の丘をひょいと乗り越え、中ノ岐の谷の奥へ降りていきます。
早々に湖岸近くに降りてから、道は小刻みなアップダウンを繰り返し、小さな沢をひとつひとつ渡ってゆきます。
毎度のことながら、なかなか谷の奥まで到達しません。中ノ岐沢、奥只見湖岸の谷の中でもダントツに深い谷だけあります。
それでもいつかは谷間の奥に着くもので、12:30、「雨池」の看板が登場、中ノ岐沢を渡ります。登山道みたいな歩道が岸伝いに奥へ延びてゆく上流方面には、さっきの北ノ又川と同じようにちょっと浮世離れした厳しい雰囲気が漂い、上流方面への興味がそそられます。この橋からこの景色を眺めるのを、今回も楽しみにしていました。
記 2010/1/1