岩尾別→(道道93)知床自然センター
→(国道334)以久科北→(町道)以久科南
(以上#9-1)
→(国道244)西北標津→(農道・町道・道道975)武佐
(以上#9-2)
→(町道北19他)開陽台
→(町道北19・道道150他)俣落→(町道)北進
(以下#9-4)
→(道道150)養老牛→(道道885)虹別
→(国道243)札友内 159km
武佐で北端の道は一旦途切れて、更に北側の道へスライドする。道の番号はここからあの「町道北19号」、地図を見ればいつの間にかもう開陽台までほんの少し。
ここへ来て雲が切れ、日差しが現れ始めた。辺りが照りつけられた途端に気温がぐんぐん上がり始める。
振り返ると防風林の中に根釧台地の地平線、横を見ても地平線。一番晴れて欲しい場所で、ようやく天気が良くなってきた。▼動画40秒 ▼動画1分6秒
大きなバウンドを繰り返しながら、1回ごとにアップダウンの規模がどんどん大きくなってゆく町道北19号。
いつの間にかその景色は開陽台下から一直線に伸びる道の景色そのものになっている。▼動画36秒
北開陽を過ぎたところで、行く手の開陽台下の撮影ポイントに、ライダー達が列を作っているのが見えてきた。
年々人が増えていた場所ではあったが、ああ、ここもついにこういうことになってしまったか。まあいい、景色はみんなのものだ。みんなが愛するのを妨げる権利は誰にも無い。だから頼むから、出発気分なのか何なのか、こんなに静かな場所でアイドリングしてしばらくエンジンを回すのと、こんなに風のすてきな場所でタバコをふかすのは何とか止めて欲しいのだ。
町道北19号がそんな具合なので、こちらはすぐ近くのプライベート撮影ポイントへ。ところが、満を持してNewF-1を取り出すと、今まで出ていた日差しが急に雲に隠れてしまった。なかなかうまくいかないものだ。
その後結局北19号でも、バイクとバイクの狭間の漁夫の利状態で旨い具合に入り込んで、ニューサイ写真を撮影。
開陽台入口までと、そこから開陽台取り付きの激坂を登り切り、12:40、開陽台到着。
実は去年、この開陽台手前で足を着いたのみならず、押しが入ってしい、それを10時前の羅臼ですでに30°だった程の高温のせいにしていた(実際熱中症寸前でふらふらだった)のだが、今年けっこう楽にすいすい登れて、何とか一安心である。と同時に、昨日のリハビリで、ここまでの疲れが何とか回復できていることにも確信が持てた。
いつものように駐車場に自転車を停め、眼下に拡がる緑の根釧台地を少しぐるっと見渡す。
さっき通ってきた町道北19号が牧草地を一直線に横切って、防風林に入ってゆくのもよく見える。いつもながら厳しい登りだったが、あそこから登ってくるのだから当然だ。
億劫がらずに展望台の建つ高台へ登り、1階の軽食「caffe kaiyodai」で食事とする。けっこう大きめのサンドイッチが次から次へとすいすい腹に入ってしまい、店員さんが驚いているのが我ながら可笑しい。
勤め先にお土産を送った後は、最上階で270°の展望を眺めないと。
牧草地、防風林、延々と地平線へ続く緑の濃淡。空の雲は拡がってはいるものの、温度がそう高くないせいか、雲の下の遠景は意外にも見通しが良い。快晴の日は遠景はけっこう霞んでいることが多く、何かダメなら何かいいところがあるものだと思う。それこそ旅というものかもしれない。▼開陽台の展望270°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
ぼうっとして眺めていると、今年もここに来れたという嬉しい気持ちで一杯になる。一方で、それはまた同時に自分の行きたい気持ちの結果でもある。非常に恵まれている条件が前提ではあるが、行こうと思って計画しなければ、またその計画を実施できなければ、ここに来ることは無いのだ。
ふと、「その気持ちがあれば、どんなことでもいつかは実現するものです」と昔ある方に言われたのを思い出す。単なる旅でしかない開陽台訪問も、最低限その気持ちが無いと、いつまで経っても物事は実現しない。この広々とした根釧台地も見渡す限り牧草地に防風林、つまり人の手が入った景色だ。ここで生活しよう、という人の気持ちが無い限り、この風景は無いのである。もちろん気持ちだけでは実現しない。
13:40、開陽台発。
町道北19への下りは、いつも空中から根釧台地を見渡すような開陽台から、まさにその根釧台地に着陸するような気分になるが、同時に今回も開陽台訪問が終わったという証の景色でもある。▼動画2分11秒
俣落から北進までは目先を変え、南側の町道経由で第二俣落へ。
いつもの道道150とちょうど四角形の2辺と2辺の関係だが、北進手前で谷底から一気に台地に登る道道150と違い、こちらは台地下手からじりじりと台地上を登ることになる。という地図から分かる話だけではなく、いつもと違う広々とした牧草地の景色はとても新鮮だ。
特に北進手前辺りの広々とした景色は素晴らしい。
道ごとにそれぞれ新鮮な表情が楽しめるこの根釧台地北部の魅力が改めてわかった。
記 2008/10/4
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