抜海→(道道106)富士→(道道254)稚内
→(国道238)宗谷岬
(以上#13-1)
→(国道238)浜鬼志別
(以上#13-2)
→(国道238)浜頓別→(国道275)敏音知
(以下#13-4)
→(国道275)咲来→(村道)天塩川温泉 188km
11:10、道の駅「さるふつ公園」発。いろいろのんびりしたなりに時は過ぎ、11時台になってしまった。今朝出発前は、いつものように浅茅野辺りから北オホーツク自転車道に入っても良いかななどと考えていたが、時間短縮のため、久しぶりに国道238を継続することにした。今回は何故か大型車が非常に少なく、そういう気分になれるのだった。しかし考えてみると、久しぶりだからと言う理由、いや、大義名分で国道を使うパターンが、今回は多いような気もする。
浜頓別までは32km。海岸沿いに猿骨、浜猿骨と思い出したように地名の付いた集落が現れて、その先内陸へ、やはり起伏と景色の変化が少なく、一直線で幅広の単調な道が続く。やや向かい風に耐えながらの淡々としたサイクリングに加え、さっき腹に仕込んだお料理が効いてきて、何だか眠さを感じ始めてきた。まずい。それにこれは、疲れを感じていなくても、実際にはかなり疲れているということだ。恐らく昨日の疲れが残っているのだろう。ここはますます早めに天塩川温泉に着き、夕食前から温泉に浸かってゆっくりしたい。
とりあえず多少雨が強くなってきた浅茅野で、都合良く道ばたに建っていた屋内型バス停に入り込み、しばらくバスが来ないのを確認、少し居眠りする。この道北エリア、稚内近くで某氏がバス停宿泊中に荷物を根こそぎ取られた話があるので、バス停外側に自転車を置きっぱなしにしておいてはいけないのだ。
例によって居眠りしているのは5分程度。これでまた頭がはっきりするのだ。
浅茅野を出発すると、再び雨は弱くなり、そのうち止んだ。こういう天気だけ見ていると、どうも内陸ほど雨が降っていような気がしないでもない。牧草地や低湿地、いくつかの沼を見下ろしつつ、山軽を過ぎると辺りに建物が現れ、そしてクッチャロ川と河岸の芦原が登場。向こう岸に、ここ毎年のように泊まっているトシカの宿が建つ森を捜していると、道は町中に入った。
12:40、浜頓別に到着。朝、経路の候補に考えていた枝幸、歌登回りのコースだと、何となくまた雨と、多分オホーツク海願で再び強くなる向かい風に悩まされることになるような気がした。ここは穏当に、内陸の国道275周りにしておこう。
国道238は浜頓別の町の東を掠め気味に通過する。町中の交差点をこれから向かう国道275方向に向かうと、閉まったシャッターが目立つ商店が何ブロックか続いた後、すぐに旧天北線駅後の公園にぶつかり、そのまま町が終わってしまった。小さな町である。
さっきの道の駅から1時間半。休めるときは休むに越したことは無い。この先中頓別でも休憩できるが、まあ今日はできる場所で休憩して、とにかくのんびりしよう。というわけで、セイコーマートで小休止し、13;10、浜頓別発。
国道275で内陸へ向かうと、案の定すぐに、道ばたから雨の形跡が無くなった。▼動画46秒
道は浜頓別の町から続く牧草地の丘を下って、常磐、下頓別と頓別川の平地に続く。少し明るくなってはきたが雲は相変わらず低い。
途中には、拡がる牧草地の牛を眺めるカップルのツーリストがいた。いかにも道北らしいのんびりした景色は、裏を返せばメリハリの無い景色ということでもある。しかし、暗く低い雲の下の寂しく厳しい海岸の景色より、眺めている気持ちが楽な気がしないでもない。まあ曇りの平地なので、淡々としたツーリング気分なのである。
高砂、寿と多少谷が狭くなるが、中頓別で再び盆地が拡がった。山を背にした狭い盆地の景色は、昨日山間の平安から中頓別に下ってきた時の、背後に山が無い平地の印象と明らかに違う。いつも浜頓別から国道275を遡ってきたときに、空に突き上げるような力強い姿が印象的なその松音知岳・敏音知岳は、しかしながら今日はその大部分が雲に隠れてしまっていた。
いろいろ観察しつつ、中頓別でも少し休憩する。
二日連続での休憩で、おにぎり、コンビニサラダ、フライドチキンにオレンジジュースと、買う物がすべて昨日と一緒。食べがら捨てをお願いした昨日の可愛らしい店員さんが、こちらを覚えていてくれるのがウレシイ。まあしかし、こちらの買い物には芸が無くて申し訳無くもある。
仕入れた物を店先で貪り喰っていると、さっきの牧草地のカップルが追いついてきた。2人とも外人の学生さんで、クロスバイクに荷物満載の男の子はオーストラリア、黄色いKHS折り畳みの女の子は台湾から来ているらしい。男の子がちゃんと彼女の荷物を全部持ってあげて、2人の走行バランスは保たれているようなのが微笑ましくウラヤマシい。今日はびふか温泉にキャンプ泊とのことだったが、いや、この時間からびふか温泉は厳しいだろう。とは思っても、2人がどれほど目覚ましい走りをするかはわからない。まあ苦しいのも2人なら楽しいだろう、頑張って困難を愛の力で乗り越えてね、と思いながら去っていくワタクシなのであった。
14:25、中頓別発。
音威子府までもう41km。音威子府から今日の宿の天塩川温泉まで10kmも無いから、あと50kmしか走らなくて良いことになる。もともと天北峠は標高190mで中頓別からの標高差は160m、ほとんどちょっとした丘越えである。しかも峠まで30km弱もあるのだ。
昨日向かった知駒峠への道道785が上駒で分岐した後、引き続き国道275は低山に囲まれた静かな牧草地の谷間を、少しずつ高度を上げてゆく。
松音知を過ぎると、敏音知岳が次第に目の前に大きく近づく。
標高700m、近い場所で急に立ち上がっていその姿は、さっき中頓別で眺めたようにほとんど雲に隠れてしまっていて、裾しか見えない。2001年の訪問で、この山を振り返って眺めたことはあった。確かその姿に度肝を抜かれたと思う。
間もなく道の駅「ピンネシリ」が登場。ここでも2001年に食べたソフトを覚えていて楽しみにしていたが、今回も美味しいソフトを食べることができた。
記 2008/10/13
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