北海道Tour08 #12-3 2008/8/13 五味温泉→抜海

五味温泉→(町道)下川→(道道60)幌内 (以上#12-1)
→(道道49)仁宇布→(道道120)歌登
(以上#12-2)
→(道道120)中頓別→(国道275)上駒→(道道785)八線
(以下#12-4) →(農道・道道583・道道395)国府
→(国道40)南下沼→(道道972)音類→(道道106)抜海
 243km

知駒峠 問寒別側は空の道 平野の展望抜群 RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 歌登から兵安経由で中頓別へ 赤は本日の経路

 沖縄の沢川沿いの谷間は、道道120では一番山深く見えるのが面白い。

 さっきの西尾峠からフーレップ川谷間の方が場所的には全然山深いはずなのだが、谷が狭いのと山肌が荒々しいのと木々が密なため、もう道北も歌登より北側、目的意識を持たないとなかなか来にくいぐらい北ではある。土地そのものの表情もかなり独特になってきているのだ。

 山深いとおりに峠部分は谷のだいぶ奥で一気に登るタイプで、下からも登る途中からも、それぞれ向こうの道が意外な高さに見える。

道道120の登り 名無し峠までまだもうちょっと 谷間から急にきりきり登る RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 パノラマ合成

 その高いところへ登ると、谷間に入ってから続いていたしっとり系のしつこい小雨は、嘘みたいに急に上がってしまった。路面まで何ごとも無かったように乾いている。

 下った向こう、兵知安川の谷では、やはり急に牧草地が開けてのどかな景色が拡がった。

 中頓別、歌登の道道120最北区間は、そういうわけで景色が楽しく、この辺りでは外せない。

 兵安へ下ってお昼過ぎ、この時点で気が付いた。そうだ、中頓別までまだ10km近くあるのだ。僅かに下り基調とは言え、中頓別でのコンビニ休憩を含めると、中頓別発は確実に14時ぐらいだろう。しかし、知駒峠を目前にして、中頓別のコンビニ補給は外せない。

 中頓別までは牧草地の谷間の下り、豊泉で浜頓別から拡がる谷間に出て、13:30、中頓別着。

 時間は押し気味だが、国道275脇のセイコーマートで少し休憩、少し落ち着こう。どこのコンビニでも夏休みの店員さんが可愛らしく、ゴミ箱店内設置のお店で食べたばかりの食べがらをお願いするのに少し気が引けるが、各自地体の方針に従って分別は徹底しないと。ましてや旅の飯は食べ捨てなど許されないのである。

  中頓別から知駒峠経由で八線へ 赤は本日の経路

 毎度の個人的定番メニューのおにぎり、野菜サラダ、オレンジジュースを一通りこなした後、更に追加でトウキビを注文。次から次へと平らげていると、やはり時間が経ってしまう。いや、あまりろくな物は食べていないのだが、仁宇布カレー大盛りが効いている。未だに空腹感が無いのだ。
 それより今後の修正タイムスケジュールに当たりを付けねば。現実的には、このままとりあえず知駒峠には向かう必要がある。どこをどう解釈しても、知駒峠を避けると、音威子府経由も浜頓別経由も極端な大回りなのだ。ああ、夕方までもう少し時間が欲しい。もっと言えば、何だか計画ミスみたいな気もする。思えば計画時、豊富までで組んだ予定を、旅立ち前の宿予約段階で「えーい行ってしまえ」と抜海まで延ばしてしまったのだ。

 などとくよくよしていても始まらない。知駒峠を下って、八線で出ているだろう豊富温泉方面の距離標識次第では、問寒別経由ではなく豊富温泉経由の行程になるかもしれない。そっちだと低い峠一発込みなので、20kmぐらいだと嬉しいのだが。でも、地図を見た感じではもう少しあるかもしれない。
 まあ、今は先に進もう。

 13:50、中頓別発。オホーツク沿岸から続く平野部の一番奥の上駒で、国道275から知駒峠への道道785が分岐する。

 分岐には知駒岳を越えるこの道の、イラスト入りの看板が出ている。峠部分からは周辺が一望で、利尻島までよく見えるようだ。まあ今日はもう雨こそ降っていないものの、雲が低く濃いので、あまり何も見えないだろうが、期待は盛り上がる。

 

 でもそりゃそうだ。この道、隣の谷に行くのに、わざわざこの辺りでは際だって高い知駒岳の脇まで登っているのだ。峠部分で標高460m。近くの稜線を完全に見下ろす位置なのである。単純に中頓別と問寒別を結ぶと言うより、何か別の目的含みで造られたのかもしれない。でも所詮は標高差400m強。分岐から見上げる知駒岳と、その稜線近くを横切っている道の高さは、一際高いとは言えまあそんなもんかなというぐらいの高さだ。問題は比較的近い位置でその高さを見上げていること。つまり、急斜面を強引に登るタイプの道なのだろう。しんどいかもしれない。

 知駒内川の谷間の牧草地をしばらく進むと、谷間の一番奥で唐突に登りが始まった。地図を見ると山肌に取り付いたようで、この先は登る一方だ。

ぐいぐい登る峠道 RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 パノラマ合成

 比較的密な森の中、山肌を巻きながら尾根下手へ、つづら折れや大きな橋の谷越えを含みつつ、ダイナミックな線形で道道785はどんどん高度を上げてゆく。

 急斜面の山肌に張り付いたつづら折れ区間では、急斜面ゆえに道の外側は木々の梢となり、その向こうに周囲の見晴らしが開けてゆく。

 かなり道がくねくねで、かつ周囲の平地や低山から立ち上がった山なので、次第に拡がる展望は開けていて、その方向がころころ変わるのが面白く、ちょっと独特だ。

 見える範囲の空気は比較的澄んでいるので、各方面に続く谷間の雨はもう上がっているようだ。

 一方、雲は山の間や内陸方面ににこってりどんより残っている。この先向かうサロベツ方面の空中は比較的明るいが、日本海や利尻島までは見えなかった。

周囲が開けるが雲はやや低め RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 パノラマ合成

 しばらく続いた細かいつづら折れが稜線のトレースになると、辺りが開けて道はもう空の中。

晴れたら景色がよさそう RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 パノラマ合成

 吹き渡る涼しい、いや、冷たい風の中、行く手に続く道とスノーシェッド、そして一番高い山の山頂に中継塔らしき鉄塔が見えた。あれが知駒岳だ。そして、この道はあの鉄塔のメンテナンス道路を兼ねて、それにいろいろ目的をくっつけて造られたのかもしれない。

  知駒峠から八線へ 赤は本日の経路

 15:20、知駒峠着。高さ、ボリュームとも、この道北も最北部エリアではかなり際だったこの峠。それにも増して、一昨年から麓まで来ても天候不調で引き返していたこの道、ここ3年の宿題を終えた気分である。また、知床からずっと続いた内陸コースの、最後の大きな峠が終わったのだ。なかなか達成感はある。
 しかし、せっかくの開けた道なのに、これだけ雲が濃いと展望も利かない。寒いし、もう15時を過ぎてしまった。この後のことは後で距離を見て考えるとして、今はもうとっとと問寒別側に下ってしまおう。

峠からの展望 RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 パノラマ合成

 稜線から山肌へ、開けた道から、つづら折れで谷間にすとんと急降下。▼動画35秒

 下った先の谷間はもはや平地、問寒別へ続く谷間の八線まで長々と一直線に道が続く。こちらの問寒別側は中頓別側より露骨に地形依存の線形だ。

記 2008/10/13

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Last Update 2019/7/26
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