(以上#7-2)
→(道道775・町道46)旭新養老牛
→(道道150・885)萩野→(国道243)札友内 153km
道道311から続く根釧台地北上の道は、計根別からは道道775、更にその途中から町道46となる。
▼動画1分19秒
台地上の道に次第に登り基調が明らかになってきた。
空にはやや雲が増えてきたが、標高が上がって台地から標津岳の裾野に移り、次第に見晴らしが拡がり始めた。
霧が出やすい根釧台地の例に漏れず、過去にこの辺りを通っても霧しか眺めたことが無かったので、また新たな根釧台地に出会えたような気分になった。
▼動画1分12秒
裾野は次第にせり上がり、起伏のある周囲の台地を一望できるようになり、やがて行く手の防風林の中に旭新養老牛の交差点が見えてきた。
14:10、旭新養老牛着。
あとはもういつもの道道150〜885である。▼動画28秒
知床半島背骨の山々の裾野に伸びやかに拡がる緑の牧草地、防風林、そして山々の景色がのんびりと続くこの1本道、さっきまでの猛暑から空に雲が拡がって、今日はもはや曇りである。山側にはずっと西別岳が聳え、折角の青空が似合う風景に、こうなると雲が空を覆いつつあるのが残念だ。でもまあ、暑すぎなくていいとも思える。もっと雲が低かった年も、突然大雨が降ってきた年もあるのだ。安心して景色を眺められるのなら上出来である。この天気、開陽台へ無理して行かなくて正解だとすれば、あとはこちらへ向かうしかないのだ。
養老牛で裏摩周への分岐を見送り、いつもの中川商店で小休止。
▼動画21秒
最高地点の西別岳登山口を過ぎると、もう後は荻野の国道243合流まで緩い下り基調だ。
整然とした中標津の牧草地は、やや防風林が不揃いな標茶町の風景に変わり、まだまだ終わってほしくないのに道はどんどん終わりに近づいてゆく。
16:00、萩野で国道243と合流。雨の心配は無さそうだが、もうかなり雲が厚くなってきている。
電波中継局の丘越えで地平線の展望は開けるものの、広々というよりやや重たい表情の景色に気分はあまり冴えない。
ここはもう先へ進もう。根釧台地ともお別れだ。
登りの印象で下りはすぐだと思っていると、弟子屈への道のりは意外に長い。下りの印象で登ると思っていると意外に近く感じるので、この国道243はいつも向きを変えて通るのが良いのだろう。
弟子屈に降りてからは、町外側の森をぐるっと回って屈斜路湖へ向かうので、あまり弟子屈に着いた気がしない。それでもこの町も近年国道沿いに店が増えた。見慣れない場所の見慣れない店に、何だか位置感覚が狂ってしまう。
摩周湖方面への分岐にはセイコーマートがあったはずだ。きょろきょろしながら進むうちに、何とラーメン「弟子屈」を発見。この店、札幌薄野のラーメン横町でも印象のいい店で、ラーメン横町へ行くと必ず立ち寄るのだ。そのものずばりの店名だが、まさかこの弟子屈でばったり出会うとは。
日中の猛暑で汗をかいて、全身べとべとどろどろだが、それだけに身体は塩分を欲しがっている。時間もまだ16時半前、ここは立ち寄らねばなるまい。などとつべこべ考える前に店に入っていた。
17:30、札友内「鱒や」到着。
明日明後日のコース最大の山場を前に、ついつい2日ほどリハビリ路線に走っただけあって、今日は随分余裕の到着だ。宿到着後すぐに風呂で汗を流し、食事前にちょっとちょっと一杯。広々とした宿でのんびりと、実に良い気分だ。暗くなるまで走って「飯!」みたいなのもいいが、明るいうちからこういうのもとても楽しい。
夕食には新サンマが出た。美味しくボリュームたっぷりの食事に、自然に客同士の歓談が始まる。
8/14ともなるとお盆休みも第二四半期、2昼夜以上を徹して自走・フェリー・自走でようやく道東のこの定宿に着いてまず一息、という感じの車・バイクの常連さんがが多いようだ。常連さんとは言え、昔のYHや旅人宿でのアクの強い仕切屋とは違い、必死に取った休暇で精一杯北海道を楽しむ、善良な勤め人ばかりである。
そんな車やバイクの渡道の苦労と、道内での過密スケジュールを聞いていると、輪行で楽に来れてしまう自転車が、普通に一番楽なのではないか等と思えてくる。
ここ2日海沿いで少しは風が涼しかったのが、内陸ではまたもや建物に熱気が籠って暑くて仕方がない。細かい虫が網戸から入るので、部屋の灯りを暗くして網戸を開けている始末である。それでも屋外へ出ると、昼間のあの鋭い陽差しが嘘みたいに涼しい風が快適この上ない。
明日は津別峠。チミケップ湖まで足を延ばしたいが、終着は過去の弟子屈→津別峠→チミケップ湖というパターン中、一番遠い湧別だ。その分早く出発はするが、さて、どうなることやら。
記 2007/9/2