北海道Tour07 #6-1 2007/8/13 岩尾別→尾岱沼

岩尾別→(道道93)自然センター→(国道334)羅臼
(以下#6-2) →(国道335)薫別→(町道古多糠北8線)上古多糠
→(道道1145)北標津→(町道標津西3号)川北
→(町道・道道975)武佐→(町道北19号他)開陽台
(以下#6-3) →(町道北19号・道道150)開陽→(道道775)川北
→(道道774)標津→(国道244)尾岱沼
   148km

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路 赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路
谷底から見上げる羅臼岳 感動的に逞しい RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

 朝の谷間はひんやり涼しく、見上げる空に雲は無い。今回初めての晴れの朝、それ以上に空の青さと緑の濃さ。知床ど真ん中のここ岩尾別の位置を改めて思い出す。
 YHの外壁や自販機の前などには、夜の灯りに惹かれてやってきたものの、まだ森へ帰れていない虫達が残っていて、前庭のテーブルにはまたもや大型カミキリムシが寝ぼけていた。

 6:00、知床岩尾別YH発。

岩尾別YHから知床峠経由で羅臼へ 赤は本日の経路

 まずは昨日岩場の上から見下ろしたつづら折れの登りである。落ち込んだ狭い谷間、急斜面に張り付いて屈曲するつづら折れに、「明日はこんな坂を登らないといけないのだ」と覚悟したが、でも7%表示の登りも、登ってみれば意外にあっけなく、するする崖の上に登れてしまう。

 上からもう一度見下ろすと、谷間の上流が、海岸から岩山に挟まれて羅臼岳へ登ってゆくのが見えた。

 やはり昨日と同じく大鹿が路上をのっしのっし闊歩する道道93から、自然センター脇で国道334に合流。知床峠への登り開始だ。

 まず森の中の直登である。森の道とは言え、幅広の道に木陰は少ない。7時前にして早くも舗装路上の温度は上がり始めていて、汗がじわっと身体全体からにじみ出てきた。森の中ではエゾゼミが大合唱中で、耳の奥にきんきん響く。こうなると、もう車の少なさ以外朝早さは感じられない。しかし、時々渡る沢では冷たい空気にほっとできた。

 ところが登り始めると、昨夜GRDに起こったトラブルが再発した。さっきまで問題なかったのに。起動途中、レンズが出たところでそのまま電源が入らず、レンズが引っ込みもしないので、仕舞えなくなってしまうのだ。ただスイッチを押しても電源が入らないので、一度電池を抜いてまたスイッチを押すと、鏡銅が繰り出した状態から電源が入るので動きやすいらしく、何と無くモーターがガガッと動いて、1/3ぐらいの割合で背面液晶が点くのである。
 で、立ち止まって何度も起動を試している内、すぐ時間が経ってしまうのだった。

 登りは基本的に時々かくかく折れ線で曲がる直線基調、斜度は急な所で6%ぐらいか。6%ともう少し緩い箇所は入れ替わり現れ、途中のクランク状の大きめつづら折れから斜度が緩くなるので、そう厳しくない峠と言える。

 道を囲む木々の上、羅臼岳のたくましい姿も次第に姿を現してくる。

 そんなやや単調な森が続いた後、標高600mぐらいで辺りが開けた。

 密な樹海が眼前に拡がって、目の前にはさっきからちらちら見えていた羅臼岳の全貌が、突然でっかく姿を現した。その岩肌は荒々しくたくましく、眼前に迫ってボリューム豊か、「塊」という文字を連想させられる。

岩尾別YHから知床峠経由で羅臼へ 赤は本日の経路

 緑のボリュームも圧倒的で、緑豊かな山肌は裾野へ続き、眼前をなだらかに下り、少し向こうで海へ落ち込むのか空の中で突然終わっている。逞しいというより猛々しく、豊かというより生々しいその姿に、「世界遺産」を実感する。

 ここではいつも足が停まってしまう。特に今日は、羅臼岳に雲は懸かっているが概ね晴天で、緑の鮮やかさ、濃さが引き立っている。知床峠の、いや、北海道の道の中で有数の迫力としか言いようがない。標高600mともなれば風も涼しく、ついつい景色に見入ってしまう。

 峠下の鞍部回り込みも、見上げる稜線の凹みに見え始めていた。

 最後は山肌のつづら折れで高度を上げて、鞍部をぐるっと回り込み、8:35、知床峠着。標高約740m、涼しい風が気持ちいい。

 羅臼岳の山肌が、もはや正面間近に迫っていた。

間近に羅臼岳の岩肌 Canon NewF-1 FD20-35mm1:3.5L SL E100G

 峠やウトロ側鞍部から急斜面を駆け上がる緑の灌木帯も、その上の荒々しく切り立った岩肌部分も、さっきより更に間近に眺められる。頂の上の方に掛かっていた薄い雲も、見ている間にどんどん消えつつあった。

 羅臼側も山肌がすとんと落ち込んで、これから下るつづら折れから羅臼の町、そしてオホーツク海に国後島が、まさに空の中に拡がっていた。まだ8時台のためか、青空の下の空気は澄み切って、最高に眺めがいい。特に北方領土がすごく近くに見下ろすことができている。

 しばらくそんな景色を眺めた後、9:00、知床峠出発。峠を出てすぐ羅臼岳を振り返ると、これまた見事な姿である。

 しょっちゅう立ち止まるので、見返り峠手前までなかなか進まないが、見返り峠の後は尾根から山肌へ、有名なぐねぐねのつづら折れに突入だ。
▼動画2分17秒

 この知床峠、ウトロ側と羅臼側では峠と登り初めの位置関係はそう変わらないのに、羅臼側はウトロ側の2倍距離があるのだ。当然斜度は羅臼側が全然緩い。

岩尾別YHから知床峠経由で羅臼へ 赤は本日の経路

 かくして羅臼側には、緩やかな斜面に極めて斜度の緩いつづら折れがぐねぐねで延々と続くのであった。

 緩やかで開けた斜面は、ある程度降りたところで急にすとんと落ち込む。

 道も今までの緩やかな下りから一気に谷底へ降りる下りに変わり、谷間を大きな橋で飛び越えて一気に谷底へ降りてしまう。

 谷底からはもう羅臼の温泉街。標高が下ったのと、辺りが森じゃなくなって、涼しかった風は熱風となり、頼みもしないのに向かい風で強く吹き付けてきた。下界はこんなに暑いのか。

 町の手前で看板に従って新道へ。ウトロに引き続き、道はこちらでもバイパス新道なのだった。もっとも、そういえばこちらは前回既にそうだったような気もする。

 9:35、道の駅「羅臼」着。とにかく暑い。とりあえず缶飲料にソフトで体内から冷やさないと。
 身体を冷やして、落ち着いた頭でお土産屋を物色。地元漁協直営とのことで、魚に羅臼昆布がいっぱい。大きな鮭の安いこと安いこと、その他にもニシンにホッケに秋刀魚などいろいろ置いてあったが、特にきんきの開きが美味しそうだった。

記 2007/9/14

#6-2へ進む    #5-3へ戻る    北海道Tour07 indexへ    北海道Tour indexへ    自転車ツーリングの記録へ    Topへ

Last Update 2007/10/22
ご意見などございましたら、E-Mailにてお寄せ下さい。
Copyright(c) 2002-7 Daisuke Takachi All rights reserved.