(以上#6-1)
→(国道335)薫別→(町道古多糠北8線)上古多糠
→(道道1145)北標津→(町道標津西3号)川北
→(町道・道道975)武佐→(町道北19号他)開陽台
(以下#6-3)
148km
10:00、羅臼発。1本道の国道番号はなぜか羅臼で唐突に1増え、国道335に変わる。
羅臼から先、けっこう強い向かい風になかなか進まない。時間が気になるが、思えば峠と道の駅で1時間近くを費やしたことになる。ちょっと気を抜くとこれだ。が、こういうひとときが意外に記憶に残ったりするのだ。あまり後悔せず、前向きに物事を考えよう。
礼文町、知昭町、八木浜町としばらく海岸の漁村を通り抜けて行く道が続く。
時々道ばたや国道沿いの商店に「北の国から」という文字が目に付く。「北の国から」ロケ地の看板や、ロケで使われた商店が収録中の写真などを展示しているようだった。主人公の純とヒロインの結が仲良くなったコンビニも、それらしい店を見つけることができた。中には「純の番屋」などという飲食店もあった。ドラマで純が住んでいた番屋を飲食店に使っているようである。ただ後で聞いた話では、本物は羅臼の町のもっと北にあり、この店自体はそれを似せて作った物だ、ということだった。真偽の程はわからないが、「純の番屋」それ自体は、似せて作ったにしちゃなかなか良くできていたように思う。まあこのようにこの辺り、世界遺産効果に加え、「北の国から」を活用しているようである。
麻布町、春日町と更に漁村が続いた後、海岸は岸壁となるので、道は岸壁上の台地に乗り上げる。最高地点は標高80m強、その名も羅臼峠。峠とは言え、峠そのものよりその後のアップダウンの方が余程しつこいぐらいではある。
その手前、海岸から台地への登りっぱなに、民宿甲子園という宿があったはずだ。通りすがりに眺めると、人っ気は無い。併設の舟木水産加工工場は操業しているようだった。あるいは宿は休止中なのかもしれない。
私はここに1996年に1泊したことがあったが、食事にかなりのウェイトを置いた宿でとても印象に残っている。水産物加工工場裏手、ほぼ工事現場パックハウスのような部屋に不安になりつつ、国道脇の食堂まで案内された夕食は、未だかつて、そしてそれ以後もここ以外では見たことが無い、ゴージャスでボリュームたっぷりの海産物フルコース。その恐ろしいギャップに、遂にキタキツネにたぶらかされたかと、本気でほっぺたをつねってみたものだった。
今回もぜひリベンジで泊まりたいと思って色々プランを考えたが、けっきょく断念せざるを得なかったのだった。
岸壁上には道東の海沿いによくみられる低密林が続いた。
峯浜町、崎無異、薫別と、台地から海岸の漁港へは下って登って、登るとまた森の道である。
12:00、薫別発。薫別トンネルを抜け、再び台地に登って、途中の分岐から町道古多糠北8線へ。
少し内陸へ進むと、すぐに森が開けて畑が始まった。
上古多糠、古多糠と、道道1145沿いの緩やかな起伏の丘に、知床の山々をバックに緑の畑、牧草地が広々と続く。
まさに「大地」、今までの最果ての海岸沿いとは明らかに違うニュアンスを強烈に感じる。知床半島からいよいよ根釧台地に移ってきたのだ。
北標津で道道1145から町道標津西3号へスライド、低地の牧草地や森の中、町道、道道975をつないで川北へ。
▼動画49秒
▼動画21秒 ▼動画46秒
時々川渡りのアップダウン等があり、川北の牧草地から武佐辺りの森に辺りは変わっていった。
14:10、武佐発。ここからは方向が変わって町道北19号、少し裾野の直登となる。相変わらず森と牧草地の中、正面の武佐岳に向かって一直線道路が続く。道には一直線の見た目より意外と斜度があり、なかなか前に進まないのはもう毎度のこと。やっぱり厳しいんだよな、と過去の訪問を思い出しながら納得。振り返ると彼方にちらっと地平線が見え、そっち方面に下りたくなってしまうのもいつも通り。
▼動画1分2秒
裾野を登り詰め、西南へかくっと方向が変わると、あとはいよいよ開陽まで一直線のアップダウンだ。辺りも川北の森から中標津の牧草地に変わり、ここまで高度を上げてきたのだけあって、開けた景色の向こうに時々地平線が現れる。
14時過ぎ、そろそろ光には赤い色のニュアンスが混ざり始め、午後の靄は次第に雲に変わり始めていた。
もう開陽台まで何度かのアップダウンだけ。道も牧草地と防風林の中を、助走を付けるように次第に登って下ってが大きくなり、その度に次第に高度が上がってゆく。
記 2007/9/14