(以上#4-2)
→(町道)依田→(道道238)札内→(国道38)明野→(国道242)利別
→(道道237)高島→(国道242)足寄→(国道274他)里見が丘 192km
札内川を渡ると大正だ。
大正は、去年も昼過ぎの似たような時間帯に立ち寄った、十勝中央の国道236沿いの町である。せっかくの帯広市内、去年美味しかった「CEVA」の豚丼でもまた食べたいところだが、今日はまだまだ粛々と進まねば。というわけで、補給はあくまで町はずれのコンビニで実用本位に済ませることに。
14:00、大正発。町裏手の農業高校脇から町道へ。今日みたいな平地ツーリングではあまり見かけない細さの道で、道に寄り沿って続くカラマツの防風林が楽しいが、平野部まっただ中の細道などあまり長く続かないのは、まあ当然ではある。
道道238へ移ると、例によって例の如く畑と防風林、一直線の道がずっと続く。白樺並木が続くのも帯広郊外らしい景色だ。道路脇には愛国町という地名と、「旧広尾道路」という道の名前の看板が度々現れた。昭和50年代に全国的に有名になったこの地名にぴんと来て地図を見ると、どうもこの道、旧広尾線跡のようだ。偶然だが、今回はこういうのが多い。
空の雲が切れ、辺りの畑や防風林が午後の陽差しに照らされて何となく赤くなり始めた。ずっと続いた十勝の風景だったが、行く手に山が近づき、農村というより住宅地という雰囲気の住宅が増えてきた。そろそろ札内である。
15:00、札内発。根室本線沿いの市道へ向かってみるが、地元の方によれば「道路工事のダンプが多い」とのこと。仕方無いので歩道も併用しつつ、国道38で幕別、明野へ。
明野からは国道242で利別、池田へ。特に好きでもないのに、ここ何年か使用頻度の高い道である。十勝への出入りは意外に経路が限られるので、どうしても外周部での経路も似てしまうのだ。何とか落ち着くコースを開発しないといけない。
15:55、池田着。ここまでいろいろと誘惑はあったものの、何とか目標の16時をクリアすることができた。この先も順調に進めば、宿でも余裕を持って夕食に臨むことができるだろう。
というわけで間髪入れずに道道237へ。利別川沿いの谷の、旧ちほく高原鉄道沿い、またもや廃鉄系の道だ。
▼動画43秒
去年も通ったこの道だが、様舞、近牛と静かな牧草地の1本道で、辺りはもうすっかり真っ赤っかの夕方の景色。条件反射で何となくおうちへ帰りたくなるし、実際あまりうだうだしてもいられない。
しかし平地主体だったので、ここまでの行動はペースに乗れている。安心して粛々と着実に行程をこなせば決して急ぐ必要は無いのだ。さっきまでの慌ただしい国道の後なので、尚更落ち着いた辺りの景色が楽しく有り難い。
16:30、高島着。さあこれから足寄まで国道242を40km弱。我慢できる範囲ではあるが、さっきまでより、そして今日通ってきた十勝の静かな道よりどうしても車が多い。夕方の谷の景色が同じように続き、ほんの少しの登り基調もあり、どちらかというと淡々と行程をこなす。
それでも過去に通った勇足、そして本別ではかつて見た景色が登場し、着実な行程の消化も実感でき、報われた気分にはなれた。
17:20、本別発。もう足寄まで16km、ちょっと腹も減ってきたが、ええいこの際一気に足寄まで行ってしまえ。。
仙美里辺りから周囲はぐっと田舎っぽくなってきた。
18:00、足寄着。国道243と276の交差点、初めて通った1986年から松山千春のイラスト看板がでかでかと描かれている土産物屋へ、補給も兼ねて足を停める。この看板、もう長い間デビュー時のもじゃもじゃパーマ&グラサンの松山千春だったが、今回はようやくスキンヘッド&グラサンの姿を拝むことができた。
土産物屋それ自体は17時終了なのか、何か食べ物にはありつけなかったが、自販機で缶飲料を飲むことはできた。まあもう宿も近いので、何もここで何か食べる必要も無い。
今夜の宿「民宿 陵雲荘」のある里見が丘は、足寄から標高差200mを登る国道276沿いの地名だ。町から登り始めてすぐの場所に「里見が丘公園」を地図で確認できたので、この辺りだろうと思っていた今日の宿だったが、ところがその里見が丘公園を過ぎても、肝心の陵雲荘は一向に現れない。
公園が終わり、道は山に突入し、けっこう長い折り返しを過ぎ、辺りがだいぶ薄暗くなってきたところでようやく「民宿 陵雲荘」の看板が登場。ところがその先はダート林道で、結局目指す宿は更に数10mも押し上げの後、ようやく到着できたのだった。疲れていて押しが多く、あやしい雰囲気で何度も地図を見直しはしたが、足寄から45分もかかってしまっていた。
最後は予想外の厳しい登りだったが、宿から見下ろす足寄の町、そして雲に半分隠れた雌阿寒岳と、眺めはとても素晴らしい。
「民宿 陵雲荘」では、案内された部屋がたまたま掃除がまだだったようで、虫の死骸だらけだったのには閉口した。そんなことも牧場の宿らしいと言えばそれまでではある。しかしそれ以上にいつものパターンで、日中の暑さが換気の悪い部屋に籠もって暑くて仕方無いのには参った。まあ南京虫さえいなければ、速攻で寝てしまえば何もかも関係無い。不満にかまけて睡眠時間に障るのだけは避けないと。
記 2007/9/7