北海道Tour06 #8-1
2006/8/18 浜頓別→豊富温泉

浜頓別→(北オホーツク自転車道)浅茅野
→(国道238)宗谷岬
(以下#8-2) →(広域農道・道道889)清浜
→(国道238)稚内
(以下#8-3) →(道道254)坂の下→(道道106)稚咲内
→(道道444)豊富→(道道84他)豊富温泉
  170km

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路 赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 4時から雲は厚いが、まあ今回毎度のこと、珍しくもない。夕べの雨はすっかり止んだようで、これぐらいの空模様なら上出来だろう。
 荷造りをして、身体に虫除けをたっぷり振りかけてから、おもむろに恐怖の倉庫に自転車を取りに向かった。雨上がりのしっとりとした虫好みのしそうな茂みは、しかしながら夕方と違ってほとんど虫がたかってこない。おかげで昨日のツーリスト夫婦のALPSをじっくり眺めることができた。

11 浜頓別から宗谷岬。稚内経由で豊富温泉へ 赤は本日の経路
21

 6:15、浜頓別発。まずは天北線跡の北オホーツク自転車道へ。
 国道238からそう離れずにほぼ並行するこの自転車道、浜頓別から終着の芦野まで20km以上あるが、途中の浅茅野を除いて周囲は全く無人の世界だ。道端には鬱蒼とした茂みと道に覆い被さるような森が断続する、ワイルド極まり無い自転車道だ。

 今回は特に早朝の突入なので多少心配である。まず浜頓別側の入り口からして茂みが道幅を覆い尽くしつつあり、かなり引いてしまった。

 草の茂みでがさごそ言うのはキタキツネか。森の中でがさっがさっと逃げてゆくのは鹿か。路面の獣の糞を踏まないように気を付け、間近でばたつく小鳥の羽音にもびくびくしながら、「熊出没」の看板に「シャレになってないよ」と思う。

 しかし前回2003年の訪問時に比べ、舗装路面の状態は悪くないように思えた。時々天北線の駅の遺構や、展望ポイントのつもりで置かれてある樹脂のベンチは、この天北線跡が風化して大地の営みに飲み込まれつつあるような印象も受けるが、自転車道としてそこそこ維持管理はされているようではある。

 山軽駅の遺構が現れると同時に、左手にはクッチャロ湖大沼を見下ろす展望が開ける。鬱蒼とした茂みや密林の圧迫感からほんの少しだけ解放される気分がして、いつも楽しみな場所だ。

 いつもこの道を通るのは曇り空の下なので、できれば一度は晴れの日に通ってみたい。青空を写すクッチャロ湖大沼、輝く緑の大地は見事だろうとも思う。

 しかし、よく考えて辺りを見回すと、やはりその展望以外は無人の茂み。自分を取り巻く不安な状況は何も変わっていない。

 瓢箪沼が見え始めたら、もう浅茅野だ。この先猿払まで自転車道は国道238から大きく逸れてしまう。そうでなくても、茂みの細道はいい加減心細くて仕方無い。ここらが潮時だろう。

 国道238へ戻ると、まだ朝早いからか、交通量はかなり少ない。

 さ風はやや向かい風気味だが、苦しいという程でもなく、のんびりと牧草地の拡がりやオホーツク海を眺めながら浜猿払、猿骨と北上。そろそろ今日も青空が見え始めていた。

 7:55、村営猿払牧場外れの道の駅さるふつ公園に到着。ここのソフトクリームは、道内でもかなり早い時期から有名だった。
 ようやく8時。道の駅自体の営業はまだだったが、道の駅のホテル併設売店は、都合良くホテルの客相手にもう営業を始めていた。以前ここでソフトを食べたのは確か1993年、もう10年以上も前だった。濃厚な牛乳の味というか、さりげないこしというか、記憶以上にソフトは美味しくなっていて、思わず2つ目に手が伸びる。<

11 鬼志別から東浦経由で宗谷岬へ 赤は本日の経路
21

 浜鬼志別で沼川方面への道道138と分岐すると、今までも少なかった交通量の半分以上がそちらへ行ってしまい、いよいよ国道238には最北の道らしいどこか寂しげな雰囲気が漂い始めた。この最果て感、どこの先端部でもそれらしい雰囲気が漂うのだが、不思議なものである。

 ところでこの最北の区間に来て、今日もそろそろ空は晴れ始めていた。真っ青なオホーツク海の海面間近に続くためか、太陽光線は厳しくてももはや涼しさしか感じない。まあこんな北まで来て暑かったら、かなり大変なことではある。

 知来別、苗太路と、台地の縁と海岸に挟まれた狭い岸辺に、漁村と国道238が細々と続く。10年以上前の記憶では、この先急に丘陵に駆け上がるはず。暗めの曇り空と強い向かい風で先行き不安だったのもあり、漁村の外れからいきなり豪快に始まるその登りにはぎょっとした記憶があった。

 今回は空が比較的明るいが、やはり東浦の漁村外れから始まる坂が遠くから見えた。まあそれでも地図を見れば、そんなに驚くほどの登りでもない。

 台地に登って密で閉鎖的な森をだらだら下り基調で抜けると、今度は笹原の丘が拡がった。

 前回1993年の訪問では濃霧に包まれて笹があることしかわからなかったが、こんなに伸びやかな拡がりがあったとは。▼動画1分1秒

 遠くの一番高い緑の丘には、巨大な風力発電プロペラが何十台も建っている。青い空に緑の丘、そして何だか文明の極みのような、いや、それだけに逆に心象風景のようにシンプルでシュールな風車塔の佇まい。少し立ち止まってその景色を見入ってしまう。眺めていると、それにつられて車が停まり、人が降りてくるのがおもしろい。
「新興宗教みたいだね」
と、どこかのおじさんに話しかけられた。なるほど、そういう風にも見える。エコ発電教か。

 その先で海岸線までまっしぐらに急降下。▼動画2分43秒 岩場に張り付く国道をてれてれ流せばすぐに辺りは再び大岬の漁村。

 ぐっると道が回り込んで、10:20、唐突に宗谷岬到着。

 前回感じた、夏でも霧に覆われて強風で寒い最北端の印象は、今日の穏やかな青空と穏やかな海には見あたらない。ひたすらのんびり、どこまでも果てしなく広々と伸びやか、優しい北の海岸がそこにはあった。その雰囲気だけなら時間など忘れてしまいそうだが、生憎スピーカーからがらがらの演歌が流れていて、やや気分はぶち壊し気味である。バイクの音もやかましい。彼らは静かな場所でやかましい音を出すのが気にならないのだろうか。きっと何とも思わないのだろう。

 国道の車溜まりみたいな駐車場みたいな狭い広場の奥に、あまりにも有名な錐型の最北端の碑がある。人が多いと記念写真に列ができるこの碑の前で、ライダー2名とチャリダー2名がうろうろと、お互いに牽制か遠慮か近づこうとしない。混んでたら記念写真なんていいやと思っていたが、つい有り難く先に写真を撮らせていただく。
 近くでは稚内警察署がライダー向けの安全運転キャンペーンをやっていて、いろいろ入った記念品を配っていた。その中の一人が自転車に詳しい方で、申し出ていただくまま、俗っぽい俗っぽいと思っていたはずの記念写真まで撮ってしまった。

 恥ずかしいのでもう出発しかない。とは思ったものの、「ラーメン」の看板に、またもや思わずつい道ばたの食堂に入ってしまう。以前はこういうところのラーメンなど食わないはずだったのだが、流れる演歌に毒されたのかもしれない。今日は大安売りだ。まあ、腹もそろそろ空き始めていたし、行程も8日目ともなると何でもいいからとにかく塩分が欲しいのである。
 食べたのは一番ゴージャスな、その名も「最北端ラーメン」。どう見ても基本要素は並でしかないのだが、エビ、カニがたっぷり乗っかっていて、その味が隅々に染みていてなかなかオイシイ。なるほど、こういうところのラーメンは美味しかったのか。
 まあこういうのも余裕があって悪くない。昨日宿を変更して良かった、と思った。

記 2006/10/1

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Last Update 2007/6/24
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