北海道Tour06 #8-2
2006/8/18 浜頓別→豊富温泉

浜頓別→(北オホーツク自転車道)浅茅野
→(国道238)宗谷岬
(以上#8-1)
→(広域農道・道道889)清浜→(国道238)稚内
(以下#8-3)→(道道254)坂の下→(道道106)稚咲内
→(道道444)豊富→(道道84他)豊富温泉
   170km

宗谷岬から丸山経由で稚内へ 赤は本日の経路
丸山の高台 宗谷岬とはまた異なるニュアンスの景色 RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

 さて、今度こそ出発だ。
 と思って地図を眺めたが、さっきの風力発電の丘が頭から離れない。いや、風力発電が見たいのではなく、何とも広々とした起伏、輝くような緑の丘が素晴らしかったのだ。ツーリングマップルによると、宗谷半島最北部のその丘を、舗装道道が横断しているのである。幸い天気はそう悪くない。この手の道のパターンだと、取り付きはまず間違いなくかなりの激坂に違いないが、それも続いたとしてせいぜい100m弱程度だ。今行っておかないと後悔したり、また宗谷岬に来なくてはならなくなってしまう。

 取り付きの激坂は、岬の何軒かの食堂外れから始まっていた。とりあえず取り付きだと思って、前輪の浮きを押さえながら頑張って崖の上に登ると、今食べたのより確実にラーメンが美味しそうな予感がする食堂と、その駐車場の向こうに更にその上に登って行く坂が現れた。
 汗だくになった頃、ようやく登りが緩くなると、宗谷岬肉牛牧場なんてのがある。なだらかな丘を利用して、肉牛を育てているのだろう。

 宗谷岬から登ってきた広域農道と道道889との合流点から、周囲は一気に開けた。

 ぐるっと360°、さっき国道238から眺めたとおりの緑の丘が連なる景色である。風力発電の風車群も見える。地図を眺めると、一番小高い丘には「丸山」と名前が付いているようだ。▼動画1分13秒

 風車群のある辺りは「丸山エコファーム」。なるほどあれほどの本数、やはりただの風力発電じゃないのである。

 牧草地や笹原や灌木帯、緑の丘の間に一直線に行く手の道が向かい、ぐるっと大きなカーブで谷を回り込み、丘の間に消えてゆくのも見える。

 その道の向こうから、時々観光バスなども登場した。さっきのツーリングマップルには、この道がかつてツーリングマップルの表紙にもなった旨が書いてあった。新しい宗谷岬定番コースといえるのかもしれない。

 しばらく緩い登りで丘の間を登りきった道は、やはり丘の間を緩々下り続ける。▼動画3分15秒 丘から狭い谷間に入ると、すぐに行く手に真っ青な海が見え、下りきった海岸際で再び国道238に合流。

RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4 13
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 道内ほぼ全域が大雨で大変なことになっているようだが、この道北最北部だけはオホーツク海高気圧の勢力内、強力な陽差しが照りつけているのだった。国道238沿いには鄙びた漁村や番屋が続き、さっきの向かい風は岬を回って向かい風となって気分はいいが、そろそろ今日も暑くなり始めていた。

11 清浜から国道238経由で稚内へ 赤は本日の経路
21

 切れずに続く漁村には、その名も宗谷という地名がある。地名は宗谷支庁の代表のようだが、実態は漁村に小学校やセイコーマートがあるだけである。

 じりじり厳しい陽差しが、開けた海岸に照りつける。オホーツク海から宗谷湾内に入ったこともあるためか、海には宗谷岬までのどこか物寂しい表情ではなく、色の濃い力強さが感じられる。

 見通しのいい湾内の陸続きに、稚内の賑わい、更にその先の野寒布岬も見える。富磯の先で漁村が切れると、陸側には漠とした灌木帯が始まった。背の低い森に見通しのいい宗谷湾、ぎらぎら照りつける陽差し、どれも外様のいち旅行者にはあまり取り付く島の無いちょっと厳しい表情だ。何だか砂漠にいるような気分である。
 更に湾を回って進行方向が変わっていて、いつの間にか始まった向かい風に耐えつつ、淡々と足を進める。

 稚内空港の先から声問、南稚内と次第に倉庫や工場や民家が増え、13:00、稚内駅通過。ずいぶん久しぶりの稚内だ。思えばこの駅も1996年以来訪れていないのだった。

 市街を通り過ぎる前に、適当なセイコーマートでちょっと休憩。雲は多いが、もう暑くて仕方ない。同じような緯度であっても、オホーツク海側と日本海側でこんなに気温が違うのである。そういえば、かつての訪問でも、宗谷岬まで霧と低温の行程だったのが、稚内ではいきなり激晴れ30℃になったのを思い出した。
 まあ暑くたって何だって、文句を言う暇があったら先に進まないといけないのである。

記 2006/10/1

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Last Update 2007/6/24
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