古丹→(町道)サッテキナイ→(国道243)弟子屈
→(道道53)上オソツベツ→(町道)中オソツベツ
→(国道274)標茶→(道道14)大別
(以下#4-2)
187km
今朝も4時過ぎに起き、地図を見て今日の行程を確認、4サイドに荷物を詰め込む。やることは毎朝基本的にこれだけで、しかも連泊ツーリング中ほぼ同じなのだが、起きてすぐのぼうっとした頭でだらだらやると、不思議にも毎回1時間以上も掛かってしまうのである。
荷物を積んで霧が掛かった裏手の牧草地を眺めてから、6:00、古丹「のんき舎」出発。
サッテキナイから国道243を南下する。辺りは見通しが悪いぐらいの霧が掛かっていたが、あまり涼しくない。いつもこの時間だと肌寒いこの辺りで、何とTシャツ一丁で全然大丈夫なのだ。昨夜「のんき舎」のご主人も「毎日暑くて死にそう」とのこと。
釧路川沿いの低く鬱蒼とした森、厚い雲で薄暗い牧草地を抜け、弟子屈へ。明日泊まる札友内の「鱒や」の看板も確認しておく。もう明日の夕方はここに戻ってきてしまうのだ。何だかあっけない。寂しくなってしまう。今回の道東はどんな景色を見せてくれるのか、とも思う。
しかし、悩んでも悩まなくても天気は水物。休暇期間内の出たとこ勝負でそれなりに楽しむしかないのだ。たとえどんなに暑くても雨でも。
6:50、弟子屈着。ちゃちゃっと補給後、道道53で当別川を渡って南側の弟子屈原野へ向かう。晴れると牧草地の緑が広々と伸びやかなこの辺りだが、今朝は相変わらず霧っぽい。
でも、この辺りも低い雲と地面の間に熱気が溜まっているようで、陽が当たらなくてもそこそこ暑い。ちょっと雲が明るくなってくると、一気に驚くほど気温が上がってしまう。
最栄利別、奥オソツベツへと、しばらく最栄利別川沿いの牧草地を、かなり緩いアップダウンとともに南下する。霧と牧草地と森と幅広の直線基調の道が淡々と続き、里の気配が絶えないぐらいに牧場が現れた。
鶴居方面から弟子屈へ北上すると、けっこうアップダウンが堪える印象があるこの道だが、どういうわけか今日はそう厳しいとは感じない。もしかしたら下り基調なのかもしれない。
上オソツベツで町道へ分岐、やや細くなった道で中オソツベツ原野へ。中オソツベツからは国道274と合流する。3差路から始まる幅広道は国道274の鶴居方面、去年も通った道だ。その反対へのあやしそうな狭い道が、これから向かう国道274の標茶方面っぽい。こういうときに地図入りGPSは圧倒的に便利だ。
ちなみにこの国道274、初日の日高町、2日目の鹿追、そして昨日朝の士幌〜芽登と、それぞれ全く違う表情と性格の道として、今回毎日どこかで出会ってきた道である。
オソツベツ川沿いのアップダウンでは、相変わらず森と牧草地と湿地の谷渡りが、標茶の手前まで続く。この辺り、釧路湿原際のためか、丘陵の景色もやや漠々として単調なのだ。
標茶到着は9:05。だらだらペースの結果、予定より多少延着気味ではある。おまけに頭上の低い雲と蒸し暑さ、天気も気分も冴えない。ついだらだらコンビニ休憩にかまけてしまうと、また時間が過ぎる。
釧路川谷間の標茶から、東の台地を東南へ向かう道道14へ。上チャンベツ、中チャンベツへ続く谷間、静かな牧草地に道が続く。
さっき標茶ではかなり霧っぽかったのが、台地の縁を越えた辺りから急に雲の中が明るくなり、青空が見え始めた。今回毎日ほぼ同じパターンで、今日もそろそろ10時過ぎ。これからどんどん晴れるのだろう。
10:15、道道14が国道272と交差する下チャンベツで少し休憩する。
この道道14は、初めての北海道ツーリングの1986年、まだ国道トレースばっかりだったコースの中で、開陽・養老牛・虹別の1本道と共に一番印象的だった道だ。初めて通る根釧台地。アップダウンの牧草地、ほぼ皆無の交通量、ダートにスノーシェッド、そして所々で拡がる地平線、そしてぎらぎら照りつける太陽光線。
その途中、唐突に現れた集落と道が交差するだけの交差点が下チャンベツだった。周囲には数軒の集落と学校と農協の商店だけ、確か信号機も無かった。久しぶりに訪れてセイコーマートが建っているのに仰天したのは、99年のことだった。今は民家の佇まいもすっかり今風に変わっている。
そんなことを思い出しながら、交差点のセイコーマートへ。ここ2年お馴染みのテーマソングと、普通の流行歌が変わりばんこのBGM。いつものおにぎりにオリジナルコーヒー、ヨーグルト等を毎度同様に仕入れる。外が暑いので冷房もウレシイ。外は根釧台地のまっただ中でも、店の中はほぼ全道共通だ。何かほっとするような気もするピットインである。ついセイコーマートのテーマソングをぶつぶつつぶやきつつ、とりあえず流体系のヨーグルトとコーヒーは腹へ。固体のおにぎりはフロントバッグへ。
今まで谷間を辿ってきた道道14は、下チャンベツから先、丘の上の道となる。
セタニウシ、大別とずっと牧場が続くのは今まで通りだが、比較的易しめのアップダウンとやや掘りの深い地形は程良くダイナミック、何より所々でぐるっと地平線が見えるのが最高に楽しい。
展望それ自体はあまり良くない多和平より、よほど地平線が楽しめる道だとすら思う。初訪問時からから印象的な最高地点のスノーシェッドも、記憶通りである。
記 2006/9/18