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ここから去年通った道をほぼトレースすることになる。とりあえずの想定タイムリミットが15:00だっただけに、ちょっと嬉しい。しかし、今後もちょっと見込み違いがあれば、宿到着はずるずる遅れるだろう。
とりあえず今後も寄り道無しの国道260新道1本槍で行こう。
去年細道旧道で時間が掛かった万座浦を、トンネルであっと言う間に通過。
古和浦を過ぎると、また新ルートの桑篭トンネルだ。
しかし、去年突如現れて驚いた12%激坂は、今年も無くなっていなかった。
錦からもう一発トンネル越えで、16:50、紀伊長島着。
想定タイムリミットは17時なので、さっきの河内から10分早着の状況は変わりは無いようではある。しかし、河内からここまでの距離と坂をこなした後の10分早着なので、だいぶ精度の上がった10分早着だ。宿到着時刻は18:30、去年紀伊長島から尾鷲まで1時間半強だったので、順当に走れば宿到着はほぼ予定通りだろう。
ほっと一息付いて、宿に到着予定時刻を電話する。気が付くと、去年1度見た周りの懐かしい景色が、夕方の赤い光に包まれつつあった。
ここからいよいよ恐怖の国道42だ。交通量と大型車の量が今までと全然違う。道も埃っぽい。
しかし、この国道42は歩道が自転車通行ほぼ完全対応なのだ。並行する旧道のトンネルも、歩行者・自転車専用トンネルに再整備されている。
狭いトンネルには照明も付いている。トンネル内は煉瓦積みだったり、素堀モルタル補強だったりしてなかなか面白い。
馬瀬で脇に逸れる細道へ。いよいよ今日の宿泊地、尾鷲市須賀利へ足を進める。この須賀利は、熊野灘に飛び出した釣り針形半島の先端にある。半島の大部分は陸続きの海山町だが、山の裏側だけ海を挟んで向かう尾鷲市に入っているのである。
県道734から矢口浦へ。もうほんの少しだと思っていると、意外な丘越えトンネルのアップダウンがいくつかある。
その度ごとに丘越えから降りる海岸の景色の素晴らしいこと。
深い湾の尾鷲方面、太平洋側、半島のあっちとこっちで拡がる海岸。どこも夕方の淡い光の中で寂しそうな雰囲気が漂い始めているが、打ち寄せる波は力強く熱そうだ。永久動力という言葉を思い出し、この地球で波はいつから岸に打ち寄せるようになったのだろう、等とも思う。
矢口浦で県道202となった道は、須賀利まで何と2回のアップダウンがある。両方ともトンネル含みの本格的な登りだ。
最後の漁村、島勝浦からの登りはなかなか堪える。しかしその分、鏡のような海面もシルエットの海岸も、すっかり曖昧な中間色に変わった熊野灘の眺めが素晴らしい。また足が停まる。
最後にトンネルを抜けると、原生林の不気味なだらだら下りだ。下りきって辺りが拡がり、目の前に須賀利湾が現れたところで、民宿笹丸到着。予定より5分遅れで18:35だった。国道42からこっちへ来てから、海岸で寄り道をしすぎた。
風呂に入って夕食に。狙い定めてお刺身オプションを付けてもらったつもりが、意外にもイシダイにカツオ、イカのお刺身が別に付いたぐらいなのも、素朴な民宿らしい。疲れていたせいかその夕食と一緒に飲んだビールが回り、食後はすぐ意識不明に。
記 2006.5/7