紀伊半島Tour06 #1-1 2006/5/5 松阪→須賀利 |
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松阪→(県道756・37・428・市道他)伊勢 |
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5時半過ぎに外へ出てみると、晴れの予報とは裏腹に高めの雲で空が覆われている。まあ雨の気遣いは無く、寒くもない。陽が昇ったら、これぐらいの雲はどこかへ行ってしまうのだろう。
5:50 松阪発。
JRと近鉄の陸橋を越え、狙い定めて伊勢街道へ。宿が去年と同じなら、道も少しの間去年と同じで、細めの静かな道に昔ながらの家並みが続く楽しい道だ。
去年曲がった伊賀町から先も、早朝のためか車も人通りもあまり無い。家並みはしばらく続くと田園風景になったり、また家並みが続いたり。絵に描いたような旧街道である。
斎宮では、史跡斎宮跡の斎宮の森に建つ「いつきのみや歴史体験館」に立ち寄る。
この建物は、以前から一度見たいと思っていた木造の体験学習施設である。入館自体は無料だが、まだ6時半前、中を見ることはできない。しかし外から眺めただけでも、作者の広瀬鎌二さんのシャープで骨太、伝統とモダンが一体となった研ぎ澄まされたプロポーションをたっぷり味わうことができた。
ここ斎宮の森だけではなく、伊勢街道沿いには由緒ある寺社が数多く残っている。丁寧に回れば、1日伊勢街道で過ごすことができるだろう。
明野で道の角度がちょいと振れ、宮川を渡ったり、伊勢市手前ででたらめに方角現状合わせの細道を辿って、伊勢市の街中で県道32に合流。
間もなく、目の前に伊勢神宮の外宮、豊受大神宮が登場した。あの伊勢神宮である。もともと寄るつもりは無かったが、これだけばっちり遭遇してしまうと、斎宮様が「折角だから寄っていらっしゃい」と言っているような気もする。
この際守衛の建物に自転車を停め、ここも寄ることにした。
深い森の参道に「ちょっと時間が掛かるか」と覚悟したが、お目当ての御正殿まではいくらもなかった。写真撮影不可で、屋根の形がちらっと見えただけだが、そこにはあの独特の形と、この手の建物に漂う特有のテンションがあった。
7:15、伊勢発。こうなるとちょっとだけ離れた伊勢神宮内宮、赤福本店や食物系テーマパークのはしりとして知られるおかげ横町なども見たくなるが、今日はまだ先が長い。次回の宿題にしよう。
近鉄線沿いの軽い丘越え、県道37は意外にも静かな道だ。田圃に低山、一杯の新緑が嬉しい。この頃になると陽射しも少しづつ現れ始めていた。
鳥羽手前から片側2車線の国道42に合流。エメラルドグリーンの海も見え始めた。少しの間広い道幅をぶっ飛ばす自動車を我慢し、7:50、鳥羽通過。リゾートホテルに観光施設で華やか極まり無い町を過ぎ、町外れから県道750へ。
取付の安楽島辺りは、しばらくあまり落ち着きの無い県道だったのが、何度か海岸沿いのアップダウンを繰り返し、いつの間にか周囲の雰囲気はぐっと落ち着いてきた。
緑の森の道、見下ろす紺碧の入り江。これこそ今日見たかった景色のイメージ通りだ。
生浦湾では、ここまでの看板で見覚えのある形の麻生の浦大橋が登場した。有料道路の県道128、パールロードがここから始まるのだ。
有料道路ではあるが、入口に料金所も何も無い緩めの有料道路のようで、何と無く橋を渡ってそのまま入り込んでしまった。
でも、今日の目当てはパールロードではない。この先細道県道になって続く県道750である。
そこで、すぐにパールロードを降りて県道750へ入り直した。
本浦、石鏡、国崎町と小さな港を結んで、切り立った崖の上の森に県道750のくねくね細道が続く。際限無いアップダウンが続くのはこの手の道にありがちだが、港から登ってしまえば斜度は比較的安定する。
道を覆い尽くすような新緑は勢い良く、頭上から差し込む木漏れ陽が気持ちがいい。木々の間からはちらちら青い海が見えた。
所々で開ける断崖絶壁の景色は荒々しく、濃紺の海、明るく深い新緑、ちょっと赤っぽい岩に青空、新緑と色鮮やかで、その岸や小島が遠くに霞んで続いてゆく。
視界が開けたかと思うと周囲は森の中になる。どういうわけか路上に覆い被さる広葉樹からは、芋虫がぶらぶら垂れ下がっている。とても避けられないほどの密度で垂れ下がっている場所も多く、気が付くと体中芋虫と芋虫の糸だらけになってしまっていた。
記 2006.5/7