村松→(県道17・町道)安出→(県道226)下大谷→(国道290)滝谷 |
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今年の冬は雪が多く、どこもかしこも積雪や通行止めで何かと出かけにくかった。その反動で、3月下旬から毎週末出かける状態が続いたため、細かい計画を延ばしたまま、気が付くともう連休直前。紀伊半島の宿はそれでもYHで何とかごまかして、あとは勢いでコースを立てた。
しかし、頸城にはYHが無い。おまけに6月初旬にまだ雪が残っているこのエリア、5月初旬は県道クラスの峠は冬季通行止めのままである可能性が高い。計画には注意を要する。ぐちゃぐちゃ考えていたら、また時間が過ぎた。結局、宿は一人部屋が何とか空いていた旧大島村の「庄屋の家」に決定。いや、残り物みたいな書き方になったが、この宿は良い宿なのだ。ただ、前回もここに泊まったというだけだ。
その予約時に積雪状況を聞くと
「場所にもよりますが、宿近くの除雪してない場所で1m積もっています」
とのこと。嘘だろう。30cmの間違いではないか。しかし、聞き直しても1mとのことだった。
いつもより出発は遅くて、7:25、村松発。まあこんなもんで十分だろう、今日は平地が多いのだ、と考えていた。
まず愛宕原・安出・戸倉と町道を経由して加茂市へ向かう。
山間の農村は田植えの真っ最中で、泥水の田圃に蛙の声が残雪の白山をバックに響きわたる。爽やかだが決して冷たくない空気が、いかにもこの時期らしい。そういえば昨夜は時々暖房を入れるぐらい寒く、夜明けには出発も危ぶまれたのが、太陽が出ると同時に気温がぐんぐん上がったのだった。
下大谷で国道290に出て更に南下する。国道とは言え多少幅が広がって車線が2つになっただけで、交通量や沿道風景はのどかな蒲原山間の農村風景で、今までとあまり変わらない。途中の楢木峠はなだらかな丘に広めの道、ちょっと大味なアップダウンが続く。
その楢木峠付近では、まだ真っ白な越後山脈が姿を現した。昨日実家付近で山の間から見えた飯豊山の凛々しい姿を思い出した。
下りきって下田村中央部、五十嵐川を渡る。谷が拡がって、ここから先川に沿った国道289は交通量が多い。そこで川の反対の村道から三条へ向かった。
9:10、如法寺発。三条から先も、山沿いの県道伝いにしばらく南下。
越後平野の向こう側に移らないといけないので、何とか交通量の少なさそうな国道403で信濃川を渡るべく、帯折・坂井町・中之島と、田植え直後の田圃の中の島のような集落をつないでゆく。
確かこの辺りも、去年は台風で大きな水害に見舞われた。だだっぴろい田圃の集落はどこか南洋の諸島のようで、確かに防災の重要さを納得。
北側からやってきて県道とぶつかって直角に曲がり、そのまま合流した県道を乗っ取って続く国道403は、果たして平野部の国道にしちゃ交通量はかなり少ない。新潟市から新津市辺りだと、ほとんど自動車専用道のようなバイパス区間を始め、かなり交通量の多い道なのだが、そう距離が離れていないこの辺りに来るまで、こんなに交通量が減ってしまうのだ。まあこの先川西や松代辺りでは更に交通量が減り、交通量皆無になってしまうのだが。
その合流点からすぐ先で渡った信濃川の、濁流溢れる満水状態にはびっくり。雪解け水なのだ。今日は小川から日本最長の信濃川まで、あちこちで迸るように勢いが良い。
与板の町・長岡の東側・関越自動車道をかすめて南下する国道403の周囲は、程良く鄙びていて変化がある。景色は退屈しないが、さっき平野に出た辺りから強めの向かい風が吹き始めていた。坂道で進まないのとは根本的に違い、向かい風で進まないのは何か苦労が報われない。
11:20、深沢町発。国道403はここから渋海川の谷間に入り込む。渋海川と言えば川西・松代・大島の中心から深坂峠下の谷へ遡る、毎度の頸城ツアーでお馴染みの川だ。まだ越路町だが、国道403に渋海川、出てくる地名ももうすっかり東頸城丘陵を連想させる。実際に1/5万図はもう岡野町に突入しているのだ。
田圃の拡がるそう広くない谷には、信越本線と共に中途半端に交通量が少なく中途半端に埃っぽい道が続く。
塚山からは信越本線が離れて、山に挟まれて田圃や畑が拡がる狭い平地はより静かな雰囲気になってきた。
記 2005.5/16