紀伊半島Tour05#2-2
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(以上#1) |
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9:00、大里トンネル手前で、分岐する県道229へ。山間にくねくね曲がりくねった谷間の里をつなぎ、国道425へと向かう。
谷間は狭いのに谷底はなだらかなのが紀伊半島の谷の特徴だ。その分、斜面を登り始めると坂は急である。この谷もその例に漏れず、狭さ、川の雰囲気の割には緩いと言える登りである。
また、登りがあまり急ではないためか、谷によっては意外なほど奥まで集落が続く。この谷も畑や集落や、あまり長い間人の営みが途切れることが無い。
9:20、浦向の外れで、いよいよ国道425に合流となる。噂通り今までの県道229より余程狭く、同じ紀伊半島の狭小国道等と違って道にそれっぽい雰囲気すら無い。元林道ということだが、むしろ林道そのものである。
合流点の少し先辺りから集落が途切れ、坂が次第に急になってきた。それもそのはず、この後そんなに長くない距離で一気に標高800m台後半まで登ってしまうのである。そんなことを考えていると、やがてつづら折れが始まり、谷底から一気に離陸するように道の高度はぐんぐん上がっていった。
谷が狭いのと山が高いので、途中の山深い眺めは素晴らしい。きょろきょろ見回していると、行く手のかなり見上げる部分に、何ヶ所かガードレールが見えた。え、まさかあれじゃないだろうと思って地図をよく見ると、どうもこれから向かう道のようだ。それにしても、見える一番上のガードレールと、その次に見える部分と、自分が今いる地点の高度差がありすぎる。ちょっと非常識なほどの標高差だが、なにしろ地図での平面距離で標高差300m以上、あれぐらい上なのかも。
結局その後、その高度差をつなぐような厳しい登りが続いた。激坂を登っていくうちに、さっき下から眺めた部分は次第に近づき、間違いなくこれから向かう道のようだということがわかってきた。一方、地図には載っていない林道らしい道が、国道425よりかなり高い位置にあるのも見えた。
登るとともに、季節が逆行するように新緑の色は薄くなり、そして新緑というより芽吹きの状態が目に付くようになってきた。それでも辺りに鳥の声はよく響いている。
登りが厳しい分、折り返しながら急斜面に張り付く激坂から、今まで通ってきた谷間が見える。落差が大きいので谷底はよく見えない。新緑に彩られた渓谷は折れ曲がって隠れてしまうが、その落差、杉と広葉樹の斑の山々がど迫力だ。
11:00、白谷トンネル通過。
見下ろすと足下が心配になるほどの標高差があった向こう側の谷と較べ、こちら側の谷はそれほど落差が激しいということはない。それよりも余裕を見たと思っていた時間設定に対し、多少時間が押し始めている。まあいくら何でも12時までには下ってしまえると思うが、ここは早めに下ってしまおう。
記 2005.5/6