2005.11/26
|
|
沼津→(国道414)多比→(県道17)木負 |
|
三島での新幹線から東海道本線への乗り換えはたった5分。三島の通路は新幹線各駅中最悪級で、細長い通路が1本しか無い。このため、始発こだまの乗車位置には気を使う必要があった。ところが、ここで間違いを犯してしまった。
インターネットの案内で階段がホーム中程に描かれているのを鵜呑みにして7号車に乗ってしまったのだが、実際には一番便利なのは14号車なのだった。このため、東海道本線の各停乗り換えは首の皮一枚。同乗のしらまり夫妻にkiyonagoさんには大いに迷惑を掛けてしまった。この間違い、実はほぼ毎回犯しているように思う。
沼津港から土肥へ高速船でワープするしらまり夫妻、kiyonagoさんと駅前で別れ、7:45、沼津発。
さっきの三島乗換が慌ただしく、あまり駅の外を見なかったが、天気は快晴である。しかし気温はそう高くない。沼津から半袖で走れた去年と違い、フリースを着ないとやってられない。この後、西伊豆スカイラインが少し心配ではある。
沼津の町並みはすぐに漁村の家並みに変わり、やがて道の海側が開けると、もう淡島辺りである。海からぼこっと飛び出した小島や陸側の低山に、常緑樹の濃い緑の中、鮮やかな紅葉が目立つ。去年は記憶に無い鮮やかさである。
沼津から国道414として南下してきた海岸通りの1本道は、多比で修善寺方面へ向かう国道414と分岐、県道17と名前を変える。海岸線の通りに道の方向も概略西に変わり、鏡のように静かな内浦湾の落ち着いた内海、その向こうには海面からすうっと浮かび上がる、巨大な富士山が登場する。今まで多かった車が急に途切れるのもあって、ようやく落ち着いてその姿を拝めるようになる。
今日の富士山は、12月前にして何だか雪が意外な程少ない。確か去年は山の上の方がもう真っ白だったが、今年は頂から細く白い筋が走っているだけだ。
その富士山の裾から下は、ちょっとどろんとした感じの霞が溜まっている。霞は陸地全体に拡がっていて、去年一望にできた南アルプスが今年は全く見えないのがちょっと残念だ。
長井崎の旧道を海沿いにぐるっと回り、木負からいよいよ戸田峠への登り開始である。
西浦河内川沿いに集落の中からミカン畑へ。朝の陽差しが畑のミカンを鮮やかに照らしていて、美味しそうだ。
ミカン畑の奥で道はくるっと向きを変え、何度かの短いつづら折れを経て山肌の森に突入。
比較的密度の詰まった森、開けた茂み、ぐいぐい登る箇所と比較的だらっとした登りの箇所が代わる代わる現れる。
広葉樹は程良く紅葉し、茂みのススキは真っ白。しばらく長い長い登りが続いたが、あまり退屈しない。
尾根道っぽかった坂道は、途中から山腹を巻く下り基調の緩アップダウンに変わった。この期に及んで道が下り始め、方向もあらぬ方向へ進んでいるような気がして、少し心配になった。
しかし、時々「市民の森」の標識と共に「西伊豆スカイライン」の標識もみられ、あまり露骨におかしな方向へむかっているわけでもなさそうではある。地図で位置を確認すると、ちょっと山腹くねくね気味の細道のようだ。
やがて唐突に広い道への分岐が登場。なるほど、1/5万に載っていなくて新版ツーリングマップルに載っている幅広の道がこれだろう。ほんとはツーリングマップルを信用するとしてやられることが多いのだが、今回は大丈夫だろう。何故なら、1/5万に載っていない戸田峠北側のトンネルを、去年の訪問で確認していたからだ。新版ツーリングマップルにはそのトンネルとトンネルに登ってゆくこの道が、ちゃんと載っているからだ。
さっきまでの林道とはがらっと表情が変わり、頭上が開けて山腹を豪快にのたうって行く道は、狭い林道から突如分岐するためか、交通量はほとんど皆無なのが有り難い。しかし、幅が広いのもあり、なかなか登ったというか進んだ気がしない。
次のカーブ、次のカーブと少しづつこなして登ってゆくに連れ、いつの間にか空には雲が拡がり始め、暖かかった日差しが隠れ始めた。この先もっと登るのに。
山腹をのたうっていた道が尾根を巻くように進み始めると、ようやくトンネルに付いた。その凄く短いトンネルの向こうに、せせこましさに見覚えがある戸田峠が登場。峠の向こう、そのまま正面の達磨山の肩へと続く山腹を、西伊豆スカイラインが回り込むように登ってゆく。
その上には、大きいぼてっとした雲が、もくもくと重そうに空を覆い始めていた。
記 2005.12/8