北海道Tour05 #4-3
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(以上#4-2) |
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まずは芭露峠。登りっぱなでは自衛隊の駐屯地が物々しく、ちょっと閉鎖的な谷間は同じく演習場脇を遡る。
峠を越えて山を抜けると、緩やかな丘に畑や牧草地が拡がった。やはりこういう北海道らしい景色の中をのんびり走るのは気分がいい。が、かなり横風が厳しくなっている。どうやら昨日悩まされた風と同様、サロマ湖のすぐ外側のオホーツク海から北風が吹いているようだ。
上芭露では1/5万図で黒実線、ツーリングマップルで白細道の志露峠を覗いてみた。この道をうまくつないで、お手頃丘陵横断コースを描くはずだったのだ。ところがその実態は、農家の庭先から畑の中へ続く細ダートで、すぐ山裾の森へ消えている。何だか通り抜けには難儀しそうで、あまり意外な展望も無さそうだ。おまけに不用心に細ダートに入り込むと、このご時世熊が心配なのである。ふと気が付くと、地図を眺めてうろうろするあやしいおやじを警戒しているのか、近所の子供がちょっと離れて胡散臭そうにこっちを眺めている。
ここは大人しくサロマ湖岸の芭露へ向かうことにした。
サロマ湖岸の幹線国道238は、今日通ってきた静かな道道よりも交通量が圧倒的に多い。いたたまれずたまらない気分で少し進んで、途中で見つけた月見ヶ浜道路へ避難。
湖岸の細い舗装道路には誰もいない。こっちだと国道の意味無いアップダウンも迂回できて非常に都合がいい。
冴えない曇り空の下、曖昧な鉛色で空を写すサロマ湖は、間近で見てもやはりどろんとした池みたいな湖だ。サロマ湖を好きな人もいると思うが、個人的には何故かいつも全面的に冴えない印象の湖である。
計呂地から道道685で再び内陸へ。丘陵ポタももう一花ぐらい咲かせたい、という未練の残る時間帯だ。
拡がった谷間や丘には再びとうきび畑が拡がり、今までの向かい風もクリアされて、気分は上々である。若佐までショートカットするこの道を重宝するのか車はやや多めだが、まあそれも許容範囲内程度だ。ただ、そろそろ16時を過ぎてしまった。宿に向かうことを考えると、若佐まで行ってしまうわけにはいかなさそうだ。このままちょっと丘陵を横断して佐呂間へショートカット、その辺りで撤収というところが適当だろう。
適当な脇道から道道685の谷を挟む丘を越えると、若里の静かな集落である。
曇りのせいもあって周囲は早くも暗くなり始めてきたが、畑や牧草地が続く丘は適度は起伏が続き、適度に景色に変化がある。
薄暗くない晴れの夕方だと、きっとあちこちで見事な景色が楽しめるだろうと思う。
丘陵を下りきって、17:10、佐呂間着。サロマ湖の方が有名だが、そのサロマ湖からは20km以上も離れている谷間の町だ。
ここから先は夕方の佐呂間別川沿いの広い谷間を急ぎ、18:15、サロマ湖畔YH着。
楽しみにしていた夕食のホタテ尽しメニュー「ホタテ倶楽部」は、お盆の休漁でどうしてもホタテの調達ができなかったとのこと。それでもありったけのホタテをかき集めてくれたようで、おかげでホタテ料理を楽しむことができた。
夕食後、外に出てみると、なんだか妙にむっとして涼しくない。あれだけ北風が吹いていたはずだが、なかなか微妙なものだ。でも、茂みの中から聞こえる虫の声が、もはや紛れもなく初秋の雰囲気である。
記 2005.9/17