北海道Tour05 #3-3
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(以上#3-2) |
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14:00、「大曲」の標識と共に道北スーパー林道の歌登側出口が登場。すぐに天の川トンネルの牽牛広場着。この天の川トンネルは、美幸線用に掘られた未完成トンネルを転用したトンネルで、徳志別川・フーレップ川の間の小山をショートカットする。旧道はけっこう大回りの山越えだったので、交通量は別にして、なかなかその効果は高い。
天の川トンネルの向こう側、フーレップ川の谷間の森の表情はかなり山深いが、似たような森と、だらっとした登りが長い間延々と続く。
最後の西尾峠も斜度が少し増すぐらい。峠手前で少し平坦部が続くのも、何だかじれったい。
ようやく「西尾峠」の大きな立札を過ぎ、しばらくまた鬱蒼とした森とだらだら下りが続いた後、ようやく仁宇布の牧草地が拡がった。
仁宇布の盆地は、このルート中一番まとまった規模がある。山間の志美宇丹などより、牧草地の広がりにも明らかに里の雰囲気がある。その牧草地の間をまだもう少し下り、ようやく15:25、仁宇布着。
とりあえず自分で決めたタイムリミットの16時はクリアできた。美深からボリュームの掴みにくい山間のアップダウンが続いたが、これでこの後に向けての気分が楽になった。
仁宇布の中心、道道120と道道49の交差点の軽食土産店「コイブ」は今日も営業している。歌登からずっとここのカレーを楽しみに走ってきて、それ以上に腹も減っている。満を持して羊カレー大盛りに望もう。
曇り空ではあるが、涼しい風の中での食事は気分がいい。大盛りにしてもらったカレーはほんとに大盛りだったが、毎度の自転車効果で、我ながら驚くペースで一気に平らげる。返す刀でソーセージホットドッグも注文、これがまた美味しい。
食べる物を食べると、まあそれなりに時間が過ぎている。あまりうだうだしていられない。15:50、仁宇布発。
白樺並木の道道49をだらだらっと登り、16:20、美深松山峠着。さっきの仁宇布以北と比べて何となく森が密実で木々は逞しく、森の表情はちょっと変わったように思う。
美深松山峠を下る途中から霧雨が降ってきたが、雲は高いし空はそんなに暗くない。
その下りから幌内越峠への道が分岐、間髪入れず登りが始まる。まあ、そうボリュームのある登りではない。
さっきの霧雨もすぐ止み、17:05、ピヤシリ山からの奥幌内本流林道を横目で眺めつつ、幌内越峠着。
もうこれを越えたら今日のコースの勝負は付いたようなものだ。広葉樹の巨木がにょきにょき聳える笹原は原生林とのこと、今までにも増してこの歌登からの道では一番迫力がある峠だと思う。
一方、この先下り斜度は緩さの極みで、下川まで標高差200mを26kmもかけて下るのである。でも、もう何も考えずに下川を目指すのみだ。
山腹の原生林から谷間に下りて多少雰囲気の変わった森を抜けると、周囲は一気に拡がって、なだらかな谷間の平野の牧草地になった。サンル牧場だ。
下るに連れて、下り斜度は更に緩くなり、狭くなったり広くなったりする谷間に、段丘部の森を挟んでサンル牧場の牧草地は延々と続いた。峠では霧雨っぽかったのが次第に雲が高くなり、下川まであと数kmの地点では、雲が切れ始めた。めでたしめでたしだ。
下川手前、突如谷を挟んだ山の中腹に、けっこう立派な道が現れた。あんなのまだ地図には出ていない。
18:15、下川「牧村旅館」着。国道から少し町中に入った場所でバスターミナル徒歩3分とのことだったが、実際に着いてみるとかつての駅前通に面している。かつては駅前旅館だったのだろう。
「今日は北風で大変だったでしょう。秋の風が北からやって来たみたいですね。天気も夏の空気と秋の空気がぶつかって、ちょっと雲が多いですね。まあ雨は降らないでしょう」
と旅館のおやじさん。なかなか自転車客慣れしている。
さっきの下川手前、山間の道は、ダム建設の迂回路らしい。何とだらだら下りのサンル牧場が丸ごと谷底に沈むのだそうだ。
記 2005.9/8