北海道Tour05 #3-2
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(以上#3-1) |
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美深から先咲来まで、そう広くない谷間にはコースの選択肢が無いので、国道40と国道275の併用区間を使う。道の表情は2桁国道のそれへとがらっと変わるものの、さすがに道北もこの辺りまで来て、交通量がサイクリングの許容範囲程度まで減っているのが助かる。が、今日は既に向かい風と暑さのダブルパンチが炸裂している。
鋭い日差しに照らされ、開けた広い谷間が明るく鮮やかだ。景色だけならいかにも北海道の夏らしい。
9:40、道の駅びふかアイランド着。以前何度か泊まったびふか温泉もここの奥にある。いつも楽しみな道の駅の目玉商品、粗挽きウインナーとコロッケを食べないと。見ているとどんどん売れている。ついでにソフトクリームも注文。
向かい風と暑さで、いい加減うんざりしていた。更に恩根内辺りから、谷が狭くなって連続アップダウンが始まった。
こういう時の常で、頭がぼうっとして眠くなって、居眠り運転寸前になってしまっている。まずい状況だが、それでもとりあえず最低限進み続ける必要がある。つらい道程だ。
10:30、咲来着。国道から道道220に分岐、咲来峠を越えて歌登へ向かう。その先へ進む希望もあったが、今日は歌登折り返しが関の山かもしれない。
標高差わずか100m程度をだらだらっと登って下る咲来峠だが、峠の向こうはもうオホーツク内陸だ。そのため、天気の雰囲気が名寄や美深とはかなり違うと期待して何とかここまで来れた。果たして、咲来峠を越えると急に空気が冷たくなった。向かい風は続いているが、谷間の向きで北風が遮ぎられるようで、さっきまでの国道40よりかなり快適になってきた。
静かな牧草地に廃屋の目立つ平野。もうすっかり道北の内陸らしい風景が続く。
咲来峠から最初の集落、本幌別からは、ペヤマン農免農道が分岐している。このペヤマン農免農道はほんの少しの登り返しと遠回りで、いずれこの道道220と再合流するのだ。この道には何となく何年か前から惹かれていた。別に有名とか評判が高いような道ではない。単純に名前が面白かっただけだなのだが、今回こそこっちへ足を進めてみようとちょっと楽しみにしていた。
しかし本幌別へ着いてみると、そのペヤマン農免農道への道はあやしそうな細ダート、しかも「通行止」。何となくろくな結末にならないように思えた。結局そのまま先に進んだ。
順当に谷間の平野は広がり、その分再び向かい風が強くなってきた。トウキビ畑の中で荒れた舗装のペヤマン農免農道と合流、更に道道12に合流。
12:35、歌登着。いつもの歌登のように空気は更に涼しく、雨の心配が無いぐらいに高い雲で空は覆われていた。半分ぐらい青空だともうすこし気分もいいが、まあ暑くない方が良い。
市街地東寄りのセイコーマートで例によってちゃちゃっと補給後、12:45、歌登発。
ちょうどタイムリミットだ。今後は道北縦貫道道こと道道120・道道49・道道60で、志美宇丹・上徳志別・仁宇布・上幌内と経由、今日の宿のある下川へ抜ける。ここ最近、道北に来ると必ず訪れる既知の道なので、当りは付く。概略南向きの道程なので、向かい風からも解放されるだろう。
さっきの薄曇りはもう少し厚く、薄暗いぐらいの曇りになっていた。集落もまばらな山間の谷間をつなぎ、道北内陸を南下するこの道、天気の悪化はちょっと不安だ。
歌登の開けた平野から、目視でわからないぐらいの登りが続く。相変わらずペースは出ないが、向かい風はほぼ止んでいるので気分は軽い。
平野の縁を越えると再び谷間が開け、山間の集落志美宇丹へ。
だいぶ廃屋も目立つ牧草地が青々と広々と、道北の片田舎らしい風景がもう少し狭い谷間の上徳志別へ続く。
谷間が狭くなると、一度志美宇丹で谷間が拡がって目立たなくなった美幸線の残骸が再び登場。この未成線、仁宇布まで道道120に並行し、山の中に現れたり消えたりする。何だか壮大な無駄遣いの残骸を見ているような気分にさせられる。
記 2005.9/8