2004.9/18 清水峠 #2

赤は今回経路

(前夜水上泊#1)
土合→(国道291)新道分岐→(新道)新道分岐
(以下#3)→(国道291)白樺尾根→(国道291)鉄砲尾根
(以下#4)→(国道291)井坪坂分岐→(井坪坂新道)本谷沢
(以下#5)→(中部北陸歩道)追分→(国道291)六日町   44km

芝倉巡視小屋到着

夜明けの水上駅前 谷川岳方面

 4:30、駅の扉が開く音で起床。
 意外に寒くなかった昨夜だったが、夜明けともなるとさすがに身体が冷える。フリースとポロシャツを着込み、おにぎりとパンをペットボトル茶で強引に押し込む。
 5:20、車で到着した子連れさんに拾ってもらい、水上発。やはり登山客が起き出している湯檜曽駅脇を過ぎ、同じく登山客の自動車が一杯に置かれている土合駅の駐車場に車を滑り込ませ、そそくさと荷造りを開始。

登山客の多い土合駅前 準備中の子連れさん

 6:05、土合発。この時間のこの谷間にしては、少し蒸し暑さを感じる。天気予報では降水確率20%、晴れ後曇りだったが、まだ早朝なこともあり、山の間の空の色ははっきりしない。

新道分岐 道標

 すぐに湯檜曽川の谷へ延びるダートへ分岐する。
 一般に清水峠越えのコースは、一度一ノ倉沢まで国道291の舗装路で登ることになっている。しかし、そこから先、旧国道が崩落で危険なため、一度湯檜曽川の川原へ約200m下り、「新道」と呼ばれる川原沿いの道に合流するのだ。
 どうやら目の前のこのダートを進むと、最初からその新道に合流できそうなのである。分岐には「新道」の標識と解説文もあった。確か以前、一ノ倉沢駐車場まで舗装路で進む方が時間が掛からない旨を読んだようにも思ったが、そちらだと前述のように200mの山道担ぎ下りがある。自転車滑り落としもあるとのこと。
 私なんかは一ノ倉沢に谷川岳という名前を聞いただけでびびってしまう。何しろ遭難率では全国有数の「魔の山」、とても一人では来ることができなかったのだ。

森の道 少し先に広場が 早速担ぎ

 そのダートへ足を進めると、広葉樹林の中に緩登りが続く。そろそろ山の間から陽が差し始めていて、緑の木漏れ陽で道が明るい。

再び森の道 密な木々 道は川原に降りる

 ここ数日続いた雨のせいか、路面は多少湿ってはいたが、何とも気分がいい道だ。ずっとこんな道なら、とも思うが、まあそれならこのコースは難コースとしてこんなに有名にはならないだろう。

多少疑問を感じつつ石に描かれた赤いペンキ通りに進む 見上げると茂倉岳 一ノ倉沢を遡る 一度行って戻ってがあり、再び新道へ

 マチガ沢で道は湯檜曽川の川原に出た。切り立った山に挟まれた広い川原、大きな石の上を、赤いペンキで描かれた矢印通りに進む。途中一ノ倉沢で道間違いの行って戻ってがあり、再び森の中のダートに戻る。

登りが多くなる 木々の間から湯桧曽川を見下ろす 急下り 再び川沿いダート 雰囲気のいい森の細道 一ノ倉沢からの下りとここで合流 道標が見える 木漏れ日、落ち葉の道 でも深い落ち葉でちょっと走りにくい

 その先から道は狭く落ち葉でグリップが悪くなり、石も増えてきた。森の中に乗れたり押したりがしばらく続き、やがて森の向こうに芝倉沢の巡視小屋が現れた。

幽ノ沢 すっかり山道の雰囲気濃厚 森が深い 担ぎで進む子連れさん 芝倉避難小屋到着 木立の中のちょっとした広場はなかなか快適

 空には次第に雲が多くなってきていた。湯檜曽川対岸の山は、上の方がすっぽりと厚い雲に覆われている。しかし、巡視小屋は鍵が掛けられていて、今ここで雨が降ってきてもどうしようも無い。雲は動きが速く、見た目ほど心配するような事態ではなさそうだ。小屋の前、少しの拡がりはなかなか居心地が良かったが、少し休憩して出発。

けっこう大きな小屋 鍵がかかっていて入れない 土合から5.5km 清水峠まで11km まだ峠まで1/3 一度河原へ降りる 足下の危なっかしい石を渡って再び山道

 もはや完全に山道と化した道で一度川原へ降りて、武能沢を渡り、再び谷底から離陸するようにぐいぐい高度を上げる。

ぐいぐい登り始める 道にも石が増える なかなか乗れない 周囲が開けると辺りはすっかり山の中
崩壊で完全に道が無い でも足元は意外にしっかり

 「あの送電線鉄塔辺りまで一気に登るんです。そこから先はあまり登らなくて、でも滝の上を渡るみたいな、危険な場所があるんですよ」
と子連れさんが教えてくれた。今の私には、後の危険個所など、とりあえず鉄塔に着いてから考えればいい。目先の担ぎ登りで手一杯だ。

山道を進む ジャングル状態 左右から植物が道にオーバーハング
頭上にも茂みが と思ったら時々周囲が開ける もうすっかり山の中

 それに、目指す方向の上空にも、雲が次から次へと押し寄せていた。ただ、あまり黒っぽい雲ではない。日差しこそ遮られているが、振り返ると青空も見える。小振りの雲が高速で動いているようで、天候急変の心配は無さそうではある。

比較的路面は安定 そろそろ芝倉沢 沢の上流方向に道を探す 分岐の道標発見 次第にワイルドな山道に

 細かいつづら折れに押したり担いだりの急坂がしばらく続いた。登りに入ってから、山サイエキスパートの子連れさんはずっと私の後ろについてくれていた。このため、800mを一気に登るこの登りで、遅い私が焦って疲れることが無い。

押したり担いだりの山道 根っこも多い 終始担ぎっぱなしの子連れさん さすが ぐいぐい登る つづら折れが続く 木々も荒れた感じ

 途中の鉄塔では周囲が開け、湯檜曽川を挟んで反対側の山々、笠ヶ岳と朝日岳の塊が真っ正面に姿を現した。山の上の方にはちょっと嫌な雰囲気の雲が溜まっているが、こちら側の低い雲は消えている。子連れさんも私も、もはや雨を全く心配していない。それどころか雲の隙間から現れた日差しはとても厳しく、じりじりととても暑い。しかし、さっき汲んだ沢の水がとても美味しい。なんだか甘い味すらするようで、しかもとてもクリアな味わいである。

送電線鉄塔下の広場へ入る 山道で地図を確認 鉄塔下広場から湯桧曽川の谷を望む
朝日岳方面へも開けた展望が

 2つ目の送電線を過ぎると、地図通りの線形で道が曲がった後に、地図通りに山の中で山道に合流した。
「これが国道291です」
と子連れさん。ええ?!単なる山道じゃない!?まあ荒れているだろうとは思っていたが、もはや路盤すら完全に埋まってしまっているようなのだ。他にも山道国道というのは知ってはいるが、あまりに国道というイメージからかけ離れた目の前の山道に、3度子連れさんに聞き直してしまった。

子連れさんが「これが国道291です」確かに手前の木に「土合」の標識 それにしてもほんとに山道 それも廃道寸前のジャングル 水平区間に入る 木洩れ日の道 路面は石が多い

記 2004.9/20

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Last Update 2004.9/29
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