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2004.5/15
M林道K峠 #4

H島→(X道XXX)U沢→(X道XX)N田(以上#1)
→(X道XX)H河原(以上#2)
→(M林道)K峠(以上#3)
→(M林道)T台→(K林道)K内
→(X道XXX・X道)→(X道XXX・IX道)R橋
→(X道XX・X道・X道XXX)I市  113km

N岳が信じられないアングル

 峠は晴れていたが、H村側に進むと明らかに曇っている。前回強烈な太陽光線に照らされて光り輝くようだった原生林の風景は、少し寒々しく見える。

原生林の中を行く

 晴れだった前回とは明らかに印象が違う。いや、天気以上に峠下の風景の詳細を完全に忘れてしまっているようだ。前回は、見たことの無い静かな原生林の雰囲気にあっけに取られ、記憶容量をオーバーしてしまったのか。

一気に落ち込むH村側

 峠下の大きなつづら折れが終わると、T川の谷間の大空間に面した区間、いよいよこのコース最大のハイライトだ。標高差500m以上の谷を見下ろし、同時に標高2X00m弱のN岳と、続く稜線がその全貌を見せて間近に、上下にも左右にも眼前一杯に立ちはだかる。

S岳を裏から眺める ちょっとニューサイ写真 KK岳を見上げる
大きなつづら折れで一気に下る

 崩落の止まらない荒々しい岩肌、その岩に張り付く新緑の木々。谷間の大空間、山の猛々しいテクスチャ、色彩とボリュームの両方がちょっと他ではお目にかかれない迫力だ。

一気に展望が拡がる カラマツの林

 一方、道は切り立った岩山に張り付いて、上も下も開けた空間に直接面している。まさに空中の道だ。しかし、急下りの連続急カーブで岩山に張り付いた道がかなり下の方まで見通せるのが、何とも危なっかしく恐ろしい。いつまでもこの風景を見ていたいと思うが、できれば早く降りてしまいたいという気もする。

KK岳からN岳が一望

 前回見つかってしまったバスの時刻を気にしながら、少し急いで下り続けると、林道を徒歩で登ってくる登山者達とすれ違ったり、猿の群れ、シカ、そして道路脇にちらっとカモシカなど、様々な山の獣を見ることができた。

徒歩の登山者 大パノラマを眺めつつ下る

 バス折り返しのU台には、バスはあったがどう見ても人影は無い。休憩所らしいパックハウスの窓にも人影は見あたらなく、おそらく運ちゃんは中で熟睡しているのだろう。
 となれば通過させていただくしかない。14:00、U台通過。
 これで本日最大の難関、バスをやり過ごせたことになる。このまま進んで、以前偵察した川沿いの崖地から自転車滑り落としでも何でもやって強引に降りてしまえば、T台ゲートで怒られずに通行禁止区間を抜けることができるのではないか。

下るに連れKK岳は背後へ、主役はN岳に

 U台までは多少急いで下ってきたが、もうここまで来れば、折り返しまで1時間以上あるU台のバスに追いつかれることは無いだろう。
 C線から見えるのと逆のシルエットを描くM山脈の稜線は、こちらが進んだなりに少しずつ位置が変わっていた。道のすぐ外側の大空間は本当に見応えがある。のんびりニューサイ写真など撮りながら、落ち着いて下る。

ど迫力のシャトルループが連続 山へ向かって一気に急下り 行く手は急カーブ、ちょっと恐怖

 ところがいきなり、目の前のカーブの向こうにバスが現れた!
 そんなばかな、と思うと同時に、
「多客時にはバスの続行運転を行います。」
というバスの案内文を思い出した。
 今日は2台運行だったのだ!

 完全にしてやられた。またもや見つかってしまった。
 バスの運ちゃんがこっちをにらんで通り過ぎてゆく。この後は、バスの運ちゃんの連絡で林道パトロール車が出動し、1本道の向こうから自転車を捕縛しにやってくるはずだ。それをクリアできても、林道終点のゲートでは番人が待ちかまえている。
 逃れる可能性としては、前述のT台手前のつづら折れ最下段に、パトロール車が登って来るより早くたどり着き、滑落でも自転車落しでも何でもやって何とか川原へ降りるしかない。そんなことが可能かどうかはわからない。以前の偵察では、少なくとも下から見えた範囲は、自転車を担いで登るとかなり危険そうだった。
 しかし、事態は急を要している。もはややるしかない。

だんだん新緑が戻ってきた

 下る途中では、普段C線から見上げる稜線を正反対に、しかも間近の真横から眺められる。ど迫力の風景は、たとえ2度目だろうと、立ち止まって見入ってしまうほど素晴らしい。

下界へ一目散に下って行く道 正面はもうK林道の谷

 思えば前回はバス折り返し地点で見つかり、かなりのんびり下ってつづら折れの最上段ぐらいでパトロール車とすれ違ったのだ。今回はここまでかなり早いペースで下ってきている。多少急いで下れば、時間的には全然大丈夫だろう。

道端のスペース 数少ないバス転回所? ぐいぐい下る カラマツに包まれた道

 急ぎつつもけっこういろいろ楽しんで、T川が行く手に開けた谷を下ってゆくのが見え始めた。前回から考えると、ここまでかなり素早く下ってきている。とりあえず一安心、あとは降り口を探すだけだ。

行く手が開けてきた 振り返ると国境の山々が いよいよ最後のつづら折れ この直後に捕縛

 と思いつつ15:00、つづら折れに差し掛かると、行く手に早くもパトロール車が登ってきた。かなりお早いお出ましではある。
 こうなったらもう腹を括るしかない。ここで逃げても、もう脱出ポイントはT川の川原しかないのだ。でも、再び見つかってしまったので、件の斜面を無事脱出できても、彼らはT川の外で待ち構えているだろう。

 前回と同様、管理事務所に無線連絡したうえで私の処置は決まったようだった。前回より今回の方が多少扱いが厳しいような気もする。
「去年も入った人がいたけどね。風景がきれいなのはわかるけど、次はバスで来てね」
次回はもっと厳しくなっているかもしれない。

T台を振り返る 最後のつづら折れがちらちら K林道はぐいぐい下って行く

 15:15、T台発。下界に降りてみると、空には雲が広がっていた。
 とりあえず所期の目的を達成して、もうあとはちゃちゃっと下るだけだ。しかし、途中で立ち寄らなければならない場所がある。道の駅だ。ここにはインストアベーカリーが設けられていて、焼きたてのパンが食べられる。特にミニクロワッサンはオーブンから出てある程度冷まし、店に出たそばから売れてゆくという人気ぶりなのだ。もちろんお菓子系、総菜系等、他の調理パンも焼きたてでとても美味しい。

 15:30、道の駅到着。早速プチクロワッサンを買いに行くと、この中弛みのはずの時間帯に、店内にお客さんが一杯だ。今回は21個を完食。

X道XXXに合流 M湖沿いの新道 クロワッサン20個と記念写真 1個は店内で食べました

 16:00、道の駅を出発。Mダムを渡り、NHルートでIX道へ向かう。I市の手前で道を間違い、多少回り道してしまったが、I市駅には16:40着。

のえっちルート 静かないい道 農村の中へ この後国道に合流 Iサイをひたすら下る

 列車の時間を見ると、何と16:45。その次は1時間以上後だった。まともに考えると4分半しか無い。輪行して切符を買うところで列車は出発してしまうが、実はワンマン運転のためか、今までこの駅で列車が定時に来た試しが無い。多分切符を買う余裕はあるだろうと思った。
 しかし極端に時間が無いのは確かだ。泡を食って輪行開始。

記 2004.6/26

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Last Update 2004.6/27
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