北海道Tour04 #8-1
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翌日晴れの天気予報が信じられない大雨だった昨日だったが、朝目覚めて窓の外を見ると、すかっと透明な美しい夜明けの空が拡がっていた。一気に目が覚めた。
5:30、輪行袋から自転車を出し、組立開始。組み立てる途中で、前泥除けステーの環付ダルマが根っこから折れているのに気付いた。のみならず、前ブレーキのアーチワイヤがボルト固定部分で折れ、ちぎれそうになっている。
一瞬、ここで旅程終了か、と思ったが、一応いろいろスペアのパーツは持ってきている。落ち着け。
結局根っこから折れた環付ダルマはとりあえずベルクロでステーごとフォークに固定。また、前ブレーキアーチワイヤをちぎってそのまま千鳥のクランプで固定、アーチワイヤの短縮分はブレーキレバーのクイックを開けて調整。何とか今日一日だけなら、全く問題無く走れるだろう。
6:15、朱鞠内蕎麦の花YH発。
しばらく低山の狭い谷間、畑や牧草地や林に下り基調が続く。雨上がり後の澄んだ空気と強烈な朝日で、風景のコントラストは強烈だ。しかし、今までの朝と違い、今朝はとても涼しい。さすがは道北。
7:00、添牛内発。これから向かう奥羽幌方面の山々を見渡しながら、添牛内の外れで国道239へ分岐。羽幌方面から道北中央部へ向かう場合、小平からの道道742が通行止めになっていることが多く、一般的にはこの霧立峠経由が唯一のルートとなっていた。
いつも美深峠や朱鞠内湖畔から眺める大樹海が広々としているだけあって、静けさの漂う森と、だらだら非常に緩い坂が川沿いに続く。これがダートだと、熊が出そうな林道そのものだが、日中の舗装国道ではさすがに熊の心配はあまり無い。
峠手前で坂が急になることもなく、7:50、意外とあっけなく霧立峠着。ピーク部分で尾根をくるっと巻くタイプの峠である。カーブの少し向こうには峠の碑がある展望所があったが、峠のあっちもこっちもだらだら坂と大樹海の眺めで似たような風景ではある。
振り返ると、稜線部周辺は急に岩山がごつごつと高くなっている。朽ちかけた大木や広葉樹、その間に見え隠れする岩山の地層断面は、なかなかの迫力だ。
峠の向こうにも、似たような表情の森とだらだら下りが延々と続いた。やがて現れた青い道路標識に従い、道道742、霧平峠へと向かう。
通行止めのために来る機会を作らなかったが、奥羽幌の山間というロケーション、霧立峠から小平という意外性、途中の小平蘂湖、しばらく目を付けていたこの道道742だった。分岐のごついゲート、周囲の高く鬱蒼とした茂みに、通行止め期間の長さが伺える。
例によって8時を過ぎて太陽が鋭くなり始めていた。高い茂みの湿気が蒸し暑い。途中には大規模な路盤改修区間があり、これが通行止めの原因だったのかとも思わせられる。
坂はやはりあいかわらずだらだらで、しかも標高差はたった120m。峠部分のトンネルはすぐに越えてしまった。同じような深い森、尾根まで続くだらだらの緩傾斜、これはこの辺の地形の特徴なのだろう。
記 2004.9/5