北海道Tour04 #6-1
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自転車を室内保管したため、朝っぱらから自転車を組み立てないといけない。5:20、いつもより早めに外へ出て準備を始める。
昨日に続き、今日も天気は曇りだ。でも雲は高く、雨の心配は全く無い。今日こそは最後まで走ることができるだろう。
陸別は十勝地方北東奥の山間の町で、周囲の低い山に囲まれて国道242に町が張り付いている。その陸別でも、数日前に較べると今朝はかなり涼しい。まあそれでもTシャツ1枚で快適ということは、まだまだ暑いのである。今日通る予定の、日陰のない十勝の道や狩勝峠では、なかなかつらいことになるかもしれない。
などと考えながら一通り自転車を組み立てたところで、前輪のタイヤサイドから黒い部分にかけて、すっと3cm強ぐらい亀裂が入って、裂け始めているのに気が付いた。何ぃぃ!!焦って後輪をチェックすると、こっちにも小さな亀裂が2箇所。
昨日のバス輪行か3日前の道東スーパー林道か。どっちにしても、むしろ今気付いて良かった。でも、道東スーパー林道が原因とすると、これでよく2日間走ってきたな。あるいは走っているうちに、ちょっとした亀裂が次第に開いてきたのかもしれない。
予備タイヤは1本持っているが、とりあえず裏からパンク用のパッチを当てて凌ぐことにした。タイヤを外してみると、当然のごとくチューブにも亀裂が。泣きたくなったが、多めに持ってきたパッチと、乾いていないゴム糊のおかげで一安心。
この際一気にチューブまで修理する。当然のように、一気に時間が経ってしまった。更にコンビニ補給では終わった地図返送の宿題があり、結局出発は6:50。
牧草地と畑と森が続く広くない谷間を、国道242はちほく高原鉄道と絡み合いつつ、ひたすらだらだらと下ってゆく。今日は足寄手前の塩幌で道道468に逸れる予定だが、2001年の記憶だと、このだらだら下りが足寄まで延々20数km続くのである。
国道らしい埃っぽいような表情の道ではあるが、この山間区間では意外に車が少なく、そこそこ落ち着いて走れる。もっともこの交通量の少なさが、昨日乗ったちほく高原鉄道の抱える最大の問題なのだ。
7:50、塩幌発。国道の谷から塩幌川を遡る道道468に入る。やはり交通量は段違いに少なく、雰囲気は圧倒的にのどかになる。この先を登っても牧場があるだけで、普通の通行者には意味無く登って下るだけの道ということもあるが、やはり国道より道道の方が自転車には安心できる。
折り返した道が塩幌川と分かれ、いよいよ登り区間が始まった。
すぐに北側の町営牧場の斜面への展望が一気に開けた。薄日で多少蒸し暑くなってきていて、遠景は霞んでいるが、手前の小山の向こう、谷を挟んで北側の山裾に拡がった牧場が見事だ。何で今まで来なかったんだろう、と思うような展望である。
と同時に、もう少し晴れた日でできれば暑くない日に、青空をバックに見たい風景だとも思った。
道が尾根をくるっと巻くと、今度は展望が南に開けた。白く湿気った空中に、雌阿寒岳と雄阿寒岳がすっきりと大きくシルエットで浮かんでいる。登り切ると牧草地の1本道で、意外と普通の牧場の風景だが、さっきの谷底からの登りと違い、稜線の涼しい風が有り難い。
下り基調の牧草地の後、きりきりっと急降下、道道88に合流。山間の谷に緩々下りが続いて、10:10、芽登着。
直線の道道88と漸近線のような曲線の国道274がぶつかる、その直線と漸近線の狭間に民家がきびすを寄せ、奥に十勝の山々が並ぶ芽登の風景は、昔からちょっと独特である。初の北海道自転車ツーリングの86年、ちらっと眺めた家並みにそちらへ進みたくなったのを思い出した。
芽登から十勝の縁へ登る国道274の坂は、登坂車線まであってだだっ広く、埃っぽく閉鎖的だ。が、登り切ると、突然広々とした十勝の風景、カラマツの防風林が一直線にグリッドを切る緩やかな丘が拡がった。東の丘陵地帯から十勝に進むと、このように急に風景が変わることが多いように思う。
上士幌までは一直線、下り基調。平野の風が向かい風となる。狭い路肩には、一昨年に乗り上げ転倒したような、国道のアスファルト補修のエッジが目立つ。この辺の道路補修はこんな感じなのだろう、多分。
記 2004.9/3