八千代→(道道216・市道・道道240)上札内
→(道道55)大樹
→(国道236)豊似
→(国道336)百人浜(途中庶野まで8-1 以下8-2)
→(道道34)えりも(以上8-2 以下8-3)
→(国道336)様似
158km
北海道Tour03 #8-1
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いつものように4:45に起きると、今朝も空は雲が厚い。しかしさすがに十勝、道北や道東と違って寒くはない。
6:10、帯広八千代YH発。まずとりあえずガスっぽい牧草地と防風林の中を上札内へ。途中で何本かの川を渡るが、先日の台風の被害か、どの川でも、中州や岸に若木のような細い木が根っこごと干上がっていた。それだけなら今までの行程でも見てはいたが、この辺りではそういう流木がおびただしい数なのだ。山の被害は相当なものだろうと思う。それに今日は日高地方まで行くつもりなので、静内方面の道路状況はちょっと心配だ。海岸沿いの国道は問題ないようだが、浦河から先は丘陵地帯の静かな道に向かいたいのだ。もしかするとその辺りの道は、ずたずたになっているのではないか。
7:30、上札内発。道道と町道が何本か交差する集落の、何か西部劇に出てくる小さな町のような雰囲気を横目に、道道55に乗り換えて大樹へ向かう。
霧は次第に霧雨になっていたが、村営牧場のピークを越えると、周囲の霧は晴れて雨が止んだ。十勝らしいだだっ広い平地に牧草地と整然とした防風林のグリッドの中、大樹川沿いに緩い下りが続く。おまけにけっこう強い追い風で、これ幸いとペースが上がる。尾田からは路面が乾きだした。
8:35、大樹着。ここから国道336に乗り換え、広尾まで十勝平野の最南の縁を更に南下する。一直線の向こうで時々緩くカーブする下り基調の1本道は極めて単調だ。おまけに時々降りだす雨が、その単調な色彩のコントラストを更に下げている。今までの道道55と道の方角は変わっているが、その角度の範囲で追い風はまだ続いているので、あまりつべこべ考えずにひたすら広尾を目指す。
川の河岸段丘を挟んだ向こう岸に街が見えてくると広尾である。大きな谷を下って登ると、谷で天気が変わったのか、空が少し明るくなってきた。
さっきの大樹でコンビニ休憩をしなかったので、ここで少し補給。9:30、広尾発。
広尾を出ると、国道は町がある台地から海岸に降りる。ここから十勝平野が完全に終わり、日高山脈が海に落ちる岩山の海縁に張り付いた一本道となる。この岩山に張り付く広尾・庶野間の道は、凄まじく費用の掛かる難工事だったことから「黄金道路」と呼ばれている。黄金を敷き詰めたような道路、ということらしい。
広尾で一度明るくなった空には、再び低く厚い雲が垂れ込めていた。海面から切り立った岩山が、ちょっとガスっぽい灰色の空の中でシルエットになっている。海面もまるで液体金属のように不透明で重い色だ。
岩場が切り立った海岸は、日高山脈の岩山がそのまま降下して海岸へ降りてきたような険しさだ。道の全く無い状態から通したこの道は、今は何てことはないように広い道が付いていて、覆道や岩をくり抜くトンネルも多い。
海縁の道になって、追い風は更に強くなっていた。空も海も岩山も風景は重苦しかったが、意外にペースの良い快調な行程だった。それが庶野に近づくと、法面補強等の工事で、片側通行のための信号待ちが増えた。道は広く平坦だが、こういうところにも厳しい自然を感じる。
ふと、前方の空が明るくなってきているのに気が付いた。ところが、その次の小さな岬を回り込むトンネルを抜けると、信じられないことにその向こうには日が当たっていた。良い傾向である。等と思いながら2・3分も走らない内に、空はすっかり晴れてしまった。
記 2003.9/11
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Last Update 2003.9/21