アルプスで650A |
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2004.8/9 北海道白糠郡音別町 道東大規模林道にて |
2005年2月。650Aランドナー乗りに、遂にその時がやってきました。
今まで圧倒的定番製品だった三星トリムライン。メーカー車からの叩き上げランドナー乗りなら必ず1度はお世話になったことがある、という程の超定番でした。そのトリムラインを製造・販売していた三星ベルトが、何と自転車タイヤ事業から撤退することになったのです。
それまで650トリムラインはずっと安定した供給状態で、ツーリング先の昔ながらの自転車屋さんでも在庫があるような、一般性のあるタイヤでした。その反響は大きく、取り扱い中止が報じられてから僅かの間に市場から一気に在庫が無くなりました。
そんな最中でしたが、アルプスでは無事650Aタイヤを入手できました。
「ぼくはこの650Aというサイズを残したいんですよ。取り回しやすくてツーリングにぴったりでしょ」
と萩原さん。
三星トリムラインの太さは35と38、タイヤサイドはオープンサイドとゴムサイド。パターンは35が有名な松葉、38はちょっと頑丈そうな複雑パターン(ボキャブラリー無くてすみません)。私の使っていたトリムラインは35Aオープンサイドでした。
そのトリムライン35・650Aはふわふわした弾力に、ちょっとした段差でのグリップはそう悪くなく、長年身体に染みついた乗車感もあって、結構気に入っていました。
しかし、ダート等でのグリップは何故かあまりよろしくなく、砂利の上でよくずるずるっと空転したものでした。
トリムラインを愛用する一方で、以前勧められてから1号車で使い始めていたアルプスタイヤ。シングルトラックからダートでのグリップの良さ、舗装路での走りの軽さを両立させ、4サイドツーリングまでそつ無く以上にこなす優秀ぶりには、密かにひたすら感心していました。
そこにトリムライン製造販売中止のニュース。これ幸いと慣れ親しんだトリムラインから決別、アルプスタイヤに統一することにしました。
思えば自分の自転車はアルプス製品が多く使われています。いろいろ探したり試すうちに、アルプスオリジナルの製品に行き着いた、というパターンが多く、特にホイールはほとんどアルプスのオリジナルパーツかお店常備の製品を使って、丈夫で乗り心地の良い安定したホイールを組めています。ハブだけは以前安かったのを買っておいたシュパーブプロですが、これにしてもアルプスの棚の中には、シュパーブプロ同等らしい三信プロエームを見つけることができます。
痒いところに手が届くようなラインナップは、きっとアルプスの名車群、クライマーなどによる山道ツーリングの、そしてローバーなどによるハードツーリングのノウハウに裏付けられたチョイスなのでしょう。
上記のように2005年の春から、全面的にアルプスタイヤを使っています。
松葉パターンのトリムライン650×35Aと比べると、舗装路での走りは軽いのに、ダートでのグリップはかなり向上。北海道Tour04 #3の道東スーパー林道、4サイドダート70kmツーリングもこなす万能ぶりです。おまけにこのタイヤ、トリムラインに比べて異様に減りが少ないのです。トリムライン35だと2000kmからスリッピーなのを騙し騙し使い、ほぼ2500kmで完全につるつるになってしまうのに、このアルプスタイヤは4500kmぐらいでようやく交換時期、といったところ。
アルプスの萩原さんによると、以前三星がお蔵入りさせる予定だったタイヤを、特注で仕入れていたとのこと。現在はパターンを変えずにナショナルタイヤへ特注、アルプスという名前になっています。
ツーリング用として非常に優秀なタイヤなので、650A車ユーザーには是非一度試してもらいたいタイヤです。
これがアルプスタイヤのパターン。確か3000kmぐらい走行済み、エッジがちょっと丸いですが、まだまだこれから。 |
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トリムライン35のいわゆる松葉パターン。 |
以前はアラヤのシングルウォールのSP30を使っていたのですが、2001年6月のランドナーオフ頸城の春01でポテチ事件を起こして以来、より剛性の高そうなウカイのパイプリムに替えました。アラヤより断面はやや狭く、そんなことも剛性が高そうな理由の一つです。
その後何度かホイールを組み直しましたが、何とウカイが倒産してしまい、現在は古いリムを再度使って新しいホイールを組んでいます。手持ちは予備を含めて6本。前後とも使用2本ずつに予備1本ずつで運用中です。つくづく6本買っておいて良かった…。
リムはウカイ製パイプリム、やや細身。もうけっこう使っているので、ブレーキ跡がけっこう削れていますが、薄くなったという程ではなく、まだまだ使えそう。 |
これもアルプスで星に特注という、#14/16ダブルバテッドを使っています。
2段落ちスポークはスポークの真ん中がちょっと細く、ホイール強度が心配な人もいるかもしれません。でも、実際にスポークが折れるのは、いつも後輪のギヤ側、ハブ穴のスポーク頭部分。この部分は#14になっていて、強度は#14と変わることはありません。おまけに細い部分のしなりが応力を逃がすのか、まだこの細い部分が折れたことはありません。
上、中が#14-16、下は#14-15。段差部分が明らかに違うのがわかると思います。 |
以前なるしまフレンドで安く売られていた、サンツアー袋入りのシュパーブプロを使っています。このハブは異常に回転が軽く、振れ取り台の上で回すと、音も無くずっと回り続け、しばらくして止まると、今度は反対側へ振り子運動を何度か繰り返し、最後にようやく停止します。
基本的にメンテナンス不要なシールドハブですが、特に後輪は15000km前後からガタが出始めます。以前はその時点でシャフトを新品に振り替えていましたが、どうもシャフト以外のハウジングまでへたり始めているようで、一時的にしかガタは減りません。この手のシールドハブは、ガタが出始めたらたらそろそろ寿命と考えるのが適切なのかもしれません。
シュパーブプロのハブ。汚れやすい場所には汚れにくい仕上げなど、考え抜かれた仕上げの組み合わせには脱帽。 |
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使用状態。スポークテンションは2本のスポークを指でつまんだしなり方で管理。スポーク穴にグリスを付けてホイールを組むと、後で狂いが出にくいです。 |
記 2006.2/12