北海道Tour25秋#13-1
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開陽→養老牛
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4時過ぎ、昨夜からまだ大雨が降り続いていた。天気予報通りであり、目は覚めてもしばらく2度寝しておく。どうせ秋なのでまだ寒い。晴れたってこの時間には出発しない、最初からそのつもりだ。ああ、民宿地平線の布団は優しく暖かい。
6時から昨夜仕入れておいたセイコーマートのネタで朝食、その後しばらく待機とする。ニュースでは道南や胆振地方、更に十勝方面での線状降水帯や豪雨による床上浸水、大規模土砂崩れなどの被害が報じられていた。こちらでは幸いそういう災害は報じられていないものの、石川さんによると夜中から早朝にかけて停電があったとのこと。
この後の天気予報は、昨夜と変わらずお昼まで雨は上がらないことになっている。しかし11時から降水確率が50%に下がり、12時以降曇り、夕方は晴れるようでもある。
それなら今日は札友内に行けばいいから、最悪お昼過ぎ行動開始でいい。と思っていた。
8時頃から何となく雨は弱まって、また強くなったりしていた。雨が上がる天気予報の時、予報より早く雨が上がり始めるのはよくあることだ。それならこちらも9時頃から自転車を組立て、出発準備を進めておく。果たして、10時に雨が上がり、10時半には外に陽差しが感じられ始めた。よし、出発しちゃえ。
10:50、民宿地平線発。走り始めると、まず町道北19に出る前に既に青空が見え始めている。よっしゃ目論見通り、これは行けるね。
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そして町道北19からは、開陽台がすっきりよく見えるのであった。寄ってこうかどうしようかと少し考え、ちょっとまだ風が強いのであまり寄り道せず、まずは脚を進めることを優先する目的で、寄らないことにした。とにかく行程には余裕が見込める方が良いし、行けるときに先に進んでおくというのは、普段列車が遅れたときですら鉄則中の鉄則だ。空には雲がけっこうな速度でどんどん飛んで行き、青空が拡がり始めている。そば処福住弟子屈店で昼飯にした後、弟子屈のセイコーマートか道の駅の軒先で13時半過ぎ。時間を持て余して途方に暮れる自分の想像をしたりもした。
後でこの判断が、今日の私を救ってくれた数少ない正しい判断だったことを思い知る。いや、単にそれぐらい風が強かったというだけの話であり、正しい判断としてはここで引き返すべきだった。
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開陽台入口から下り始めると、路上には木々の枝がけっこう落ちているのに驚いた。けっこういっぱい落ちていて、中にはそこそこ大きな枝もみられた。嵐の後ならではの光景だ。昨夜の嵐がただ事じゃなかったことが、よくわかった。というより、未だかなり強い風が吹いている。少しだけ、こりゃあヤバいぞと思ったものの、引き返すには至らない。
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先へ進むと、俣落から周囲が牧草地で開け始めたためなのか、もう風が強い強い。風というより乱気流に近い。牧草地の池みたいに溜まった水たまりに青空が映り、これはこれでなかなかの絶景だ。もちろん普段はこんなところに池のいの字も無い。
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道が斜めに向きを変えると、一気に速度が10km/hに下がった。緩い登りのせいだけじゃない、ちょっとした道の角度で風がもろに向かい風になるのだ。道の方向がまた変わると、風がどうやら追い風基調に変わったようで、登り基調だというのに20km/hぐらい軽く出るのにまた驚かされた。しかし風の向きはやや不安定で絶えず微妙に変わっている。この先乱気流になって急な突風にさらわれるかもしれない気がした。今のところはあまり調子に乗らないことにした。とにかく安全第一で、いつも以上にゆっくり行こう。結局、北進への登りではまたかなりのろのろになってしまった。
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一方その間、雲が高速で空をどんどん飛び去ってゆき、空にはますます青い部分が増えていた。もはや空だけについて言えば晴天、と言い切っていい。北進のいつも地平線が見えるポイントでも、根釧台地がよく見渡せる程だ。しかし風というよりかなりの乱気流が更に強まって吹き荒れ、立ち止まるというより自転車を安定して進めるのに一杯一杯、とても脚を停めて風景を眺める気に全然ならない。
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その後若竹から旭新養老牛へは、一転して追い風のため進行自体は快調だった。
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いや、快調というより、防風林が揃えてくれている道方向の追い風に、煽られて飛ばされていただけだ。
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そんな感覚が何となく、しかしひしひしと感じられ、路上の居心地はあまりよくない。
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12:30、養老牛ながかわ商店着。自転車を停めるにも、風に飛ばされないよう気を遣う。空を見上げると、雲が異常な速さで通り過ぎてゆくのに笑っちゃう程だ。雲が低くて速いのだ。流石の私も、石川さんに弟子屈まで乗せていただくようお願いすれば良かったなと思い始めていた。しかしここまで来たら、もう流石に開陽まで戻る気はしない。そして開陽までより国道243までの方が近い。それに依然として空は青空、陽差しは明るく、見た感じそのものに不穏な印象は少ない。風はこの後収まる筈。風さえ収まっちゃえば、その後は夕方まで晴れるだけだ。さすがに国道243まで辿りつけば安心だろうと、まだ思っていた。
しかし実際にはこの辺はまだ全然序の口、開陽まで戻るべきだったのだ。
記 2025/11/9
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