北海道Tour24#11
2024/8/14(水)浜鬼志別→仁宇布-2

浜鬼志別→鬼志別  6km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路と航路

 

 4時に起きて外を確認しておく。厚い雲がオホーツク海上に垂れ込め、辺りは未だ薄暗い灰色の世界だ。ホテルと国道238の間に続く駐車場のアスファルトは、真っ黒ぬらぬらに濡れている。雨が降ってるかはわからないものの、それぐらいに降っているのかもしれない。今降ってなくても、今日は遅かれ早かれそんな感じの展開なのだ。

 バッグから出しておいた洗濯・充電・データ保存関係の物資を元の鞄に入れると、ずた袋然としていた荷物が持ち歩いてみようかと思うぐらいには纏まってくれるのが有り難い。いや、荷物が入っていても私のバッグはずた袋っぽい。鞄も持ち主以上にそろそろくたびれてきたなと思う。同じ鞄が前回は15年保ち、2012年に交代となった。ということは今年で13年目。大変丈夫で頼りになる鞄ではあるものの、去年そろそろ革の部品がちぎれてきた。再来年辺り布がほつれ始めるのかもしれない。次はもう鞄の買い換えじゃなくて、装備を減量する必要があるな。歳のせいだが、それ以上に道内の輪行状況はかなりひっ迫している。
 などと思いながら、昨日仕入れておいた朝食物資を水分と共に腹に流し込むうちに、次第に目が覚めてゆく。こういう時間が、私にとってとても楽しく有り難い旅の時間だ。

 

 荷物を持ってロビーへ降り、自転車に荷物を取り付けてゆく。夜警の方に鍵をお返しすると、 「牧草地から道道?あの道は熊出るんだよねえ。行くの?気を付けて」 と仰った。出発前にそういうことを言わないでほしい、それは毎回思い知っているから。

 5時5分、ホテルさるふつ発。駐車場から一旦国道238に出て、ホテルの敷地に沿うように牧場の脇から農道へ。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 頭上100mぐらいに垂れ込める暗い雲の下、力の限り生い茂る高い茂みと牧草地の中へ中へ、農道は続いてゆく。さっき夜警さんの話を聞いているからか、尚更去年より何か茂みが高いような、ワイルドであるように見える。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 見えるだけじゃなく実態はワイルドそのものだった。牧草地まっただ中では、鹿が大勢現れた。道のど真ん中にもいて、こちらをちらっと眺めてから茂みに飛び込む余裕まである。また別の奴は、牧草地の自転車から50mぐらいの位置を、逃げるというよりこちらを伺うように併走していた。それが一瞬じゃなく10秒ぐらい続くのだ。何だか野生動物に取り囲まれたような不穏な気分になってきた。頼むから、熊だけは出ないでくれと心から願う。行く手に近づいてきた道道1089に車が通り過ぎていったのが大変心強い。道にもっと車が次々通っていてほしいとも思う。

 しかし農道は周囲が開けた牧草地だっただけまだマシだった。道道1089はいかにも元天北線らしく、鉄道防風林っぽく鬱蒼と高い森に囲まれている。もうどこから熊が現れても不思議じゃない雰囲気が漂っているし、実際2〜3時間以内のものと思われる巨大ほかほかうんちも、道のど真ん中に居座っているのであった。

 鬼志別の住宅地区画が見え始め、角を曲がって住宅地に入ってもまだ心配だ。札幌の住宅地だって熊が現れるのだ。バスターミナルが見えてきてやっと安心できた。

 5時半、鬼志別ターミナル着。意外に時間が経っていないものの、もう来年からこっちじゃなくて国道238経由に変えようかな、と切実に思う。

記 2025/2/1

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Last Update 2025/3/2
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