四国Tour23#5 2023/5/3(水)
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運転手さんはぱっと見20台。明るい方だ。道中全区間に渡り、一杯お話ししてくださった。2017年にとろめきを訪問した話なども、喜んで聞いて下さった。そのとろめき訪問時、下って来て見上げた落出のループ区間を過ぎると、国道440は四国細道国道の例に漏れず急に細くなった。そして道に貼り付く集落をいくつか通り過ぎると、きりきり山腹の森を登り始めた。この登りだと、早々に私は押していたに違いない。
地芳トンネル手前で道はやたらと広くなっていたが、予めお願いしておいた道は自転車予定コース、四国カルストに東から入る県道303。初っぱなは幅4mぐらい、集落から森の中に延々と、10%ぐらいの細道登りが続く。もの凄い道である。私の希望で通るこの道を、なんと運転手さんは「こっちの方が走りやすくて助かります」と言って下さった。「向こうは細い上に今日はひっきりなしに車が来ますからね。対向車交換時に20mバック何度やるかわかりません」なるほど。確かにそうかもしれない。
谷底区間から離陸すると、山肌を巻いて延々と登りが続く。この登りが又かなり急だ。終盤では辺りの森が一気に開け、周囲の稜線を見下ろしつつ四国カルストらしきひときわ高い場所へ登ってゆく。開けた展望に「うわ、」と声が挙がるが、運転手さんは「こんなもんじゃありませんよ」。
稜線に登った後は、天狗荘脇の駐車場と、四国カルストの運転手さんお奨めポイント2ヶ所で停まってくださった。しかも四国カルストの展望ポイントは、5分ぐらい車から歩く場所へ連れて行ってくださったのであった。
お奨めポイント、四国カルストの最高地点では、ぐるっと周囲の山々を遠く見下ろす掛け値無しの360°展望が拡がった。最高地点に立つと、開放感というより自分が空の中へ溶けていきそうな浮遊感すら感じられる。この空中感覚は、まさに今日の天気ならではのものだろう。自分が真っ青になってしまいそうだ。凄い。
町道瓶ヶ森線の、見渡す稜線と見下ろす谷底と空がどこまでも続き、空の中に飛び出してしまいそうな恐怖すら感じさせる空中感覚とは、また全くタイプの異なる高度感だ。四国にはこんな道があるのだと、町道瓶ヶ森線を初めて訪れた時と同じく、また思った。自転車じゃなくてちょっと残念だったものの、間違いなく来て良かった。
ロードバイクが20%位の坂道を天狗荘方面へ走り去り、あっという間に点になった。ここを自転車で走るのは骨が折れるだろうが、また体調を万全に管理して訪れたい。とは思うものの、この天気を狙って2度目に会えるかどうかはわからない。できることは体調管理と無理の無い行程計画と、せいぜい毎年気象神社にお参りしておくことだろうな。
四国カルストの下手、レストハウスで私が降りるかと、運転手さんは一旦止まってくださった。私はと言えば地芳峠まで乗るのだという先入観があったので、そのまま予定通り地芳峠までお願いしたのだが、考え直すと全部下りなんだから、レストハウスから下っちゃっても良かったかもしれない。
何はともあれ下りも急で15%以上の斜度が続いた。自転車で来れなくて残念だったという気が、少し甘いかなと思い始めた頃、おもむろに地芳峠到着。10:20。
素晴らしい四国カルスト訪問だった。タクシーの運転手さんには感謝しかない。お金は掛かったものの、想定金額を下回っていたのは意外だった。ここまでかなり登ってきてはいても、距離自体はそんなに無いのかもしれない。
記 2023/6/4