北海道Tour23#8
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荷物を積む間もずっと、夜明けのオホーツク海の上には雲が垂れ込めている。雲の隙間には朝焼けの空が見えないこともない。まあでもしかし、このまま天気予報通り2〜3時間後に雨が降り始めるんだろうな。
5:25、ホテルさるふつ発。敷地北側から内陸へ向かう農道へ。
完全に空を覆い尽くす雲は厚く低く、辺りは夜明け頃よりむしろ薄暗い。雨は降っていない。遠景も比較的見渡せる。しかし、内陸方面に向かう農道の路面はしっとり、いや、けっこうびしょっびしょに濡れている。今のところ雨が降っていないのはラッキーなのだろう。
行く手に開けた牧草地を横切る防風林が現れた。その鬱蒼と生い茂る防風林の中に続く道道1089で鬼志別へ向かう。鬼志別市街の裏側に直接横付けるこの道は、元天北線跡だ。防風林も宗谷本線で見かけるような、鉄道仕様(?)のある程度厚みがある森だ。元天北線の跡は浜頓別から猿払までは北オホーツク自転車道、浅茅野から猿払までが車も通る道道1089となっている。北オホーツク自転車道は、過去に熊が出て時々通行止めになっていたことが多々あった。そうでなくても何度か通っていた時に得体の知れない不気味な圧迫感が感じられたので、今はコースに選ぶのを何となく避けている。こちらの道道1089も、通っている場所は北オホーツク自転車道と似たり寄ったりではあるものの、あっちより道幅が広く車がたまに通るというだけ安心感がある。でも、クッチャロ湖を望む山軽辺りの静かな雰囲気を思い出すにつけ、あちらは静かな自転車道であり続けてほしいような気もする。危険で道として通れないのは論外であるとしても、行けそうならまた訪れてみたくもある。行けそうなら。
短い道でも辺りが薄暗いので、思考は取り留めなく内向きに突き進んでゆく。しかしそのうち森の向こうに民家が現れて鬼志別市街の裏手に着くと、取り留めない思考は終了した。5:45、鬼志別バスターミナル着。
到着してバスの時刻を確認し、建物の軒下で自転車の解体を開始。作業中、周囲には時々犬のお散歩やランニングの方が去来し、町の人々の朝を想像させられた。旅行中の私にも鬼志別の町の人にも今日の終着地天塩の町にも、今日も明日も朝は来るのだ。
記 2024/1/15
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